「太平洋の巨鷲」山本五十六 用兵思想からみた真価

「太平洋の巨鷲」山本五十六 用兵思想からみた真価

1,012円 (税込)

5pt

3.6

名将か、凡将か?
純粋に「軍人」としての能力を問う。
太平洋戦争開戦80年。『独ソ戦』著者の新境地、五十六論の総決算!
戦略、作戦、戦術の三次元で神話と俗説を解体する。

戦争に反対しながら、戦争を指揮したことで「悲劇の提督」となった山本五十六。
そのイメージは名将から、その反動としての凡将・愚将論まで、百家争鳴の状態となっている。
しかし、これまでの研究は政治との関わりに集中し、軍人・用兵思想家としての評価は後景に退いていた。
戦略・作戦・戦術の三次元における指揮能力と統率の面から、初めて山本を解剖する!

■山本は独ソ和平工作を仕掛けていた
■真珠湾攻撃、第二撃は当時から断念やむなしの空気だった
■ハワイを爆撃できる航空機を求めていた山本
■MI作戦(ミッドウェイ攻略)は最初から杜撰な計画だった。
■1930年代の山本の評価は「軟弱な親英米派」
■第一次ロンドン軍縮会議では山本は艦隊派に与していた。
■航空主兵論に大きな影響を与えた堀悌吉
■陸攻は戦略爆撃でなくアメリカ艦隊撃破のためにつくられた
■「半年か一年の間は随分暴れてご覧に入れる」の真相
■山本は戦艦を捨てきれなかった
■ミッドウェイで戦術的怠惰はあった

【目次】
序 章 山本五十六評価の変遷と本書の視点
第一章 雪国生まれの海軍士官
第二章 翼にめざめる
第三章 戦略家開眼
第四章 第二次ロンドン会議代表から航空本部長へ
第五章 政治と戦略
第六章 連合艦隊司令長官
第七章 真珠湾へ
第八章 山本戦略の栄光と挫折
第九章 南溟の終止符
終 章 用兵思想からの再評価
あとがき
主要参考文献

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「太平洋の巨鷲」山本五十六 用兵思想からみた真価 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    戦術、作戦、戦略のそれぞれの次元で指揮官・山本五十六は果たして有能だったのかどうかということを、生い立ちにまでさかのぼって考察する。たいへん興味深いプレゼンテーションで、だいたいにおいて著者の評価にも納得できる気がする。詳細は読んでもらうとして、世界の趨勢をわかりつつも、職業軍人としての矩を踰えられ

    0
    2022年01月16日

    Posted by ブクログ

    山本五十六は指導者として反対派を味方に引き込む力があったものの無口という欠点があった。
    太平洋戦争の敗因の一つは軍令部と総司令部の2つの頭の元、二兎を追う、あるいはコミュニケーションミスにより現場まで意図が伝わらない、現場の考えも上層部に伝わらない体制、組織の問題であった。
    作戦開始後、環境の変化に

    0
    2023年01月01日

    Posted by ブクログ

    以下、引用

    ●ここまでみてきたように、長岡に生まれ育ち、青年期にさしかからんとしていた五十六がすでに、その生涯の特性となった「沈黙」を身にまとっていたことは間違いない。彼が、言葉をつくすのを億劫がる人物だったことは、後年、連合艦隊司令長官として戦争を遂行する際に、指揮上の問題を来すことになる。その

    0
    2022年03月06日

    Posted by ブクログ

    書店の書評コーナーにあって気になったので購入。

    山本五十六の生涯を時系列を追いながら
    その時どのような考えで行動を起こしたのか、をトレースしている。

    戦前は英米との回避しようと行動していたが
    規律を乱さない性格のため戦争が決まってからは
    真珠湾の奇襲攻撃など積極的な作戦をとっていく。

    名将とい

    0
    2021年12月29日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    用兵家としての山本五十六に迫ろうとした伝記。筆者があとがきで、今度はこうした縛りなしで、人間山本五十六について伝記を書いてみたくなったと書いているほど、惚れ込んで資料を読み込んで書いているので、用兵家としての山本五十六の心情が逆に伝わってきた感じがする。(確かに所々で顔を出す、部下への妙な説得力は、

    0
    2022年06月20日

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