靖国問題

靖国問題

715円 (税込)

3pt

21世紀に入ってもなお「問題」であり続ける〈靖国〉。「A級戦犯合祀」「政教分離」「首相参拝」などの諸点については今も多くの意見が対立し、その議論は数々の激しい「思い」を引き起こす。だがそうした「思い」に共感するだけでは、あるいは「政治的決着」を図ろうとするだけでは、問題の本質的解決にはつながらない。本書では靖国を具体的な歴史の場に置き直しながら、それが「国家」の装置としてどのような機能と役割を担ってきたのかを明らかにし、怜悧な論理と哲学的思考によって解決の地平を示す。決定的論考。

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靖国問題 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2018年10月14日

    "靖国神社への参拝は、なぜ問題となるのかを整理する目的で本書を手にする。この本は、歴史家ではなく哲学者が論理的に伝えることに重きをおいたもの。
    1.感情の問題
     当時、戦死による悲哀を幸福に転化していく装置が靖国神社だった。
     戦死者の追悼ではなく、顕彰こそが本質的な役割。
     (追悼とは、...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2015年03月22日

    靖国問題について、靖国神社に批判的な立場から論じた本。「感情」「歴史認識」「宗教」「文化」といった切り口でその問題点を指摘する。
    息子が戦死して靖国神社に祀られ喜ぶ母たちの対談を掲載した当時の雑誌『主婦の友』など、著者の主張を裏付ける多くの史料が提示されている。

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    Posted by ブクログ 2013年10月27日

    靖国問題を理解するための本です。歴史的事実を踏まえ、各論の論理的是非を明快にし、現在の問題の本質を鋭くえぐっています。国事として英霊祭祀を行う限り問題解決はできないというクリアな見解にはただ頷くばかり。

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    Posted by ブクログ 2011年11月17日

    現首相が参拝を積極的に肯定したせいもあり、最近も近隣諸国からの批判で盛り上がっている靖国問題。では、靖国問題の本質とはいったい何なのであるかを鋭く抉った良書です。靖国問題の解明や問題解決のための糸口を探っており、祀ることと軍国化との関連性や分祀が根本的に何も解決しないこと、そして新たな追悼施設が第二...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2010年07月10日

    靖国神社にはA級戦犯まで祀られているぐらいしか知らなかった自分にとって靖国問題の複雑さを初めて知った。

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    Posted by ブクログ 2009年10月07日

    今度の戦争で死んだ人々を悼むことは当然の感情だが、それを英霊化したり、なぜ死ぬことになったのかという原因を考えない追悼は危険だ。公の悼み方には違いがあってもいいのではないか。それに靖国は明治以来政府に反抗して死んだ人たちはまつっていないし、まつってほしくないと思っている人たちも勝手にまつっている。ま...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年01月23日

    高橋哲哉(1956年~)氏は、東大教養学部卒、東大大学院人文科学研究科博士課程単位取得満期退学、南山大学文学部専任講師、東大教養学部助教授、東大大学院総合文化研究科教授等を経て、東大名誉教授。専門は現象学、言語哲学、倫理学、政治哲学。
    本書は、毎年太平洋戦争終戦の時季になると話題に上がる(特に、首相...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2016年03月30日

    「靖国問題」について、自分なりの意見を持てるようになった一冊。 前に読んだ「戦争を知らない人のための靖国問題」のように「帝国に洗脳された作者による主観的な意見」をゴリ押しするでもなく、客観的にいかに国がこの神社を利用してきたかをわかりやすく述べている。

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    Posted by ブクログ 2014年10月05日

    <目次>
    はじめに
    第1章  感情の問題-追悼と顕彰のあいだ
    第2章  歴史認識の問題-戦争責任論の向うへ
    第3章  宗教の問題-神社非宗教の陥穽
    第4章  文化の問題-死者と生者のポリティクス
    第5章  国立追悼施設の問題-問われるべきは何か
    おわりに

    <内容>
    靖国問題(その存在と政治的問題な...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2011年09月20日

    古本屋で安かったので衝動買い。

    政治も歴史も戦争も、ほとんど知識が無いまま読み始めたけど、問題の概要ぐらいは掴めたと思う。

    ただ、政治家などの発言の言葉尻を捉えているだけの論旨が度々あったように感じた。
    無論、政治家たるや発言には責任を持つべきだが、少々行き過ぎなように思えた。

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