ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
4pt
救援物資の横流し、麻薬の密輸から殺人事件まで、“神の名”のもとに行われた恐るべき犯罪の数々。日本の国際的な立場が弱かったために、事件の核心に迫りながらキリスト教団の閉鎖的権威主義に屈せざるを得なかった警視庁――。現実に起った外人神父による日本人スチュワーデス殺人事件の顛末に強い疑問と怒りをいだいた著者が綿密な調査を重ね、推理と解決を提示した問題作。
ブラウザ試し読み
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
昭和34年に実際に起こった「スチュワーデス殺人事件:英国海外航空の現役スチュワーデス:武川知子さん(27歳)が川の畔で死亡しているのが発見。解剖の結果、他殺と断定されて、捜査が始まる。遡上に上ったのは、武川さんが通っていた都内杉並区にあるカソリック教会のベルギー人神父。結局、神父の帰国によって未解決...続きを読むのまま。」を素材とした作品が本書。
実際にあった未解決事件を元に書かれた小説。綿密な取材を元にストーリーは展開されていく。著者は死体のあった現場等にも足を運んだそうだ。事件は俗に言うスチュワーデス殺人事件。容疑者には教会の神父があがったが、裏に潜む闇の人物、教会とのつながり、どれも確信に近いものだったのに当時の時代背景によって、国際問...続きを読む題に発展する可能性を秘めたこの事件は慎重に扱わざるを得なかった。モタモタしているうちに容疑者は国外へ。事件は闇の中へ葬りさられてしまった。この小説が事実に近いものならば…殺された被害者は一体どういう気持ちの中、死んでいったのだろうか。死に顔は穏やかで笑みを浮かべているようだった。とあるが最後まで愛を信じたのだろうか。
良人が罪人になっていくありさまを克明に記す。誰しもが罠にはまる可能性があるのだという人間の脆さをうまく描いている。
再読。ノンフィクション・ミステリー。 戦後という日本が国際的に弱い立場の時代、キリスト教宗教集団の名に隠れて、救援物資の横流し、麻薬の密輸の犯罪が行われ、あげくに殺人事件も隠されようとする。 翻弄され殺されたのは、そのころ憧れの職業スチュワーデスの女性。殺したのは若い神父。 こういう昭和時代の黒い部...続きを読む分を、描かせたら一品の清張節をふたたび満喫。
解説を含むと文庫で699ページに渡る長編でありますが、 読み始めるとどんどん気になり、第二部はほぼ一気に読んでしまいました。 先日、三億円事件と黒い福音がドラマスペシャルで行われていて、 そこで気になった原作本。 ドラマでは、第一部がほぼ割愛され、ビートたけしさん演じる 刑事たちの視点がメインとなっ...続きを読むていたので、 原作を読むとトルベック側の状況がよくわかりました。 宗教組織を守る、という一点で、その目的のためなら 麻薬の密輸までも行う。 トルベック神父、ルネ・ビリエ神父の欲望に負けて破戒の日々を 歩むのに、それをうまく自分のなかでごまかして、納得させて 悪事を働く姿を見て 宗教組織というものに属することへの恐怖を感じてしまいます。 正義をふりかざせる立場の危なさよ。 「聖職者が人殺しをするうなどと考える奴らは、魂に悪魔が棲んでいます」 といいますが、夜ごと女性と肉体関係を持ち、砂糖、麻薬などの密売を繰り返す 聖職者は、悪魔そのものではないのでしょうか。 結局、首相が、控えているヨーロッパ外交への影響も考え、 犯人であるトルベックや関係する人物を国外へ。 検索すると当時の首相である岸信介は、ノーベル平和賞候補に推薦されていたとか。 全体の権益を考えたら、1人の人殺しなどどうでもよい、という人が ノーベル平和賞受賞にならなくて良かったと思います。 小説ではありますが、事実もほぼ等しいと、私は考えますので。 警察の現場レベルで頑張っても、上層部からの圧力で悔しい思いをする。 こういう物語は、昔も今も変わらないことが残念です。 松本さんのこのジャンルの他の作品も読みたいと思いました。
たけしのドラマを先に見たので、原作が読みたくなって読みました。ドラマが先だったので特に違和感もなく伏線なども分かってよかったです。 竹内結子演じる江原の役が、あまりに原作と違い過ぎたのに笑えました。 それよりも何よりも久しぶりの松本清張が面白かったけど時間がかかった。 文章が今どきの作家と違ってき...続きを読むちんとしてるけど堅苦しい。でも読みごたえはある。
社会派松本清張の憤怒がこの作品を生み出した。 50年前の日本人スチュワーデス殺人事件を扱った本書は 終戦後の日本の国際的地位の低さと 勝戦国から流入した、人、物、金、そして思想がいかに敗戦国である日本に影響を及ぼしたのか、教えてくれる。 清張の取材力と、原動力となった怒りが、本書を映えさせて...続きを読むいる。
「黒革の手帳」が本気で何が面白いのか分からなかったので、僕のなかで松本清張は火曜サスペンス劇場の人ぐらいのポジションになってしまっていたのですが、この「黒い福音」はよかった。 そもそも僕は、吉村昭作品のようなノンフィクション小説が好きで、本を読み終わったあとは「現実すげー」とアホ面で元ネタの事件に...続きを読むついて色々調べたりして賢くなった気になっているわけですから、同じく現実に起きた事件を下敷きにしたこの「黒い福音」が面白くないはずはなかったのでした。 しかしこの作品のすごいのは、吉村昭小説では出来る限り事実に即して物語が描かれるのに対し、犯人が結局捕まっていない殺人事件の犯人の行動を全部書いてしまって、「こいつが犯人です」と真顔で言ってしまうところ。 様々な人たちの思惑や、政治情勢の影響によって結局検挙されなかった犯人に対し、そして世界に対し、毅然とNOを突きつけられる文学の可能性を僕は、火曜サスペンスの人だと思っていた松本清張に教えられたのでした。やっぱり読まず嫌いはダメですね。
聖職者として身を捧げようとする外国人神父が、一人の女性と恋に落ちる。彼をとりまく教会関係者と裏で暗躍する巨大犯罪組織が、信仰心と愛欲の狭間で葛藤する彼を巧みに利用しようとして、悲劇が起きてしまう。 純粋無垢な神父が追いつめられ犯罪に手を染めてしまうまでの過程と、そして宗教団体をとりまく巨大な闇組織...続きを読むの全貌を後一歩まで追いつめる警察官の様子が非常にスリリングに描かれ、最後まで目が離せなかった。 しかしこのストーリーが実際に起きた殺人事件を基に作られたということを知った時が一番震撼してしまったが・・
同じ教団に所属する者として戦慄したのは、本作によってではなく、当時の週刊誌のインタビューに載ったある女性作家のコメントである。 司祭による殺人(容疑)というセンセーショナルな事件に対し、この作家は以下のように述べている。 「神父様の瞳をご覧になって下さい。澄み切った美しい瞳です。決して人を殺せ...続きを読むるような方の目ではありません」 ベルメルシュ神父(作中ではトルベッキ神父)は2009年時点でカナダの地元の名士として存命中であった。この事件についてはノーコメントを通し、死者への哀悼のことばはなかったと聞く。 なお本事件に関し、日本のサレジオ会(作中ではバジリオ会)でも真相を曖昧にした当時の教会当局のあり方を批判する声があることは明記しておきたい。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
黒い福音
新刊情報をお知らせします。
松本清張
フォロー機能について
「新潮文庫」の最新刊一覧へ
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
熱い絹(上)
風の視線(上)~松本清張プレミアム・ミステリー~
小説帝銀事件 新装版
顔・白い闇
馬を売る女
真贋の森
殺人行おくのほそ道(上)
棲息分布(上)
「松本清張」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲黒い福音 ページトップヘ