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僕が小学六年生の春、両親が離婚した。家を出たギャンブル好きの父ちゃんは、将棋の天才の姉ちゃんに賭け将棋をやらせて暮らしている。父ちゃんが「ご立派」と呼ぶ母ちゃんの元に残された「普通」の僕は、非常識で破天荒で、将棋以外何にもできないくせに、楽しそうに生きる二人を軽蔑しながらも、どこか羨ましい――読む人の心を激しくゆさぶる、おかしな家族の四十年。感動の家族小説!
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Posted by ブクログ
個人的にめちゃくちゃツボって切なかった(T ^ T) 世間一般からちょっとずれてるいい加減な家族。嫌いじゃないんだけど恥ずかしい気持ちや、普通でいて欲しい気持ち、他人でいたいのに結局ほおってはおけない自分。イライラしたりハラハラしたり、なのに当人たちは能天気。 あぁ分かりすぎる。 家族、一人はみ出し...続きを読むてるパターン、若しくは自分だけまともだと思ってるパターン?な気がして、とにかくフツーの家族、家庭を作りたくて、自分が子どもだった家族のカタチから逃れたいのに、 この本みたいに、近々父ちゃんと死別したって、子や孫にその血というか、性質を見て、結局自分の命が尽きるまでその家族の一員であるのだと悟る。 守は真面目でまっとうだと父ちゃんが言う。分かりすぎる。
六年生の時に父と姉が出て行った。主人公の守は真面目な母と二人で暮らしていくことになる。 父はろくに働きもせず、天才的な将棋をさす姉に賭け将棋をさせて生計を立てる。 破天荒な父と姉に翻弄されるドタバタコメディ‥‥を想像して読み始めたものの、見事に裏切らた‥‥表紙からして、もう面白そうなのに、なかなか...続きを読むにシリアスな面もあって色々考えさせられるお話でした。 破天荒な父と姉を軽蔑しながらも、特別なものを持っている二人が羨ましくもある守。でも父と姉は、「守はちゃんとしていて凄い」「お前はまっとうに生きろ」と言う。 父と姉の生き方を受け入れられないのにどうしても離れられず事あるごとに会いに行く、そんな約四十年間のお話。 将棋には性格、生き様が出る。強いか弱いかだけではなく、勝つか負けるかだけでもなく、「お互い様なんだ、迷惑をかけることもあるし、掛けられることもある。それで世の中は回ってるんだ」 題名の『僕は金(きん)になる』 将棋をする人にはすぐにピンとくるのかも知れないけれど、この意味が分かった時にはグッときました。 軽い気持ちで読み始めたこの作品。思いがけず大当たりでした!最近読んだ本の中では一番かも!
とある家族の40年を読むことで、人生を追体験できる。 仕事とは、家族とは、色々と思うところが描かれている。 毎日、何もない日常を歩の様に一歩一歩ずつ積み重ねて生きていること自体がドラマと気付かされる。 ありのまま、自分のままでしか生きられないから、家族とは厄介だけど、家族には歴史がある。 本編で描か...続きを読むれる家族の歴史が、最後の一文をとても素敵な余韻のある文に仕立て上げる。 ありのままに生きること、未熟者が集まってすったもんだする家族って良いなぁと思わせてくれた本。
変わり者の父と姉と普通の僕との人生ドラマ。 1・昭和54年(1979年) 2・昭和57年(1982年) 3・昭和60年(1985年) 4・平成元年(1989年) 5・平成6年(1994年) 6・平成9年(1997年) 7・平成23年(2011年) 8・平成29年(2017年) 小6の時に両親が離...続きを読む婚し、父・姉と離れ離れになった僕・守。 久しぶりに再会した父は、将棋の強い姉が賭け将棋で稼いだお金で生計を立てているダメ親父。姉は一般常識のない将棋が強くて、こだわりのない不安定な生活を送っている実態だった。 姉の将棋の才能に羨ましさを感じながら、普通の人生のレールを歩んでいくうち、普通が普通でなく、結局は個人の幸せは個人でしか分からないことに気づいていく守。 しかし、姉は姉で、普通の守を羨ましく思い、懸命に生き、父を慕い、家族を慕っていた。 十人十色の家族があり、それは他人には分からない幸せがある事を感じさせてくれる作品。 コミカルでもあるし、じんわり感動もできる機微な作風の作家に久しぶりに出会えた。
将棋をさす以外に何も出来ない姉とギャンブル好きの父が、両親の離婚で母と守の元から出ていった。 2人の生活は、その後も姉の賭け将棋の上がりで成り立つものだった。 全然期待せずに読み始めましたが、とーっても良かった。 暖かい家族小説でした。 父ちゃんの様な人は困りものだし、姉ちゃんはあのままではいけ...続きを読むなかったのかも知れないけれど、至って普通の守が歳を重ね、2人がを認められるようになる様子に胸の奥が暖かくなりました。 守とりか子の子供の性格が真逆なことも、血の繋がった家族なんだなとしみじみ。 将棋に明るくなく、そこだけが心残り。 歩がと金に変わる、「父ちゃんとの思い出も、特別な思い出に変わるのかなと思うと寂しい」と言ったりか子。 涙腺崩壊のシーンでした。
働かないギャンブル好きの父親と、 将棋が好きだけどそのほかは、なにもできない姉。 2人に憧れながらも、普通の生活を目指す主人公。 わかった家族、楽しい家族。
破天荒な父親と将棋が天才的に強い姉 真面目な僕としっかり者の母親 両親が離婚して父と姉は家を出て行った。 そこから始まる40年間の波瀾万丈なお話。 面白かったです♪コメディかと思いきやグッと来ました。 真面目で地道…そんな「歩」のような僕が「金」になるそんな素敵なお話です(^ ^)
タイトルから、 お金の話やと思って読んでみたら 将棋の話やった。 家族の移り変わり、兄弟の嫉妬、 みたいなのが描かれてて じわる。
将棋とともに歩む人生が描かれたストーリー。 家族について、自分の人生について、考え方が変わってゆくのが優しい気持ちになれる。 渦中にいるときは分からないけれど…人生って、あとから振り返ると、どんな人生でも幸せって思えるのかもなあ。
兄弟にはある才能が自分にはない、でもきっと自分にも何かの才能があるはず。でもそれが何なのかは、分からない。 自由奔放な家族のことが妬ましくもあり、羨ましくもある。真面目な自分がちょっと嫌になることもある。でも実は家族の方も、自分を頼りにしてくれていたんだ。それは長い長い年月を、とぎれとぎれでも一緒に...続きを読む過ごしてきたことで分かったことなのだと思う。 歳を重ねるごとに家族との関係や自分から見えていた家族の姿も変わっていく。そこにかつての輝きはないけど、それでもお父さんとお姉ちゃんを応援する、その気持ちが良かった。
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桂望実
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