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嫌いな自分を肯定するには? 自分らしさはどう生まれるのか? 他者との距離をいかに取るか? 恋愛・職場・家族……人間関係に悩むすべての人へ。小説と格闘する中で生まれた、目からウロコの人間観! (講談社現代新書)
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Posted by ブクログ
自分の核なんてものは無くて、 分人の集合体に過ぎないとすると、 核がだめなら何をやってもだめだ、とはならず いくつかある分人の一つが、良くない状況を 作っていただけなんだと思える。 これからいくらでも修正できるんだと。 いじめや虐待の過去があっても、 分人の考え方があれば 「自分は嫌われやすい人...続きを読む間だから‥」とか、 「この人は暴力を振るわないだろうか‥」と 思わずにいられる。 自分も過去の経験から、自分なんてと思うことが あるけど、現在の分人の比率は 当時のそれとは変わっているんだと知れば 少しは安心できるかもしれない。 数年にわたる変化に限らず、一日単位でみても 会社にいる自分、家にいる自分、 自分が心地よい方の分人を足場にすることを 大事にしたい。自分の全部は好きになれなくても どれか一つでも好きになれる分人があれば まずは良いんじゃない、と思えた。 同時に、他人もまた複数の分人の集合体であり、 自分が接することができるのは その中の一面にすぎないということになる。 自分にとっては嫌な人でも、周りの人には そうでないこともたくさんある。そのとき、 周りの人へ向けた分人まで批判はできない。 自分が口出しできるのは、 自分に向けられた分人だけ。確かに、納得。 「私たちは隣人の成功を喜ぶべき。 なぜなら、分人を通じて私たち自身が その成功に与っているから。 隣人の失敗には優しく手を差し伸べるべき。 なぜなら、分人を通じてその失敗は 私たち自身にも由来するものだから。」 この思考は、とても好きだと思った。 お互いに影響し合っているのなら、 綺麗事じゃなく、それもそうだな、と腑に落ちた。 無理なく人に優しくできたり、 寛容になれたりできる考え方だなと。 引きこもりは「消したい分人」を消滅させる行為。 出家は社会的分人を消し、 宗教的分人のみで生きるためのもの。 コスプレはフィクションの世界との分人化。 独裁政権時は統治がしやすいように 分人化の監視、禁書・焚書が行われてきた。 ストックホルム症候群は、 犯人との分人の肥大化によって起こるもの。 など、一つひとつの例がとても分かりやすいし、 こんなに色んなことに説明がつくのか!と 面白く読めた。 日常の色んな場面で使える考え方だろうから 平野さんの作品に限らずこれから本を読むとき、 「人分」という視点を取り入れてみるのは 面白そうだなと思った。
誰かといるときの分人が好き、は必ず1度他者を経由している。 自分を愛するためには、他者の存在が不可欠だ。 あなたと一緒にいると、すごく好きな自分(分人)でいられる。 その好きな自分をこれからの人生でできるだけ沢山生きたい。 だからあなたがいてくれないと困ると思った。 ⇔ 愛とは、相手の存在があなた自...続きを読む身を愛させてくれること。 その人と一緒にいる時の分人が好き。 もっとその分人を生きたい。 自分と互いにかけがえのない存在になり、お互いに愛しているとアピールしなくても互いの存在その物が一緒に居続ける理由になる。
もっと広まっていいと思える考え方。少し生きやすくなる言葉が多々あった。この人の本をもう少し読んでみようと思う。
「本当の自分」という、実体のない不可侵の塊を探すのをやめさせてくれる本だった。一貫したたった一つの「個人(インディビジュアル)」として生きるのではなく、対する相手や環境ごとに生まれる複数の「分人(ディビジュアル)」のネットワークとして自分を捉える。この視点は、真面目に生きようとするほど息苦しさを感...続きを読むじる現代において、非常に実用的な思考ツールになる。 ●「一貫性」の呪縛からの解放 世間では「裏表のない人」が美徳とされるが、本書は相手によって態度やキャラクターが変わることを「不誠実な嘘」とは呼ばない。親といる自分、職場の自分、趣味の仲間といる自分。そのどれもが「本物の自分」であるという肯定は、素直に腑に落ちる。 私自身、結婚して子供が生まれたことで、家庭内での分人が占める割合が大きくなった。その「足場」が強固になった結果、皮肉なことに外部の人間関係に対して「自分の気持ちに正直に」割り切れるようになった感覚がある。すべての場所で同じ顔(一貫性)を強要されないことで、かえって精神的な安定が得られるというのは、分人論が示す「構成比率(ポートフォリオ)」の妙だと言える。 ●他者を必要とする「分人」への疑念と整理 論理として納得しつつも、実生活に引き写した際に生じた二つの疑問についても、自分なりに整理がついた。 1.承認欲求への依存について 「他者がいて初めて分人が作られる」のなら、他者の評価に支配されないかという懸念があった。しかし、実際には特定の分人に依存せず、複数の心地よい分人に分散投資しておくことで、一つの関係性での否定が全人格の否定にならないという「守り」の側面が強い。家族という大きな分人があるからこそ、他者からの承認を過剰に求めずに済むという現在の状況が、その証左だろう。 2.一人きりのときの自分について 誰とも接していない「自分オンリー」の時間は、無(ゼロ)ではなく、過去の他者の残響や、向き合っている対象(本、映画、食事)との間に生じる分人の時間である。例えばNotebookLMなどのAIと対話する時間は、客観的な「他者」を鏡にしながら、自分自身の内省を深めるための特殊な分人が立ち上がっている状態といえる。一人の時間もまた、純粋な孤立ではなく、世界や自己との「対話」によって構成されている。 ●印象的なエッセンス 1.個人から分人へ: 分けられない「一」ではなく、状況ごとの「多」として生きる。 2.個性の正体: 固有の核があるのではなく、分人の構成比率がその人の個性となる。 3.環境による調整: 嫌な自分がいるなら、その原因となる分人を物理的に減らすという戦略。 ●まとめ 「本当の自分がわからない」「あの人といるときの自分が嫌いだ」と、内面に原因を求めてループしてしまうとき、視点を「関係性」へと外に連れ出してくれる一冊。自分を一つの塊と見なさず、環境ごとに最適化されるネットワークとして眺めることで、変化していく自分を静かに受け入れられるようになる。
文学作品を味わうためのマスターキー。 自己認識や対人関係のヒントとしては元より、氏の小説をはじめ文学全般を読む上で鍵となる一冊。汎用的な副読本としても常備したい。 「分人」の視点を通して文学作品にふれると、物語はより広く「読みしろ」を開放し、豊かな問いを読者に投げかけてくるかもしれない。
比較的手広く読書してきた積りでしたが、平野啓一郎という作家や、分人という概念を、この新書を読むまで全然知りませんでした。2012年に刊行されて、すごく話題になったらしいのに、全くアンテナに引っ掛からなかった。不甲斐ないです。 『ドーン』や『空白を満たしなさい』を早速読もうと思う。 20年以上付き合い...続きを読むのあったグループとの関係を断とうと思っていた矢先に、この本を読見ました。不快な思いを抱いたまま、人間関係の縛りでダラダラ続けるのは、あまりに不合理だと理解できて、スッキリしました。
自分の中に分人は果たしていくついるだろうか。 幼い頃から感じていた違和感がこの本を読むことで腑に落ちた。各場面で性格は変わらないしろ振る舞いは変わるので、気疲れする原因が突き止められた気がする。色々な面があるけど自分は一つ。 愛の章は取り分け響いた。他者を愛することで自分も愛せる。自分の中の分人が...続きを読むどんどん大きくなっている。それで全てを埋め尽くさないようにしないといけないけど難しい問題だと思う。
著者は、すべての人間は空気を読んで所謂「キャラ」を演じ分けているのではなく、接する他者との数だけ「分人」が存在すると本作。 唸りながらの読書体験でした。平野啓一郎さんの著書を、実はあまり読めていないので、これから読んでいきたいと思いました。
分人という概念をもっと早くに知っておけば、これまでの人間関係の悩みのいくつかは解消されていただろう。 相手との関係性の産物として分人が生まれ、個性は各分人によって構成されると筆者は述べている。(この概念を言語化できる筆者さすがです!) ある特定の人物に対する分人に嫌悪していたいとしても、好きな人に...続きを読む対する分人の構成比を増やすことで、自分を守っていきたいたなですね。
『わからない』 20代後半〜30代前半。結婚して子供が出来た。 幸せな気持ちの一方、20代前半に友人達と築いてきた自分と別人になった気がした。 「結婚して変わった」「つまらない」冗談まじりの言葉に笑ってごまかす自分が嫌になった。自分が分からなくなった。 20代も後半になって自分を見失ったことがショ...続きを読むックだった。 本当の自分という幻想を取りはらうのに少し時間がかかった。 その時々で出会う人や環境との分人(それぞれの自分)の集合体が自分、その比率によって変わっていくのが当たり前。その時々の自分を認めていきたい。そう思った。 『私とは何か「個人」から「分人」へ』 平野啓一郎 を読んで。
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私とは何か 「個人」から「分人」へ
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平野啓一郎
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