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Posted by ブクログ
みんながおれを悪党だというが
なにもおれは悪党になりたくてなったわけじゃない
わざとじゃないんだ、わざとじゃ
だからおれは絶対に謝らんぞ
といったような、ちんけなプライドに根ざす傲慢さを抱えながらも
わたしはけっして根っからの悪党じゃない
だからつねに、そんなわたし自身の自己防衛的ないいわけについても
懐疑的でありつづけているのです
だからおれは本質的には善人であるわけだ
絶対に謝らんぞ
といった具合に、おれとわたしが無限増殖をしている
といった具合で、たくさんの我を背負っている
それ故にむしろ我ありということがいえるのではないかしら?
などとそのように
己を正当化するための欺瞞的信仰まで持ち出してくるのなら
もはやこちらとしては戦争しかないのであって
それを避けたいというなら、せめて形だけでも詫びを入れてほしい
頭を下げてほしい
郷に入れば郷に従ってほしい
つーか普通に生きなさいよ普通に
などとそんなつまらぬ結論をみるまでに
700ページも小説を読まなければならない
かくも人間の自意識とは度し難いものである
が故に
普通とはなにか?それを定義せよなどといった
クソめんどくせえ議論がここからはじまってしまうであろうことも
容易に予測できてしまうのであるが
まあ神ならぬ人の子がやることですからね、仕方ないね
絶対に謝らんからな
ってまたそういう話になってしまうわけよ
安らぎを得るために、我ら人の子は無謬をあきらめるしかないよ
Posted by ブクログ
「パラ…、なんだいそりゃ?」と尋ねたのはのび太。それに答えたのはドラえもん。
「パラサイト」なんて言葉があるね。寄生って意味なんだけど、要するに独力では如何ともしがたい低級な能力しか持っておらぬ存在がために、より上級な存在におべんちゃらを使って、胡麻を摺り摺りして、ご厚恩にあずかるというか、ま、あずかるというよりも甘えるだよね、これは、うん、って違う違う、そげなこと、ドラえもんは答えていないよ。
じゃあ、「パラダイス」。楽園というか極楽というか。まあ、何かよくわからないけれど、とりあえずハッピーなんだよね。昔、スーパーファミリーコンピューターで『ワギャン・パラダイス』なるソフトがあって、ワギャンという名の恐竜、恐竜というてもその外見はちっとも恐ろしくなく、むしろ当世流行りのゆるキャラのような愛らしいルックスをしたキャラクターが、ワーとかギャーとか言って敵を懲らしめるみたいなアクションゲームなんだけど、そういえば、ドラえもんの大長編シリーズの第1作目は『のび太の恐竜』だったね、『ワギャン・パラダイス』とはまったく連関はないんだけれど、っていうかそもそも「パラダイス」でもないよ、ドラえもんが答えたのは。
じゃあ、正答を述ぶると、「パラレル・ワールド」。平行・並行世界というやつだね。今ある世界と同時並行的・進行的に存在している別世界。この2つの世界それぞれに己が存在していて、ある事象に対して、Aという選択肢をチョイスした己が存在しているのは今ある世界。で、Bという選択肢をチョイスした己が存在しているのはパラレル・ワールド、別世界、てな感じ。
僕らは平生より、いろんな判断・決断をしたり、あるいは迫られたりしていて、例えば今日の午飯は鰻丼にしようかチャアシュウ麺にしようかとか、長年連れ添うたパートナーに別れを切り出すべきかあるいは腐れ縁・現状維持にて耐え忍ぶべきかとか。ときには熟考を迫られるお題目もあるけれど、大概の事は即断即決するのは、ぱぱぱっと決めて行かんと捗るものも捗らなくなり停滞するから。
そのぱぱぱのせいで、後々、悔いやら反省やらと向き合わんければならない破目に陥るんだけど、でも、生きていくためにはある程度のぱぱぱは必要、忙しいからね人間は。ああ、あのときもう1つの選択肢を選んでおったら、今頃、己はどれだけ快楽・愉悦に浸ることができたことかなんて後悔することもあるんだけど、所詮それは叶わぬ妄想に過ぎず、現実にパラレル・ワールド云々をいうて生きている人はほとんどおらんだろう、忙しいからね人間は。
とはいえ、「もう1つの世界・もう1人の自分」というフレーズにはなんとも蠱惑的な響きがあって、実際にそれを妄想してしまうことを、まあ、赦されているのが人間。特権。猿や犬やミジンコなどが別世界だのもう1匹の猿・犬・ミジンコだのを思念することなどないからね、うん、ミジンコの数え方が「匹」なのかどうかは疑わしいけれども。
結局、今ある世界に、つまり現状に満足できん自分がいるから、そんな阿呆なことを考えるのだ。「今生」が駄目なら「後生」があるサ、などというのも、「後生」において自分がええ思いをしたいがために、今生のことはもう諦めて、残りの人生の艱難辛苦はオール我慢するよ、我に七難八苦を与えたまえ、そのかわり後生のことはおたの申します、あ、でもなるべく辛度い思いはしたくないから、やっぱり二難三苦くらいにまけたって丁髷、なあんてどこかしら不純かつ自堕落な欲望を発露とする、愚。愚。愚。負け。感情の敗北。
別の世界・別の時代に期待すればするほど、今を生きている生身の・リアリティーの伴った自分を疎かにしてしまう。あるいは拗ねる、いじける、怠ける、生蔵。そんな箸にも棒にもかからぬような根性では、今生を台無しにするだけでなく、もう1人の自分も(それは並行世界にいる自分だか、いつか生まれ変わるときの自分だか分からぬが)、同じように台無しにしてしまうことだろう。何故ならば、そんなぐうたらな思想しか持たない魂なんだから。救いようがあらぬ魂なんだから。
決して冷めているわけではないよ。ドラえもんはいないし、恐竜・ワギャンも架空の世界だ。もう1人の自分、if…なんてのも、あるいはドラえもんやワギャンと同レベルの話なのかもしれぬ。
グダグダしておったら、いつまで経っても・いつになっても・どこに居ても、あなたはグダグダのまんま。要するに、今を真実・真正に生きよ、このことに尽きるんだよね。人間だから、おかしな期待感を持ったり、情欲に憑かれたりというのを完全に避けるのは厳しいかもしれないけれど、せめてオイラは真面目に生きていますぜ、そう胸を張って言えるくらいの生き様を見せてやるんだぜと、それくらいは決意し実践せんければあかんのだなあと僕は私は思ったのでありました。
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小説・文芸
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