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古き良きエドワード朝時代の面影を今なお残すバートラム・ホテル。ミス・マープルも淡い過去の思い出を求めて訪れた客のひとりだった。だが、その優雅な雰囲気の陰に彼女が見たのは、巧妙にしくまれた大陰謀……はたして巻き起こった驚愕すべき犯罪とは? 香り高き本格ミステリの逸品!
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Posted by ブクログ
【マープル】 冒頭のシーンが魅力的。 舞台は都会ロンドン、古き良きエドワード王朝時代そのままの佇まいを保つバートラム・ホテル。 高級で優雅でゆったりとした時間が流れるホテルに完璧なサービス。 ピカピカの銀製ティーポットで飲む最高級のインド茶葉の紅茶の味は最高だろうなぁ。 その描写がまるで映像のよう...続きを読むに鮮明に浮かぶ。 「ほんもののシード・ケーキでしょうね?」 出た出たー!!この名セリフ!料理の本で気になってたやつだ。 「だって彼は殺されたんでしょ?」 「いいかい、彼女を殺してしまわなきゃいけないんだよ」 など、クリスティー作品はセリフも魅力的で、1度目にすると忘れられない。 由緒正しいイギリスのシードケーキはミントのようなスースーするケーキらしい。 ちなみに先日読んだ『ミステリーの生まれたところ』によると、このホテルのモデルとなったホテルでも、シードケーキはもう食べられないそうだ。 アメリカのマフィンはおやつみたいで本物じゃないと言ったり、アメリカの朝食と英国の朝食の違いも面白い。 マープルが頼んだホテルの朝食がものすごく美味しそうに描かれていて、読んでいてお腹が空いてくる。 明日の朝は英国式の朝食が食べたくなる。 もうこのホテルの紹介だけで楽しい! ミステリーとしてはいつまで経っても具体的なものは起こらない。でもホテルという非日常の空間で起きている出来事があるので退屈することはない。 セント・メアリ・ミードが時代と共に現代的になることに「世の中の移り変わりは、やはり受け入れなければいけませんね」と悲しむマープル。 『カリブ海の秘密』のホテルは甥の招待で、今回の高級ホテルは画家である姪が招待してくれた。羨ましいほど叔母想いの甥と姪がいるマープル。 マープルが14歳の時に泊まった思い出のホテル。奇跡的にそっくり昔のまま。 嘘みたいに何もかもが完璧すぎる。 マープルが感じるこの違和感は何なのか? 「例の髪を長くしたビートルズとか何とかいった連中」 なんとビートルズが作中に出てきた!英国だもんね。 私はQueenが大大大好きなんだけど、Queenは1971年からの活動だし、何となくQueenはクリスティーなら顔をしかめそうなので、さすがに出てこないよね…本と全く関係なくてすいません。 登場人物は、大西洋単独横断飛行などをしている女流冒険家とその娘。 今までにない職業と豪快な女性。 そして物忘れが激しい牧師。 私の親も同じような感じなので他人事ではなく心配しながら読んだ。 おやじさんと呼ばれる味のあるデイビー主任警部が今回は事件を解いていく。 マープルはこの作品ではロンドンで買い物を楽しんだりしているのがメインで、いつのものカッコ良さはない。 でもお芝居をして聞き耳を立てて情報を仕入れる探偵みたいなことはやってる笑 ラストは今までになく後味の悪さがあるけど、余韻の残る感じは好きだった。 このホテルが観たくてドラマ版を観たけど、ホテルの雰囲気と女優さん達が本当に素敵で最高だった! マープル長編の未読は残り『復讐の女神』と『スリーピング・マーダー』の2作品のみ。 どちらを最後に読むかがとても悩む〜! というのも、『スリーピング〜』はポアロ『カーテン』と同じく、戦争中に自分の身もどうなるかわからない時に書いている。 公開されたのは亡くなった年の1976年だけど、執筆したのは1943年37歳の時。 最終話としては『スリーピング〜』なんだけど、この頃はまだマープル作品を書いたばかりの頃なんだよな。 だから事実最後に書いたマープル作品は、1971年81歳で出版した『復讐の女神』。 『復讐の女神』はクリスティーも愛したマープル作品の本当の最後だと思って執筆したと思うから、どっちから読んだら良いか迷ってしまう…。 そして読んでマープルが終わってしまうのが怖い(╥﹏╥)
マープル ホテルが好きなのでとても面白かった。マープルがロンドンでのお買い物で「たいそうごきげんな時間を過ごして」(p110)いるのもこちらまで楽しくなってくる。 モデルになったホテルはブラウンズらしいが、「イギリスのお菓子とごちそう」にはブラウンズとフレミングス・ホテルを合成して描いたという説が紹...続きを読む介されていた。ブラウンズのアフタヌーンティー、味わってみたいものだ。 メープルの長編の未読は2冊になってしまって寂しい。
憧れのイギリス!いつかは行ってみたい国になった理由の1つはこの本。古きよくエドワード朝時代を残すバートラムホテル。バターたっぷりのマフィンやシードケーキ、燻製にしん、キドニーパイ、ベーコン、グラウスの冷肉、ヨークハム、オックスフォード・マーマレード。どんだけうまそうな料理出てくんねん(笑)田舎の村の...続きを読むどこにでもいるおばあさまにして、鋭い観察眼をもつ名探偵、ミス・マープル。ホテルの滞在客の謎、愛憎渦巻く親子の謎を解き明かしていきます。この本読んだら本当にイギリスに行きたくなるよぉ。
旧時代の雰囲気漂うホテルの常連客が失踪した。 なるほど今回は失踪事件がメインかと思いきや、組織犯罪の影や謎めいた少女の行動も気になる。 そのうえ殺人事件まで発生してしまう。 正直、全体的に地味だなと思って読んでいた。 だけど第二十章から一気に面白くなる。 いろいろ詰め込まれすぎて、前半の地味さはどこ...続きを読むへやら。 本作の面白さって遅効性だわ。
再読。 ミスマープルもの。 バートラムホテルの古き良き時代のロンドンのホテルの雰囲気がとても良く描かれていて、クリスティーの作品の中でもお気に入りの一冊。 バートラムホテルはその雰囲気とは正反対の裏の顔を持ったホテル。ホテルの登場人物もそれぞれ裏の顔を持つ。そこが面白いところ。 事件自体は派手なもの...続きを読むではないが、味のある作品。
再読。ミス・マープルもの。 ロンドン、エドワード王朝時代そのままの佇まいを保つバートラム・ホテルを舞台にしたミステリ。 事件そのものより、なぜ昔の佇まいのままに営業できるのかという謎の方が興味深かった。 今回は、ミス・マープルもあまり活躍せず、事件も謎解きも散漫とした感じ。 古き良き時代のホテルの雰...続きを読む囲気やお茶の時間を楽しむ本だった。
前半は舞台となるバートラムホテルについての話で、後半になってたたみかけるように話が展開する。 ぶっちゃけ後味の良い感じのラストではないけれども、出てくる登場人物がそれぞれに魅力的なのと、ところどころで丁寧に描写される食事や当時のロンドンの様子などがとても面白い。 悪に対する矜持なんかも見え隠れてして...続きを読むいて、長く愛される作品の根っこみたいなものを感じる。あと、ポーチドエッグが食べたくなるねえ……
ポアロばっかり読んでたからか、舞台装置が出来上がってて警察も有能で、壮大でありながらもホテル内で完結し、割とあっさりしていた。 ポアロの、論理的ってよりも人間関係にスポットを当てて詰めていく展開が好きだから、今作はイマイチ響かなかったかも。オチも独特
このところ私生活がバタバタしていて、なかなか腰を据えて本を読む時間が取れなかったのですが、そんな状況でも没頭できるのがクリスティー。 ミス・マープルシリーズも9冊目となり、ポアロさんと共に終わりが見えてきました……さみしい(´・ω・`) さて今作は、「バートラム・ホテル」というなんとも素敵なホテル...続きを読むが舞台です。 ”まるでほんもの”の給仕頭やメイドがいて、バターたっぷりのマフィンやドーナツを暖炉が据えられたラウンジで食べられる……なんて素敵! ネタバレを踏むのが怖くて詳しく調べられてはないのですが、クリスティーがお気に入りだったホテルがモデルなんだとか。いいなぁいつか行ってみたいなぁ……と夢を膨らませていたら、おやおや?なんだかきな臭くなってきて……? 素敵なホテルにうっとりしていて気づかなかったのですが、物語も半分を過ぎるあたりまで事件らしい事件も起きず。ただ、裏で壮大な計画が進んでいるらしいことはたしか。 うーむこれはもしかして、今まで敬遠していた『ビッグ4』のような”大陸を股にかけた国際もの”なのでしょうか。いつもと違う雰囲気に戸惑いはしたものの、これはこれで楽しむことができました。 どちらかというと、犯人が少し小物っぽく見えてしまったことの方が残念かもしれません。狂気じみた犯人は大好物なのですが、ちょっと物足りないかなぁ。 ただ、結末に関して「見逃しちゃうの……?」とハラハラしていたので、その部分には安堵しました。悪を見逃してはならぬ、は揺るぎないテーマなんだろうな(だからこそオリエント急行が素晴らしいわけですね)。 解説にもありましたが、文中でビートルズに触れている部分もあり、クリスティーがどれだけ長く活躍していたかを改めて実感した今作。 マープル&ポアロシリーズを完走してしまうのはなんとも寂しい限りですが、一冊一冊じっくりと味わっていきたいと思います!
イギリスの作家アガサ・クリスティの長篇ミステリ作品『バートラム・ホテルにて(原題:At Bertram's Hotel)』を読みました。 『愛の探偵たち』、『フランクフルトへの乗客』に続き、アガサ・クリスティの作品です。 -----story------------- 姪のジョーンが、気...続きを読む分転換に旅行をすすめてくれたとき、ミス・マープルはロンドンのバートラム・ホテルを選んだ。 14のとき、叔父と叔母が一度連れていってくれたことがある。 落着いた雰囲気のうちに、目立たぬぜいたくがあるホテルだった。 が、なにしろはるか昔のことである。 どんなに変ってしまったか、心配でもあった。 ところが、バートラム・ホテルはかわっていなかった。 そっくり昔のままだった。 奇蹟的に、もはや消滅したはずの古き良き英国が、そこには生き残っていた。 エドワード王朝時代の家具・調度・風習、それに地方在住の、爵位をもった未亡人や聖職者、退役軍人といった、時代から忘れられた宿泊人。 懐しい過去がいまも暖かなマユに包まれて、保護されているのだ。 もっとも、ときたま現代が吹きつけてくることもある。 ここ数年、ロンドン警視庁管内で続出している大胆振りない強奪事件 ――銀行強盗、給料強奪、郵便託送中の宝石類の盗難の噂が話されたり、大西洋横断飛行から原子力潜水艦の便乗までやってのけ、大衆のアイドルになったべス・セジウィック夫人といった風変りな人間がとまりに来たりする。 ともあれ、楽しいホテルだわと、ミス・マーブルは満足していた。 そして、犯罪などとはまったく無縁な場所に思われたのだが……。 詮索好きな老嬢ジェーン・マーブル、久々の登場! (解説 佳多山大地 「ライバルは『ラバー・ソウル』」) ----------------------- 1966年(昭和41年)に刊行された、ミス・マープルシリーズの長篇10作目となる作品です。 ロンドンのバートラム・ホテルに行きたいわ……姪から気分転換の旅行を勧められたミス・マープルは、こう答えた、、、 そこは、古き良きエドワード王朝の面影を今なお残す、格調高いホテル……ここ数年ロンドンを荒し回っていた強盗団の脅威とも無縁であるかのごとく、優雅な雰囲気を醸し出していた。 マープルにとっては、まさに恰好の休養の場のはずであった……だが、徐々に露見する、ホテル内の錯綜した人間関係、、、 そして、客の一人の突然の失踪……果たして彼女を待ち受けていた驚愕すべき犯罪とは? 流麗なタッチで描く香り高い本格篇! 大都会ロンドンの一画にエドワード王朝時代そのままのたたずまいを保つバートラム・ホテルは、ここ数年ロンドンを荒し回っていた強盗団の脅威とも無縁であるかのごとく、優雅な雰囲気を醸し出していた……休養のためバートラム・ホテルに滞在したミス・マープルは、徐々に露見するホテル内の錯綜した人間関係に気付き、宿泊客であったのペニファザー牧師の突然の失踪、その後、濃霧の夜に発生した宿泊客エルヴァイラ・ブレイクの射殺未遂事件、結果的にホテルのドアマン・マイケル(ミッキー)・ゴーマンが銃殺された事件の捜査に協力することに、、、 あくまでも捜査の中心はフレッド・デイビー主任警部を中心としたロンドン警視庁なのですが……ミス・マープルの推理や助言により、真相が判明するという展開でした。 ミス・マープルの出番は少ないものの、二転三転するエルヴァイラ・ブレイクの射殺未遂事件(マイケル・ゴーマン射殺事件)の意外な真相と、狙撃犯のあまりにも独善的な動機が印象的な作品でした……アガサ・クリスティの作品としては、まずまずだったかな、、、 相続……お金……そして恋って、人を狂わせてしまいますねー 怖いな! 以下、主な登場人物です。 ジェーン・マープル 探偵好きな独身の老婦人 エルヴァイラ・ブレイク ホテルに滞在中の若い娘 デレク・ラスコム 大佐。エルヴァイラの後見人 ペニファザー牧師 クロース大聖堂評議員 ベス・セジウィック 女流冒険家 ラジスロース・マリノスキー レーサー ハンフリーズ ホテルの支配人 ゴーリンジ女史 ホテルの受付 マイケル(ミッキー)・ゴーマン ホテルのドアマン ヘンリー ホテルの給仕頭 ローズ・シェルドン ホテルのメイド リチャード・エジャトン エジャトン・フォーブズ&ウィルバロー事務所弁護士 フレッド・デイビー ロンドン警視庁主任警部 キャンブル ロンドン警視庁警部 ロナルド・グレイブズ卿 警視庁副総監 アリス バートラム・ホテル従業員 ブリジット エルヴァイラ・ブレイク友人 セリナ・ヘイジー ミス・マープル知人。レスターシャ在住 キャボット夫人 エルマーの妻
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