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読み終わった後、大切な人に自分の想いを伝えたくなる…
切なくも、優しい気持ちになれること間違いなし! の10話から成るショートストーリー。
この世に未練を残したまま、生涯を終えた人の前に突然現れる『とりつくしま係』。
主人公たちは『とりつくしま係』との契約により、大切に想う人の近くで
なりたい“モノ”として存在し、もう1度だけこの世を体験することが出来るという。
愛する家族、憧れの先輩、お世話になった人達の元へ“モノ”として戻った主人公たちは、
残された人たちと再び時間を共有していく…
作者の一つ一つの言葉選びが絶妙で、“モノ”目線で見る世界も新鮮で良い。
また一話ごとに語り口が変わり、主人公から放たれる言葉や感情が心にスッと入って来ます。
タイトルだけではストーリーの想像が付きにくいですが、
目の前にある細やかな幸せと人を大事に想うことを再確認させてくれる素敵な一冊です。
Posted by ブクログ
めーっちゃ良かった。ほっこり、泣ける部門で下半期ベストに入ってくると思う。文体もものすごく好みだった。ずっとうるうるしていた。
亡くなった人が無機物にとりつく。大切な人のすぐそばにある無機物に。無機物だから、こちらの声は届かない。
自分は亡くなっているから、大切な人にとっては過去になって、大切な人は少しずつ新しい環境に慣れていく。切ない。でも亡くなった側からしたら嬉しいのかな…。
特に好きだったのはロージンと青いのとマッサージと日記かなぁ。子供が出てくるのには弱すぎた。親目線も子目線もしんどいて。泣くて。
私がもし先に亡くなったら、なんにとりつこうかなぁ。我が家のフェイクグリーンにでもなろうかしら。娘と夫をずっと見守りたいな。
Posted by ブクログ
東直子さんによる文庫版あとがきより引用します。
P206~
前略
「とりつくしま」とは、命をなくした人がこの世に戻ってきて魂を宿すモノのことをそのように呼びならわすよう設定したのですが、「とりつくしま」を考えるということは、死んで間もない人のことを考える、ということになります。誰でもその身に潜ませている「死」を考えることでした。実際に書きはじめる前に、頭の中で、なんらかの未練を残して亡くなった人を想定し、さらにその人が生前一番大事に想っていた人のことを考えました。物になって大切な人に再会した死者たちが、どんなことを呼びかけたいと願うのかを。
後略
全十一話の連作短篇集なのですが、全話がとてもいい話ばかりで、どれがよかったかは選べないので前から順番に三篇挙げると
「ロージン」
ピッチャーの息子を見守るため、野球の試合で使うロージンになった母。
これはもう切なかったです。
「トリカラトプス」
夫のお気に入りのマグカップになった妻。
これはちょっと最後にスカッとするいい話でした。
「青いの」
いつも遊んでいた大好きなジャングルジムになった男の子。
優しい優しいお話で涙が出そうになりました。
全部の話がよくて、はずれは一話もありませんでした。全部説明したいくらいですが。
この本は明日、作者の東直子さんのオンラインの講座に出るために少し前から積んでいたのですが講座の前に拝読しておけて本当によかったです。
歌人としての東直子さんの歌集や詩集はほとんど拝読していましたが、小説は初読みでした。
歌人という個性を活かされた、どこの誰とも違う個性的な作風に思えました。
天は二物も三物も与えられるのですね。
講座に参加するのは昨年の穂村弘さんの対面講座以来で一年ぶりです。
明日の講座がとても楽しみです。
何だかドキドキ、ワクワクします。
Posted by ブクログ
朗読劇で知ってから原作を読もうと購入。こんなにも原作が朗読通りだったとはと衝撃。作者が歌人なので必要な分だけそり落とされた言葉たち。でもまるで1人1人が語っている様な文体に心奪われました。短編でここまで書き分けられる人がいらっしゃるとは!東さんのご本、もっと沢山読みたい!!と魅力にとりつかれてます。
どのお話も好きだけれど
特に「名前」と「レンズ」はキラキラした希望の中で終わる感じが優しくあたたかい光が見えて好きでした。
逆に「青いの」と「ささやき」は辛かった。
私は何にとりつきたいかなと考えながら読み進めて、母の眼鏡かなという結論に。
そう考えてるうちに、「今」ときちんと向き合って惜しみなく生きようと思えました。
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