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Posted by ブクログ
あらゆる本で引用されてる古典なのでずっと気になっていて、いざ手に取って読んでみたが、いやはやなんとも素晴らしい。
SNS中毒、スマホゲーム中毒、フェイクニュース、陰謀論、ポピュリズム、トランプ現象など昨今の問題を理解する上で必読と言える。
ビジネス書では研究エビデンスを本文中に盛り込むことが多いが、取ってつけたような形が多く、読みにくいし印象に残りにくい。その点、本書は項それ自体のテーマを裏付ける研究であるし、著者本人が考えて生み出した研究であるから固有のエピソードもあって面白い。
やはり一次情報は強い。
身近な人を思い浮かべると、システム1優位な人もシステム2優位な人も思い浮かぶ。
しかし本書の別の項の例を読むと、今度は同じ人であっても、THEシステム1的なあの人も、あの部分はシステム2的だな、などと思い出されたりする。
となると、単純にAさんはシステム1でばかり考える、といった評価はやはり短絡的だ。誰しもがコンディションや環境条件などによってシステム1と2をコロコロと使い分けていて、ただAさんの目立つ一面が1だったり2だったりして、私が偶然そこを頻繁に、ないし強く印象付けられているだけなのだろう。
プライミングに関する記述は非常に編集工学的だ。
自分の思考は、事前に何らかの形でインプットされた別の情報によって左右される、という事実が、自己という枠が非個体的であることに繋がる。
起きてすぐに耳にしたTVのある音楽フレーズが一日中頭に流れ続けたり、ふと広告から目に入った食べ物が食べたくなってランチ選びに影響したり、夢に見た内容がポジティブなものかネガティブなものかでその日のテンションが変わったり。
絶えず目から耳から肌から伝わってくる情報、更には養老孟司がいうような脳内で情報をグルグル回すことで生まれる情報もある。
こうして自分と他者、自分と世界の境目というのが非常に流動的で、液体同士が混ざり合うような構造をしていることが分かる。
文化資本の差が子供の人生に影響する度合は数値化しにくいが、プライミングの強力さを考えると相当な影響力だろう。
その一方で、平均への回帰の存在もまた良くも悪くも刺激的だ。
変数が少ないものや、直近の未来予測などには相関関係が大きくみられるのに対し、変数が増えるほど関係は薄くなり、運要素の大きい、確率の問題に収束していく。結果、平均へと回帰していくと。
生殖細胞のDNA組み換えの際のランダム性によって平均へ回帰し、身長が高い人同士が交配し続けても巨人にならないように、プライミングによる影響も、社会で求められるスキルの変化や、子どもの素質といった変数によって大いに回帰しうる。
SNSや悪書に触れる機会量が自分を毒していくことへの注意意識と、その逆に「結局そこまで悪いことばかりではない」という安心を同時に得られた一冊だった。
Posted by ブクログ
【書名】
ファストアンドスロー上 ダニエル・カーネマン
【目的】
自身のバイアスに自覚的になり、自身の判断エラーを防ぎたい。
そのために、システム1、システム2という概念を知り、判断エラー事例に触れる。
結論、辛かったがその分何かが身についた気がする。
【要点】
アンカリング効果、プライミング、問題の過度な単純化、平均回帰、ハロー効果、後知恵効果、が事例を通じてどう判断エラーにいたるか提示されている。
多くの直観に反する実験結果が提示されている。
【印象に残ったポイント】
わたしの理解力だと、難解で読みにくい。
ただ、数々の書籍で参照されていた本書の概念が身体知的にインストールできた気がする。
【具体的に生活や仕事にどう活かすか】
自分を疑い、システム1で安直に判断してるんじゃないか?とシステム2を動作させる。
【ふりかえり・気づき】
知ってはいたけど、以前に比べると本書の概念を活用できている気がする。
ファクトフルネスなんかも、合わせて読むとより、自分へ実装できそうな気がする。
わざわざ読むか迷ったが、本からの学びは、向き合った労力と有意に関係すると実感した。
読みにくい本書に対し、システム2を動員し長時間向き合ったおかげか(辛かった)、本書で提示されている概念が頭から取り出しやすくなった気がする。
Posted by ブクログ
行動経済学に興味がある人ならきっと聞いたことのある本であるし、そうでなくとも、出てくる話や実験をどこかで耳にしたことがある人は少なくないはず。
でも、そんなことは抜きにぜひ読んでほしい一冊。掛け値なしに面白い。
直感や熟考といった私たちの様々な思考の形態が、実際のところどんな働きをしているのか。
数々のユーモアあふれる実験結果とともに、筆者が紐解いてくれる。
読み進めるうちに、自分の身近な例で思い当たることも色々と出てきて、より引き込まれるだろう。
余談だが、上下巻としてもかなりのページ数と文章量があり、正直なところ物理的にそれなりに重い。
比較的平易な翻訳がされているので、手段があるならオーディオブックを探して聞くのも有効な手かと。
※自分は上巻途中から耳に切り替え
Posted by ブクログ
システム1とシステム2。速い思考と遅い思考。意思決定を行う際にわれわれは直感による速い思考を行っている。直感の出番がない場合には論理で考える。これが遅い思考である。直感は自動的に連想を働かして結論をだす。それは論理的思考でもないし統計的思考でもない。ただうまくストーリーができていればよい。われわれはそれを自信をもって正しいと思い込む。ちゃんと論理的思考の出番があれば間違わなかったはずの結論も直感を信じたために間違えた結論を下す。また思考には色々なバイアスがあり、それによって間違った結論を出してしまう。このようにわれわれの意思決定の仕組みを解き明かした心理学者にしてノーベル経済学賞受賞者の一般読者向けの著作。
Posted by ブクログ
マイケルルイスの本の主人公であるダニエル・カーネマンによる人間の意思決定の研究を解説した本である。
マイケルルイスの本を読んだ後だけに、すんなりと読むことができた。実際、ルイス本は、本書の抜粋ではないかと思うくらいだ。
人間の意思決定は、直感的で感情的なファースト思考のシステム1と、意識的で論理的だが怠惰なロー思考のシステム2から成ると説いている。そこから本書の題名が来ている。
様々な例を挙げてそれを説明するが、自身でも心当たりのあるケースもあり、十分説得力がある。なにしろノーベル賞を受賞しているのだ。
もっと本書を読み込んで、自分の行動や思考を分析し、難しいかもしれないが自分を変えてみたい気がする。それには、もっと理解を深めないといけないが。
とても興味深い内容で、おすすめできる本である。
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ビジネス・実用
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