共喰い

共喰い

小説・文芸
462円 (税込)

2pt

一つ年上の幼馴染、千種と付き合う十七歳の遠馬は、父と父の女の琴子と暮らしていた。セックスのときに琴子を殴る父と自分は違うと、自らに言い聞かせる遠馬だったが、やがて内から沸きあがる衝動に戸惑いつつも、次第にそれを抑えきれなくなって─。川辺の田舎町を舞台に起こる、逃げ場のない血と性の問題。第146回芥川賞受賞作。文庫化にあたり、瀬戸内寂聴氏との対談を収録。ほか「第三紀層の魚」併録。

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    集英社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    集英社文庫
  • タイトル
    :
    共喰い
  • タイトルID
    :
    198686
  • ページ数
    :
    208ページ
  • 電子版発売日
    :
    2013年02月08日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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共喰い のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    ここまで臭いを感じる小説読んだことないです。

    煽る描写もなく、ただ淡々と、しかし深々と刺さる血の呪いのような鬱々とした情感を確かな生活感の中で描写される。圧巻でした。
    他著者を引き合いに出すのも違うとは思いますが、強いて言うのであれば村上龍が好きな人は読んだ方がいいです。

    感想というのも陳腐になる気がします。
    各々が感じる獣性と人間性の狭間を楽しんでほしいです。これは各々が自己と向き合う瞬間にあったなにかしらの葛藤に合致する部分が必ずあると思います。

    胸糞といえばそうなんですけど、それで片付けられないパワーが本作にはあります。

    なんかこう本能的に煽られる感じがします。
    本能と理性の間の善も悪もない混ぜこぜを主観視点のはずなのに観測者のように俯瞰してる感覚がありました。
    物語という丁寧なものではなく、理性と本能の狭間でもがく人間を煽り立てるドラマ仕立てでなく、淡々と感じさせる。下手なホラー小説より怖い。
    そう感じました。

    傑作だと思います。
    同時に狂気を感じます。

    0
    2026年10月01日

    Posted by ブクログ

    作者の田中慎弥さんは幼い頃に父を亡くし、父の書棚にあった本を読んで過ごしていたと聞きました。実際に父と関わることがなくても、自分の中に受け継がれた父を感じながら大人になった方なのではないかと思います。
    共喰い、第三紀層の魚、どちらも母親が責任感のある人ですね。人間としてのどうしようもなさを抱えながら、自分の人生に向き合い、我が子の事も大切にしているように描かれているなと思いました。強く素敵な女性です。
    最近読んだ中では、1番私の心の芯の部分に届いた作品でした。情景描写が美しく、心情を表現しています。引き込まれました。さすが芥川賞です。
    ただやっぱり共喰いの方は内容が性と暴力なだけあって、読んでいて辛さを感じました。心が元気な時に読まないと、わりとダメージが来ます。
    映画も元気な時に見てみたいです。

    0
    2026年06月01日

    Posted by ブクログ

    暴力と性が題材でありながら登場人物の会話は非常に軽やかで生き生きとしています。

    自慰のときにうなぎの顔、父の行為が重なる部分も素晴らしいと思いました。

    最後、父と関係があるアパートの女性と行為をした主人公と主人公の彼女とした父の対比が素晴らしいなと感じました。これが共喰いかと驚嘆しました。

    他にも母の義手など細部まで施しを感じて気に入りました。

    田中慎弥さんにしか出せない作品の雰囲気にすごくハマったのでほかも読んでみたいです。

    0
    2026年02月02日

    Posted by ブクログ

    再読。芥川賞受賞時のもらっといてやる発言に惹かれて購入した本が見当たらなくて、古本屋で思わずまた買ってしまいました。その当時もすごく惹き込まれてぐいぐい読めてしまったんですが、そんな感想の人は少数派のようですね。装丁も好きだし、御守りのように棚に置いておきたい一冊です。第三紀層の魚は読んだのかな…全然覚えてなかったけど、こちらも良かった。無理に言語化したくない余韻に浸ってます。瀬戸内寂聴との対談が載っていて、女にモテそうねと言われていた。これがすべて。寂聴わかりみが深い。

    0
    2025年12月30日

    購入済み

    取り残され、時に一気に流される

    取り残され、時に一気に流される。
    細かい様々なものが、
    忘れも見逃されもせずに
    入れ替わり短いセンテンスで
    点描される。
    嫌なこともあるが強く求めてもいる、
    制御できない闇に慄き、
    未熟で頭が悪いとも言えるが、
    明日に繋がる愛と命は応援されてもいる。

    #切ない #ドロドロ #共感する

    0
    2025年06月15日

    購入済み

    性暴力「ダメ。ゼッタイ」の話

    三本立て。芥川賞受賞の表題作「共喰い」は、冗談混じりで言うと性暴力「ダメ。ゼッタイ」の話。読後、性暴力の衝動を抑え切れない人はどうすれば良いのか思案してみたが、金持ちになって風俗で発散するか、偶然の神秘的強烈体験を経て性暴力衝動が消えるか、それともいっぺん死ぬしかなさそう😱「第三期層の魚」は小学生心裡の妙を描く。同趣の作品としては、道尾秀介の直木賞受賞作「月と蟹」の方があるあるを感じた🤔「作者と瀬戸内寂聴の対談」は面白い。二人の源氏物語評や石原慎太郎評が見所。瀬戸内がナイスキャラだ🤣

    #深い

    0
    2024年07月24日

    Posted by ブクログ

    間違いなく出会った作品の中で一番記憶に残っている。短編ながら深い。文字の形をした登場人物が紙の上で繰り広げるドラマ。方言や、土地柄、主人公。入り込みずらい設定だと思うがスッと身体の中に入ってくる。
    刃物のような作品だ。我が生涯の問題作。
    進んで薦める事はないが、間違いなく手に取って欲しい作品。

    0
    2023年08月01日

    Posted by ブクログ

    好みかと言われれば、そうではない。が、それでもなかなか面白く読んだ。確かな筆力を感じた。釣りの場面は本当に細かく描写されていて、筆者は釣り好きなのだろうか?

    0
    2026年07月18日

    Posted by ブクログ

    芥川賞受賞の表題作は、陰々滅々とした湿り気の多い文章が中盤にかけて続き、読みながら不快感が募っていくのだが、最終盤でそれらが濁流とともに押し流されていくカタルシスがあり、物語としてよく構成されている。
    併録される(芥川賞候補となった)『第三紀層の魚』の方には自死や死別といった重いテーマも持ちながら日常を淡々と描き、登場人物それぞれの語られない思いを想像する余白があって、どちらかと言えばこちらが好みである。
    オマケとして瀬戸内寂聴との対談が収録されるのだが、ケレン味だらけの大先輩の前で縮こまる田中慎弥氏が微笑ましい。

    0
    2026年05月16日

    Posted by ブクログ

    読み始めから、暴力性と、閉じた世界の閉塞感が心地悪かったが、生き生きとした会話のせいか、いつの間にか引き込まれていた。

    「共喰い」とは、遠馬と父親の関係であろう。
    そしてそこに、生命力に溢れ泥にまみれた、ヌメヌメとうごめく鰻が重なる。
    遠馬は父を、暴力を否定しつつ、自分の中にもそれがうごめいていることを感じ、自分自身をも否定し、しかし否定しきれない。父の呪縛を超えなければ、自分の生は否定される。

    言い換えればこれは、伝統的な「父親殺し」の物語でもあるのだろうか。
    しかし遠馬は、自らの手で父を殺すことができなかった。
    殺したのは、仁子。これはおそらく、神のメタファーだろう。遠馬の父親と社で出会ったこと、毎日お参りをしていること、遠馬の父を殺したあと川面に浮かんでいるように見えたこと、別れた後はじめて橋を渡り遠馬の父を殺し、止まっていた生理がはじまったことなどから、そう思われる。

    とすると、これは父親殺しの物語ではなく、神による鬼退治の物語なのか。
    神は、乱暴だが偏見のない心を持つ鬼を夫としたが、その子が鬼の子であることに気付き、夫と別れて橋を渡った。
    ある時、鬼が生きていると、鬼の子が生きていけないことに気付いた神は、再び橋を渡って戻り、鬼を殺したのだ。

    鬼の子である遠馬は、いずれはやはり、鬼になってしまうのか。

    いや、遠馬は父と違って、鰻を食べなかった。
    神の言いつけを守り、共喰いしなかったのだ。

    0
    2025年08月29日

共喰い の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    集英社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    集英社文庫
  • タイトル
    :
    共喰い
  • タイトルID
    :
    198686
  • ページ数
    :
    208ページ
  • 電子版発売日
    :
    2013年02月08日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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