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とてもわかりやすい
プラグマティズムとは何か?そのアメリカの建国の歴史の背景から生み出された思想、しかも意識せずに生まれながらにして身につけている考え方、ということが易しく記述されている。日本でいえば「罰が当たる」といった気持ちの構造に似ている。このプラグマティズムを基本的な思想として位置づけたときに、アメリカ人の魂の根本部分がよく理解できてくると筆者はいっているし、私も理解できた。
プラグマティズムの思想についてはわかりやすく記述され、現在の政治にも大きな影響を与えていることを考えれば、これからのアメリカの政治を見る視点もかなり理解しやすくなるのではないかと思える。
プラグマティズムについてざっと理解するための入門書としてとても良い。
Posted by ブクログ
プラグマティズムへの取っ掛かりとして。あといつかXで倉下忠憲さんがツイートしていたものを衝動買いし積読していたものを、この度手に取るに至る。
パース・ジェイムス・デューイを基本として系譜でプラグマティズムの理論が語られる。が、今回初挑戦であるのとそれぞれが概論に徹しているため内容への深い理解は諦め、全体像の把握に努める。
『対象の概念は、効果の概念・つまりは結果如何で決定される』(プラグマティック・マクシム)
これだけ抑えとけば個人的には及第点かな。他の類似書も挑戦して、理解の幅と深みを磨いていきたい。
ハイライトとしては、後半のアメリカとプラグマティズムとの関係。「リベラル」と「保守」の分類が明確にすることができた。
リベラル:
1930年代ローズヴェルトによるニューティール政策。積極的な財政支出、マイノリティへの権利への擁護
保守:
1980年代レーガンの経済的自由主義。道徳的保守主義(人工妊娠中絶や同性婚を禁止する宗教右派)
トランプ大統領率いる共和党は保守、と念頭にあると掲げている政策への理解が深まるとな。
最終的な主張となる「イノベーション・プラグマティズム」。こちらは学校教育方針にみられる詰め込み教育から創造性(クリエイティビティ)への転換とも関連づく。さらには生成AI台頭の時代における人間の働き方に対する見直しなんかも近接問題でしょうか。
試行錯誤を繰り返す飽くなき実践の思想をさらに発展させ、イノベーションを目的とした取り組みを!概ね賛成だけど、成長が社会を継続させる大前提とする資本主義の呪縛に囚われてはいないでしょうか、と少し訝しむ気持ちもある。
Posted by ブクログ
アメリカを動かす思想
アメリカの下部構造をプラグマティズムにみなし、上部の二大政党制やデモなどについて論じている。初めはパース、ジェイムズなどのプラグマティズムの概論であり、少しわかりにくい部分もあるが、後半からは具体的な話や、トクヴィルの話など急速に面白くなっていった。プラグマティズムは、デカルト的なすべてを疑うスタンスを推し進めた上で、実証主義的に仮説検証を繰り返し、暫定的な真理を追う姿である。カントやヘーゲルといった観念的な第一哲学を排し、帰納的に真理を得ようとする姿勢は科学的である。そして、機能をはたしていればそれは真理であるという発想もある。常に探求を求める会話の継続は、マイケル・オークショットに似ている。政治哲学を説明する3Dモデルもなかなか面白いはそうであると思った。さて、面白いのは5章のイノベーション・プラグマティズムである。クリステンセンのイノベーションのDNAを哲学や人類学的な視点から読み解くこの章は、自分の求めていた漠然とした概念を文字化したものであった。経営学などの実際的な学問といわゆる衒学的な諸学問の接ぎ木という自分の大学生活における学問の目標の答えの一端をなすであろうこの章の考え方は再読に値する。
Posted by ブクログ
プラグマティズムについて簡単な説明をおこなうとともに、現代のアメリカの政治哲学のなかでプラグマティズムが「下部構造」の役割を果たしているという著者の見方が示されています。
「プラグマティズム入門」というサブタイトルがつけられていますが、パース、ジェイムズ、デューイらのプラグマティズムについては本書で参照されている魚津郁夫の『プラグマティズムの思想』(ちくま学芸文庫)がありますし、ローティ以降のネオ・プラグマティズムに関しては、やはり本書で参照されているヘーゲルや現代思想に詳しい岡本裕一朗の『ネオ・プラグマティズムとは何か―ポスト分析哲学の新展開』(ナカニシヤ出版)があります。さらに本書と同じ新書で刊行されているものとしては伊藤邦武の『プラグマティズム入門』(ちくま新書)という良書があり、本書のやや不親切な解説よりも深い理解が得られるのではないかと思います。
本書の特徴となっているのは、むしろ後半の政治哲学における下部構造としてのプラグマティズムについて語っているところです。ただ、著者の考えそのものは興味深いと思うのですが、新書という厳しい紙数のなかで多くの議論を詰め込みすぎているため、個人的にはやや理解しづらいと感じるところがあります。もう少しじっくりと著者の考えが語られている本を読んでみたいと感じさせられました。
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