とりつくしま

とりつくしま

550円 (税込)

2pt

死んだあなたに「とりつくしま係」が問いかける。この世に未練はありませんか。あるなら、なにかモノになって戻ることができますよ、と。そうして母は息子のロージンバッグに、娘は母の補聴器に、夫は妻の日記になった……。すでに失われた人生がフラッシュバックのように現れる珠玉の短篇小説集。

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とりつくしま のユーザーレビュー

読み終わった後、大切な人に自分の想いを伝えたくなる…
切なくも、優しい気持ちになれること間違いなし! の10話から成るショートストーリー。

この世に未練を残したまま、生涯を終えた人の前に突然現れる『とりつくしま係』。
主人公たちは『とりつくしま係』との契約により、大切に想う人の近くで
なりたい“モノ”として存在し、もう1度だけこの世を体験することが出来るという。

愛する家族、憧れの先輩、お世話になった人達の元へ“モノ”として戻った主人公たちは、
残された人たちと再び時間を共有していく…

作者の一つ一つの言葉選びが絶妙で、“モノ”目線で見る世界も新鮮で良い。
また一話ごとに語り口が変わり、主人公から放たれる言葉や感情が心にスッと入って来ます。

タイトルだけではストーリーの想像が付きにくいですが、
目の前にある細やかな幸せと人を大事に想うことを再確認させてくれる素敵な一冊です。

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    短編小説なので、本を普段読まない私でもすらすら読めました。切なさの中にどこか温かさを感じる本でした。普段小説を読まない方にも是非読んでほしいと思います。

    0
    2024年03月24日

    Posted by ブクログ

    現世に心残りがあるまま、この世を去った人たちが、何か「物体」になってもう一度現世を体験できるという面白いコンセプト。家族や恋人など、大切な人が使っていた物体に宿って、それぞれの人に「憑りつく」11のエピソードが紹介されている。1話をだいたい10分強で読むことができるのだが、ホロリとさせられる。音読会

    0
    2023年10月22日

    Posted by ブクログ

    死んだあとに何かモノにとりつけるとしたら、という設定の短編集。

    ロージンになって野球少年の息子を見守るお母さん、大好きな公園の"青いの"になって、友達や兄弟をみている男の子、親切にしてくれた司書さんの名札になるおじいさん、それぞれ生きていたときの物語と、その後自分がいなくなった

    0
    2023年09月16日

    Posted by ブクログ

    本当にとりつくしまがあって、なにかにとりついてくれてたらいいな。
    私の知らないところで、だれかが、なにかが、見守ってくれていると時の流れに希望をのせることは、傲慢ですか、それとも高潔ですか。

    0
    2023年07月27日

    Posted by ブクログ

    せつないけど悲しくない。でもグッと込み上げてくる。複雑な気持ちになる。
    短編で何度も読めそう。私はとても好き。

    0
    2022年10月06日

    Posted by ブクログ

    短歌で知っていた作家で、美しい装丁に惹かれて中身を見ずに読みはじめた。
    死を身近に感じている自らの状況から、死後の世界というテーマに怯んだ。精神的ダメージを覚悟し、読むのを辞めようかとしばし逡巡したが、怖いものみたさで少しだけページを繰ると、ダメージよりもむしろ癒しとなって心に染みてきた。
    死を目の

    0
    2022年06月07日

    Posted by ブクログ

    題名に惹かれて、ふらっと買った本。
    親目線にも、娘目線にも…いろいろな目線で読めて、特に親としての気持ちで読むと泣けてしまいました。
    感動する本を読むと、心が洗われる!
    友人にもプレゼントしまくっている一冊です。

    0
    2022年03月01日

    Posted by ブクログ

    どれも死んだ人を一人称とした短編。だから、どれも哀しい。でも陰惨な感じはしない。それとなくあったかい。
    一番最初の「ロージン」、子どもを育ててる身としては泣ける。好きな作品だった。
    同じく「青いの」も母にとっては響く作品。ただ、これは私にとっては、あたたかさは残らなくて、むしろホラーみたいな感覚。た

    0
    2022年01月17日

    Posted by ブクログ

    この本を読んだら誰もが、私なら何をとりつくしまにしようかと考えるはず。
    私は、何にもとりつきたくないと思った。私の大切な人は、私が死んできっと悲しんでいるはずだから。その姿を何も言わずに見守ることしかできないより、相手が前を向いて生きていくことを信じて、何にもとりつかずに成仏したいなあなんて思いまし

    0
    2024年03月17日

    Posted by ブクログ

    とても読みやすい短編11話。
    読み終わったあと、キューッと切なくなる中に、ほっこりと優しい気持ちも残りました。
    私は「とりつくしま」を何にするのかな?
    やっぱりいちばん大切な人とずっと一緒にいたいなぁ…。
    でもそこには私はいないから、やっぱり近くにいるの悲しいのかなぁ…。

    0
    2024年02月10日

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