日独伊三国同盟 「根拠なき確信」と「無責任」の果てに

日独伊三国同盟 「根拠なき確信」と「無責任」の果てに

990円 (税込)

4pt

4.5

亡国の同盟は、不信と誤認の産物だった。
『独ソ戦』著者が対独関係から描く、大日本帝国衰亡の軌跡。

優秀な人びとを抱えながらも、なぜ日本は亡国の戦争に突入したのか?
亡国への分水嶺となった三国同盟は、そもそも不信と誤認の産物でしかなかった。

〇外国を崇拝し、その国の人間になってしまったかのような言動をなすもの。
〇国家が崩壊することなどないとたかをくくり、おのが権力の維持だけをはかるもの。
〇自らの構想の雄大さを誇るばかりで、足下を見ず、他者をまきこんで破滅していくもの。

これら、我々に似た人間が敗北必至の戦争につながる同盟締結を加速させたのだ。
利害得失を充分に計算することなく独と結び、米英と争うに至るまでを、対独関係を軸に分析すると、
日本の指導者の根底に「根拠なき確信」があり、それゆえに無責任な決定が導かれた様が浮き彫りとなる!!

「根拠のない確信」が災禍を拡大した。
■「駐独ドイツ大使」と揶揄された軍人外交官大島浩
■親独に多くが傾いていた海軍中堅層
■松岡洋右が国際連盟脱退を決めたのは「引っ込みがつかなくなったから」
■三国軍事同盟の条約文は、仮想敵の言葉である英文で作られた
■戦争を不可避にした南部仏印進駐は楽観から軽率に行われた

※本書は2010年10月にPHP研究所より刊行された『亡国の本質 日本はなぜ敗戦必至の戦争に突入したのか?』を改題の上、この間の研究の進展を反映し、全面的に加筆・修正したものです。

【目次】

序に代えて――わたしに似たひとびと
第一章 ヒトラーに「愛された」日本大使
第二章 同盟のため奮闘せるも……
第三章 バスに乗ってしまった男たち
第四章 独ソに翻弄される松岡外交
第五章 亡国の戦争へ
あとがき
主要参考文献

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日独伊三国同盟 「根拠なき確信」と「無責任」の果てに のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    読み終えてタイトルその通りだと感じた。「根拠なき確信」と「無責任」。学者としての大木毅氏の憤りがこの二言に凝縮されているとでもいえよう。

    新書なので簡潔かと思っていたが、とんでもない。映画のシーンを思わせるような描写があちこちに出てくる。特に大島浩と松岡洋右という2人の判断、行動が日本を大きく誤ら

    0
    2023年11月14日

    Posted by ブクログ

    日独伊三国同盟 「根拠なき確信」と「無責任」の果てに (角川新書)。大木 毅先生の著書。「根拠なき確信」と「無責任」が破滅を呼ぶ。「根拠なき確信」と「無責任」が不幸な結末につながる。自分や誰かの「根拠なき確信」と「無責任」で本人だけが破滅したり不幸になったりするのは自己責任。でも自分や誰かの「根拠な

    0
    2022年08月17日

    Posted by ブクログ

    まるでドキュメンタリーのような臨場感を感じるほど、外交官たちの交渉の一部始終がまとまっている。なんとなく「同盟」という言葉を聞くと協力関係といったポジティブな印象だったり、少なくとも利害関係が一致している関係性を想起させるが、日独伊三国同盟はお互いを利用しようとする姿勢が見え見えで、当初の自分がイメ

    0
    2022年02月26日

    Posted by ブクログ

    日本が日独伊三国同盟を結び、太平洋戦争に向かう一連の流れをドイツに近い立場から解説している。
    松岡洋右は国際連盟を脱退する気はなかったがブラフとして使っている間に引っ込みがつかなくなったというのは(松岡はポーカーの名手)、また、ドイツ贔屓の大島浩の日独同盟案を独自の見解で進めたことが、この同盟に繋が

    0
    2023年09月17日

    Posted by ブクログ

    歴史の教科書では語りきれないことが満載されていた。

    政治の世界にも腹の探り合いはあっても案外とサッパリしていると思ったけど、いやいやねちっこくあり嫌なら嫌と言えない上下関係姻戚関係。

    大島浩、松岡洋右、この二人の行動が大きく影響したことがわかるが、この本ほどしっかり裏付けされた書き方をしているも

    0
    2022年01月23日

    Posted by ブクログ

    日独伊三国同盟の締結に至る過程を丁寧に叙述。
    日独伊、露英米のそれぞれの視点からの分析は、複雑怪奇な三国同盟の多角的・立体的理解に役立つ。

    読んでみてやっぱり思うのは、松岡洋右はやっぱりアカンなということ。

    0
    2021年11月25日

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