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他の星から流れ着いた《妖精》は従順で遠慮深く、なぐさめ上手でほめ上手、ペットとしては最適だった。半官半民の配給会社もでき、たちまち普及した。しかし、会社がその使命を終え、社史編集の仕事を残すだけとなった時、過去の記録を調べていた老社員の頭を一つの疑念がよぎった……諷刺と戦慄の表題作など、ショート・ショートの傑作35編を収録した夢と笑いの楽しい宝石箱。
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Posted by ブクログ
2022年のプレミアムカバー。 植物性の発毛剤をセールスマンから購入したエム氏のその後を描く「アフターサービス」 ある公明な学者が国から予算を都合して作った装置の本当の使い道「ひとつの装置」 万能育児器を使った企業努力「遠大な計画」など→ 今作も星新一らしさたっぷりのショートショート35編。 他...続きを読むに、 地獄から地上にやってきた鬼と自分の敷地内で出会った男の顛末を描く「分工場」 5歳の娘の友達で悩む親が精神分析医に相談する「友だち」 倒産寸前の会社を救う異星人との交流を描いた「ボタン星からの贈り物」 など、冒頭を読んで→ オチに驚く話がたくさん読めて楽しかった。 寝る前に一話読むのがちょうどいいんよなぁ。
これまでに読んだ星さんよりもひとまわりブラックな作品だなと思って解説を見ると、なんと昭和39年の作品でした。古臭いことは全然なくていつもに宇宙人たちの大活躍の作品でした。
星新一さんのショートショート集。 元々は早川書房から1960年代に出版された本。当時の世相を色濃く反映しつつも平成の今にも通用する上質なSF集。
星新一のショートショート作品集『妖精配給会社』を読みました。 星新一の作品は、昨年11月に読んだアンソロジー作品『日本SF短篇50 1 ―日本SF作家クラブ創立50周年記念アンソロジー―』に収録されていた『鍵』以来ですね。 -----story------------- 天から降下した、翼を持った...続きを読む小動物。天使か、悪魔か? 善と悪、益と害との区別がつかないまま、人びとは「妖精」を肩に乗せた――。 他の星から流れ着いた《妖精》は従順で遠慮深く、なぐさめ上手でほめ上手、ペットとしては最適だった。 半官半民の配給会社もでき、たちまち普及した。 しかし、会社がその使命を終え、社史編集の仕事を残すだけとなった時、過去の記録を調べていた老社員の頭を一つの疑惑がよぎった……諷刺と戦慄の表題作など、ショートショートの傑作35編を収録した、夢と笑いの楽しい宝石箱。 ----------------------- 1964年(昭和39年)に刊行された作品で、以下の35篇が収録されています。 ■福の神 ■暗示 ■アフターサービス ■沈滞の時代 ■ある戦い ■おみやげを持って ■指導 ■おそるべき事態 ■夏の夜 ■三角関係 ■マッチ ■妖精配給会社 ■恋がたき ■作るべきか ■ハナ研究所 ■ひとつの装置 ■宝船 ■銀色のボンベ ■遠大な計画 ■逃走 ■すばらしい星 ■分工場 ■ごきげん保険 ■責任者 ■遺品 ■春の寓話 ■輸送中 ■幸運への作戦 ■友だち ■豪華な生活 ■宇宙の関所 ■求人難 ■ボタン星からの贈り物 ■天使と勲章 ■終末の日 ■著者よりひとこと ■解説 福田淳 60年以上前に描かれた作品とは思えませんねー 全ての作品が、わかりやすい文章で読みやすく、意外な結末が用意されていて、一定レベル以上の品質で愉しめます……それでいて、一つひとつの作品が深いんですよね、、、 解説でも評価されていましたが、 「子どもにも大人にも喜ばれるが、子どもにも読めるかといって子ども向きでもないし、大人が読んでも充分に面白いし、啓発される、驚くべき文体なのだ」 という一文が、収録されているショートショート35篇のことを的確に表していると思いますね。 10代の頃に良く読んでいた星新一の作品……時々、読みたくなります。
P97 つまり、人間というものは国や人種を問わずだれしも不満と悩みを持ち、孤独でやりきれなく、なぐさめを欲している存在なのだ。
相変わらず星ワールドでシリアス且つユーモアのある物語の詰め合わせである。どのページを開いても面白い。 とくにこの文庫は、読み手がこうくるだろうなと予想させてちょっと当たるようにしつつのどんでん返しを味わえて面白い。たったの2,3ページあれば別世界のほんとにありそうな未来を描いて語ってくれるのだから、...続きを読む星新一のその秀才振りに改めて感激できる。
星新一氏のショートショート35編を収録。似た設定の作品が多いがいずれのオチも被ることなくユニーク。シニカルでウィットに富んでいて最後の数行でニヤッとさせられる。著者は生涯を通じて1001編を超えるショートショートを生み出しておりすらすらアイデアマンが湧いてきたのだろうと思いきや、あとがきを読めばなか...続きを読むなか苦労して嫌々ながらネタを捻り出していたようだ。なんとも人間味溢れるエピソードであろう。また、著者の特徴としてSF作家(?)には珍しく主人公が税金や警察の心配をする姿が度々描かれる。これまた現実味溢れるエピソードで著者らしさが垣間見れて妙味ある。個人的に好みの作品としては「三角関係」「妖精配給会社」「ひとつの装置」「ハナ研究所」あたり。
久しぶりに星新一さんの作品を読んだけど、 全然色褪せてない。それどころか、今でも先をいってる。こどもの頃に読んだ時より、大人になってから読んだほうが心に響く。
どの話も少し現実場離れした世界が舞台だが、そうした舞台で繰り広げられる話がどこか現実にも繋がっている部分があってドキッとさせられる。 「ひとつの装置」「週末の日」がお気に入り。 星さんのショートショートは軽快な文体で微妙な後味の悪さがあるのが好きだなと思う。結末を読むと「あーあそうなっちゃうか」と思...続きを読むうと同時に、どこかにやっとするような気持ちになる。
『妖精配給会社』『ひとつの装置』『銀色のボンベ』『分工場』『終末の日』がお気に入り。 試験の合間に『おみやげを持って』を読んでしまったのが、今でも印象に残ってる。
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