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伏──人であって人でなく犬の血が流れる異形の者──による凶悪事件が頻発し、幕府はその首に懸賞金をかけた。ちっちゃな女の子だが腕利きの猟師・浜路は浪人の兄に誘われ、江戸へ伏狩りにやってきた。瓦版の読売・冥土から、浜路は里見の家に端を発した伏をめぐる世にも不思議な物語を聞く。光と影、狩るものと狩られるものの長きに亘る因果の輪がいま開く! ゴシック的な江戸を舞台に疾走する傑作エンターテインメント。2012年秋アニメ映画公開。解説・大河内一楼。
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Posted by ブクログ
時代小説の中で見つけたこの一冊。 実に少年ジャンプ的な元気、勇気のSFアクション冒険ファンタジーだった。 そもそも南総里見八犬伝が読みたくて、とりあえず購入したんだけど、面白いのなんの。 伏と呼ばれる化け物、この化け物がいかにして生まれたかを、里見八犬伝がノンフィクションであることを前提に紐解...続きを読むかれていく様がキュンキュンです。 ただの悪とするのではなく、各個人にバックグラウンドを持たせる感じ、手塚治虫的な感じ大好き。 少々子供向け感はあったけど、お陰で分かりやすく、素直に面白いと思った。
信乃の、そして伏の悲しき背景を知っても、みずからの仕事に徹する浜路。すべてに凌駕する使命感がかっこいい。伏姫と浜路の二人のヒロインを軸に話はスピーディーに進み、どんどんページが捲られていく。面白かった。 この後、アニメも見てみたが100分に収めるため、だいぶ端折ったり、設定を替えていたが男女の恋愛を...続きを読むメインに置いてて、こちらも楽しめた。
里見八犬伝をモチーフにした長編で、何よりも過去の話が本編と同じぐらいの分量で入っていることに驚いた。桜庭一樹といえばファンタジーやライトノベル作品出身で「わたしの男」で直木賞という降り幅の広い作家さんだ。江戸時代を舞台に語られる贋作里見八犬伝、堪能させてもらった。
幼い頃初めて夢中になって見入った邦画が里見八犬伝だった。しかし、そのストーリーを忘れているなかでこの本を読んだ。 登場人物や情景をイメージしやすく本の世界に引き込まれた。伏という人間でもなく獣でもない存在の儚さや醜さは人間誰もが持ちうる性質だと思う。主人公の浜路兄の道節の正義感と子供のあどけなさが、...続きを読む話の湿り気を除し、対局にある伏と通じあう気持ちと本能の描写も興味深かった。
犬人間というものが、江戸の街にいたそうな。それを狙う賞金稼ぎの猟師の女の子浜路という十四の少女が主人公。軽い兄思いのアクティブな女の子です。だからなのか、少し物語も軽く飛んでいきそうなのです。里見八犬伝の贋作である贋作里見八犬伝という物語が、この浜路の物語の中に、二重構造のように入り込んでいるのが、...続きを読むこの物語の見どころ。本家の里見八犬伝よりも、こちらの方が現代人には好感を持って受け入れられるのではないでしょうか。楽しめました。合格です。
里見八犬伝は実はこうだったんだよ、と脚色したお話。 贋作の部分は、そういうのもありだなぁと思ってどんどん読み進められました。原作をもう一度読もうかな。。 あともう一つのお話。 14歳の善も悪もまだわからないような、まっすぐな性格が主人公だったのが良かった。だからこそ犬人間を狩る猟師として戦えたのだ...続きを読むろうし。 (最初はもっと人情味のない子かと思ったら、兄に助けを求める年相応なところがでてきて安心しました。)
これは良い。 本物の里見八犬伝は呼んだことがなかったけどファンタジーだね。 ためしにウィキで本物を調べてみたけど長大過ぎて読む気にならない。 この話は適度な長さで丁度良い。 伏の全体的にあっさりした執着の無さが犬らしくって可愛いやね。
姿は人なのだが犬の血を先祖に持つ者を伏という、その凶悪な伏を狩る猟師の娘と兄のおはなし、途中、伏なる異形者の誕生秘話があり、また伏たちの苦悩する姿があり、里見八犬伝とリンクしているらしいのだが、そちらの詳細をしらなくても楽しめた。
とにかくツギハギのような話でした。章によってラノベ調、幻想的、アクション…と作風がばらばらで、バランスが取れていないような感じ。 しかし、場面ごとのセリフや情景が鮮明で、桜庭作品特有のセンスを感じました。 結局ぐいぐい引き込まれて一気読みしました。これぞ娯楽小説。好みは分かれそうですが、私は大好き...続きを読むです。
里見八犬伝を違った視点から捉えた、伏。 伏姫の末裔が犬人間という。 でも八犬士とか、犬側じゃなくて、犬は狩られてしまう側っていうのも新鮮かもしれない。 同じ名前を使っているのでちょっとイメージが違うよって思ところもあるけどw 里見の里での、伏姫と八房、里見家の物語を描いた偽里見八犬伝と二つの物語が絡...続きを読むむように進んでいくのが面白い。
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伏 贋作・里見八犬伝
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