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Posted by ブクログ
すごく読みやすい一方で、神や愛、運命とは何かを考えさせられた作品だった。作品自体が良かったことももちろん、特に解説が素晴らしかった。あの時のこの表現はこういう意味だったんだ!という気づきがたくさんあって、この解説を踏まえてもう一度読み直したらまた新しい発見があるだろうと感じた。主人公の吉岡と森田ミツのリアルな男女関係と人間性の違いを反映していて共感しやすかった。でも読み終わった後に振り返るとその対比が鮮やかで、さすがなと思う。
醜く、教養のない家庭で育ったがために無償の愛をもらえず、孤独に苦しみ、病気になった時は周りの恵まれた人間を妬ましく思うミツ。病気で体が変形した患者を忌み嫌いながら、自分も同じ運命になることを知って絶望を感じるミツ。彼女の気持ちが痛いほどわかった。変に綺麗事で包むのではなく、人間の生の心理を描写する方法が本当にすごい。
Posted by ブクログ
ミツという女は、愛を与える行いを考える上で自分の中から消えないものになると思う。
登場当初からこの女は鈍臭く頭が弱そうに卑下し、目の前を通る人たちがどうしようもない弱さや辛さを抱えているとみえるや否や、自分を犠牲にして尽くす。
そこまでするところか?自分がなさすぎる、自分が地に足をつけて健康でいて初めて人を愛し救えるのではないのかと苛立ちながら読み進める。
しかし福祉や看護など奉仕を生業とする仕事をしている人には浮かぶのではないか。自分ももしかしたら、カーディガン諦めて戻ろうかとよぎるのではなかろうか。自分ももしかしたらハンセン病でなかったと知ってももう一度御殿場の輪に戻ろうとよぎるのではないか。
または、自分はそんなことできるだろうか。
たった1人ぽっちになることの苦しみ悲しさを、よくよく思い知らされる。
孤独、孤立の恐ろしさ。
利他行動をとるということは、孤立しないための進化心理的な工夫かもしれない。
この本を勧めてくれたのは、児童福祉の支援者の立場の方。
社会的な強者と弱者の立場について
本当にそうなのかと、問いかける。
支援者はどうしても相手にとって優位に立っているという視点を忘れずにおかなければならない。
しかし人として優れているということはどういうことかと内に問う面を話されていた。
目の前の相手に何か自分の時間をさいて行うことや支援することに、どういう意識で関わっているのか、いつもドキリと自分の底にある意識を問い直す本。
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