事故がなくならない理由 安全対策の落とし穴

事故がなくならない理由 安全対策の落とし穴

ビジネス・実用
799円 (税込)

3pt

高い防波堤が津波の被害を大きくした?! 低タール・低ニコチンの「軽い」たばここそ、危険である。鉄道やバスの事故、医療事故、原発事故、津波と地震、温泉施設での火事など……事故が起きるたびに、関係者の責任が問われ、規制が強まり、対策がとられる。だが、果たして安全対策によって「安全・安心」は高まったと言えるのだろうか。事故や病気や失敗のリスクを減らすはずの対策や訓練が、往々にしてリスクを増やすことになるのはなぜなのか、考える。著者は、道路幅が広がればスピードを出す運転手がいるように、立派な防波堤を信頼したがために津波警報でも逃げなかった例をあげ、人間の心理を考えない安全対策では心もとないことに警鐘を発する。内外の豊富な実例をあげながら、人間の心理とリスク行動の謎に光を当て、いかにしてリスクと向き合うべきか、リスク・マネジメントの課題にまで踏みこんでいく。

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  • カテゴリ
    :
    ビジネス・実用
  • ジャンル
    :
    社会・政治 / 社会学
  • 出版社
    :
    PHP研究所
  • 掲載誌・レーベル
    :
    PHP新書
  • タイトル
    :
    事故がなくならない理由
  • タイトルID
    :
    186804
  • ページ数
    :
    224ページ
  • 電子版発売日
    :
    2012年09月28日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    4MB

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事故がなくならない理由 安全対策の落とし穴 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    [リスクとの付き合い方法、教えます]事故回避のための新技術や万全とも言える備えが導入されるにもかかわらず、自動車事故やヒューマン・エラーが起きてしまうのはなぜなのか。事故発生の外部的要因のみならず、人間の心理状態にまで分け入りながら、その原因と更なる対策を提唱する作品です。著者は、産業心理学や交通心理学を専門とされている芳賀繁。


    「リスク」にまつわる話が本書の大部を占めているのですが、そのリスクを完全に否定するのではなく、それと上手くやっていこうという姿勢が示されているところが興味深い。どのくらいまでのリスクであれば許容しうるのか、そしてその許容度にどのようにして個人差が生まれるのかなどの研究が取り上げられており、普段読まない分野の本ということもあってか、なるほどと思いながら読書を進めていくことができました。


    抽象的な話ではなく、図やグラフ、そして大小含めて実際に生じた事故に例を取りながら説明がなされているため、とにかくわかりやすいというところにも好感が持てます。著者があとがきに書くように若干総花的になってしまった感は否めませんが、幅広い事故対策に関する考え方が紹介されていることもあり、足がかりとしながら更なる研究を進めるには打ってつけの作品だと思います。

    〜一般人はゼロリスクを求めていると考えるのは、一種の神話ではないだろうか。その神話を信じて、専門家や事業者の側が、「リスクはありません」、「極めて低いです」、「安全です」と強調してしまうのは、筋違いな対応なのではないだろうか。むしろ、リスクがあることを認めて、そこから話し合いを進めるべきだと思う。〜

    事故というか台風に伴う日本各地の被害をいくつか目にしました。どうぞお気をつけてください☆5つ

    0
    2014年08月22日

    Posted by ブクログ

    ー リスク補償行動とは低下したリスクを埋め合わせるように行動が変化し、元のリスク水準に戻してしまうことをいう。細くて見通しの悪い道路から幅の広い直線道路に出たドライバーがクルマの速度を上げたり、雪道をノーマルタイヤでのろのろ走っていたクルマがスノータイヤに履き替えたとたんにスピードを出したりする現象が典型である。

    運転速度のように測定できる行動変化だけでなく、注意力が低下したり、他のことを同時にしたり、より大きなリスクをとる方向の判断や決定を行う確率が高まることもリスク補償の現れである。 ー

    テクノロジーの進化と共に、リスクも減ってきていると思われがちであるが、テクノロジーの使い方によっては逆効果になってしまうことも理解する必要がある事を、さまざまな事例を用いて教えてくれる。勉強になり、面白い作品。

    0
    2018年12月03日

    Posted by ブクログ

    事故がなぜ起こって、なぜ防げないのか?永遠のテーマです。このテーマをどのようにとらえるのか?内外の研究例を紐解きながら、わかりやすく導いてくれる導入書です。いい本だと思います。

    0
    2018年01月02日

    Posted by ブクログ

    リスク対策に関する良書。
    特にリスクのホメオスターシス理論、つまり安全対策を講じてもそれに安住して更に危険行動がエスカレートし、結果的に事故確率は変わらないと。結局は心理が大きく影響するということ。
    次回、平成26年度の(平成27年1月)JMA研究発表会の主題基調講演にどうか。

    0
    2014年03月12日

    Posted by ブクログ

    とても勉強になった。リスクマネジメント、安全について幅広く学ぶことができた。参考文献にも手を伸ばしたい。

    0
    2013年09月05日

    Posted by ブクログ

    産業心理学者である著者が事故が起こるメカニズムを分析し、その上で、必要な対策について提議した本。

    会社のライブラリで見つけ、自動車の安全を専門としている私にとっては必須の本だと思い手にとりました。

    本書で著者は、「安全対策がどのような成果を上げるのか、あるいはあげないのかを決めるのは、その安全対策によって人間の行動がどのように変化するかにかかっている。」と言っています。

    そして、これは工学の問題ではなく心理学の問題であると。

    本書では、工学的に考えて事故を無くすために導入した安全装置が裏目に出る例をいくつか紹介しています。

    例えば、居場所を知らせるビーコン。
    これが普及するとともに、従来は危険で誰も近づかなかったような場所に登山家が入り、雪崩にあうケースが増えました。

    次に、低タールたばこ。
    これに切り替えた愛煙家は、ニコチンの吸収量を確保するために、無意識に深く吸い込んだり、短い時間間隔で吸引したり、煙を肺に長くとどめたりするというデータがあるそうです。

    また、東日本大震災においても、かなりの人は、ここまでは津波が来ないだろうと思って逃げなかったために命を落としました。
    住民の判断を謝らせた一因は、立派な防波堤・防潮堤の存在です。

    また、これらのことは、安全装置だけでなく、訓練や経験についても言えます。
    例えば、クルマの操縦や、スキーや、楽器演奏の技能が向上しても、ミスをおかす可能性はそれほど低下しません。
    自信は過信につながり、失敗を生むのです。

    では、リスクを減らすはずの対策や訓練が、結果として事故や病気や失敗のリスクを低下させられないのはなぜでしょうか。
    それは肝心の人間がリスクを増やす方向に行動を変化させるからです。
    この現象を「リスク補償」といいます。
    リスク補償行動とは、低下したリスクを埋め合わせるように行動が変化し、元のリスク水準に戻してしまうこと。

    せっかく苦労して安全性を高める装置を作っても、それを使う人間が安全性を引き下げてしまうのです。

    このことは、「リスク・ホメオスタシス理論」という理論でも説明されます。

    このホメオスタシスのメカニズムの中で特に重要な点は以下の二つ。
    ⑴どのような活動であれ、人々がその活動から得られるであろうと期待する利益と引き換えに、自身の健康、安全、その他の価値を損ねるリスクの主観的推定値をある水準まで受容する。
    ⑵人々は健康・安全対策の施行に反応して行動を変えるが、その対策によって人々が自発的に引き受けるリスク量を変えたいと思わせることができない限り行動の危険性は変化しない。

    つまり、リスクをとることは利益につながる。
    だから、人々は事故やリスクをある程度受け入れ流のです。

    安全対策で事故が減った場合、人々はリスクが低下したと感じ、その分のリスクを受け入れ、ベネフィットを求める。
    したがって、今の安全水準で十分と思っている人、自分は事故を起こさないと根拠もなく信じている人、もっと速く走りたい、少しでも早く目的地に着きたいと思いながら運転している人、運転しながら電話をしたり、テレビを見たり、メールを打ったり、カーナビを操作したりする人たちにとって、安全装置は安全性向上ではなく、自分たちの行いたい行動の目的に利用できる便利や装置に過ぎないのです。

    これらのことから、安全装置を安全装置として使ってもらうためには、安全への動機付けを高める教育や働きかけ、装置のユーザー・インターフェイスの工夫などが不可欠であると著者は提議しています。

    さらに、「1台のクルマとそれを操縦する1人のドライバー」という枠内で安全を図ることの限界に気づき、広く交通環境の中での機械・設備・人間(複数の交通参加者)・組織の相互作用の視点で安全性向上を目指す視点が必要であると。

    安全技術を開発している立場の私としては、全く予想していない内容でした。

    アクティブ・セーフティ技術(ぶつからないクルマなど)が普及し、さらに精度が高まることによって、交通事故が無い世の中になるということを信じていましたから。

    しかし、ただそのような装備を付けるだけでは意味がないようです。

    このことは、世の中の全ての安全に関わるエンジニアが知っておくべきことだと思います。

    これから少し産業心理学について勉強してみようかな。
    そして、人を知った上で、より有効的な技術開発を行なっていきたい。
    そう思いました。

    0
    2013年03月13日

    Posted by ブクログ

    安全を論理的、識字的に理解するのにすごく良い本です。事故に悩んでいる方にはいい。だれもが将来に期待を持ち、誇り高く生きることができる世の中こそが一番の事故防止、か。

    0
    2012年12月14日

    Posted by ブクログ

    職場での安全行動は、職業的自尊心によって支えられている…とすれば、黙過を防ごうとする態度も同様のことが言えるだろうか。
    身体的精神的疲労感がここにどのように影響しているかだが、自尊心さえあれば黙過を避けれるというわけでもないだろう。もう少しいろいろな変数が影響している、特に組織というものの中で起こる関係性や雰囲気といったファクターが大きいか。
    ここに無意識的な要素が入ってくるのだからさらにややこしいだろう。
    投影同一視のメカニズムにもヒントはあるか。要調査。

    0
    2025年05月19日

    Posted by ブクログ

    「事故がなくならない理由」芳賀繁。PHP新書。2012年。


    #


    大学で心理学を教えている学者さんの本。国鉄などに勤務経験もあるらしく、半ば「事故のプロ」なのでしょう。
    2019年4月に読んだ本なのでかなり忘れていますが、大まかに言うと。統計データ上、


    「安全技術が進歩しても、事故率はあまり変わらない」


    という一寸衝撃的な内容で、つまりは


    「安全技術が進歩すれば、人のココロが油断して、例えば自動車ならながら運転などをしてしまう。だから変わらない」


    「安全技術が進歩しても、運転がいちばん分かりやすいのだけど、人のココロには”ギリギリのスリルを楽しみたい”という要素があるから、変わらない」


    というような話だったと思います。


    自分の若い頃の運転を振り返ると、多少思い当たり。
    へー、ふむふむ。という感じはありました。


    (自動車の運転に限らず、人間関係とか仕事とかお金がらみとか犯罪被害あるいは犯罪加害とか、いろんな事も同じなんでしょうね)


    そういう要素がある、ということを肝に銘じて暮らす方が良いんだなあ、ということですね。事故を避けるためには。
     あと、どうやっても「家族そろって絶対に事故を避けて生きていく」ということは、人間社会で生きている以上は、どれだけ気をつけたって、自力では不可能なんですよね。
     むしろ「事故にあっても、最悪の大事に至らないように気をつける」、「事故にあっても失敗しても不幸にあっても、それでもなんとかなるような心持ち、助け合えるような関係でいる」というほうが、現実的かと思います。
     よくウディ・アレンなんか描いていますが、結局は自分の力、実力の賜物に見えるようなことでも、かなりの割合で所詮は複数の偶然の産物、神様の悪戯ってヤツなんだと思います。だからまあ、ヒトのありようってのがそもそも事故なのかも知れません。
     ...とまあ詮無き戯言ですが、本日も家族揃って無事故で過ごせたことを、一日一日感謝。無事是名馬。

    0
    2020年01月11日

    Posted by ブクログ

    リスクやリスク・マネージメントに関心があって購入.著者は交通心理学が専門のため,自動車など交通関連の例えが多いが,平易に汎用性を意識して書いているようだ.第1章の「安全装置が裏目に出るとき」はふむふむなるほど.第3章のリスク・ホメオスタシス理論が著者の考えの背景にある理論で,人はなぜリスクが低下したと認知したらリスキーな方向に行動が変化するのか?それを説明する理論だそうだ.
    私のニーズとはマッチしていなかったが,自動車関係の人にはマッチするかもしれない.

    0
    2012年10月23日

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    ビジネス・実用
  • ジャンル
    :
    社会・政治 / 社会学
  • 出版社
    :
    PHP研究所
  • 掲載誌・レーベル
    :
    PHP新書
  • タイトル
    :
    事故がなくならない理由
  • タイトルID
    :
    186804
  • ページ数
    :
    224ページ
  • 電子版発売日
    :
    2012年09月28日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    4MB

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