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日本人の「家族の絆」の実態を調査し続ける岩村暢子氏。耕さず農薬も肥料も使わない農業で強い米を作った岩澤信夫氏。植林活動で海を変え、震災も淡々と受け止める牡蠣(かき)養殖家畠山重篤氏。日本になかった合理的な間伐を普及する鋸谷(おがや)茂氏。ごくふつうの日常を研究する人、リアルな「モノ」に携わる人と解剖学者が、本当に大事な問題を論じ合う。「日常から消えた『現実』」「不耕起栽培で肥料危機に勝つ」「ダムは造ったふりでいい」「人工林を救う管理法」……地に足をつけて考える一冊。(目次より)◎震災後、家族の絆は回復したか ◎「ミーフェチ世代」の登場 ◎冬期湛水で無農薬・無肥料を実現 ◎現代の田んぼでは耕すことに意味はない ◎海は生きていた ◎気仙沼ユートピア計画 ◎日本の森林は外材輸入で守られている ◎林業は採算が合う
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Posted by ブクログ
養老孟司読んでると満たされる
養老孟司さん東南アジアに詳しいの好き
この少子高齢化社会で、もっと若いうちに家庭持って子を持った人達を評価して欲しいんだよね。街中で子供がうるさいなんて言うババアはそのババアを山に捨てた方がいいんじゃないかな?
新宗教と旧宗教は違うよね。旧宗教の叡智は科学を凌駕してるから様々な世界の旧宗教について勉強するのは好きだな。
私もこれフランスで生活してみて、同じこと思ったんだよね。フランスの個人主義って皆が孤立しないように家族とかじゃなくても他人助け合うコミュニケーション有りきの中で成立してるものなのよ。
でも日本の場合そういう知らん人達がお互いを気にかけて孤独にならないように助け合う文化が無いまま、個人主義だけ欧米の真似したから孤立して生活保護取るしかないとか、自殺者が増えたり、カルト新興宗教に入ったりしてる気がする。背景にあるものを無視して安易に取り入れんなって話だと思うよ。
岩村暢子
イワムラ・ノブコ
著者プロフィール
1953(昭和28)年、北海道生まれ。大手広告会社を経て、キユーピー(株)顧問。食と現代家族の研究を続け、著書に『変わる家族 変わる食卓』『「親の顔が見てみたい!」調査』『普通の家族がいちばん怖い―崩壊するお正月、暴走するクリスマス―』『家族の勝手でしょ!―写真274枚で見る食卓の喜劇―』。第二回辻静雄食文化賞受賞。
岩澤 信夫(いわさわ のぶお、1932年(昭和7年)1月28日 - 2012年(平成24年)5月4日)は、境循環型の稲作農法である冬期湛水不耕起栽培を提唱し、普及活動を展開した農業技術者。
畠山 重篤(はたけやま しげあつ、1943年10月7日[1] - 2025年4月3日[2])は、日本の養殖漁業家、エッセイスト、京都大学フィールド科学教育センター社会連携教授[3]。「牡蠣の森を慕う会」」(現「特定非営利活動法人森は海の恋人」)の代表を務めた。
鋸谷茂
森と木の研究所代表。1953年福井県生まれ。10代から自家山林の管理を行う。福井県に奉職し、林業普及指導員として県各地の山林を観察しながら、自家山林で育林の省力化について研究を続ける。日本初の科学的な密度管理に基づく間伐方法として、「鋸谷式間伐」を提唱。2009年福井県を退職。2010年森と木の研究所を立ち上げ、林業の現場で施業を実施しながら施業の合理化に関する研究を現場目線で進めている。間伐手遅れの人工林を健全な山に育成する巻き枯らし間伐は、全国のボランティア団体で女性や子供たちの手によっても行なわれている。全国で講演や体験会を行ない、林業実践研究者としても精力的に活動している。
「ところが、今ではお盆や正月に帰る故郷がない人が増えています。それはどういうことかというと、結局のところ、日本人は戦後、絆をお金に換えてきたんですね。 昔は、仕事もしないでブラブラしている人間が親戚にいても、みんなで助け合ってなんとか食わせていました。それが今では、親戚を頼れなくなったので、それぞれが保険に入ったり、行政の福祉サービスを受けたり、あるいは生活保護を受けるしかなくなっています。 そのような社会の中で、途方に暮れている人もいるはずですよ。社会はどんどん個にバラけていきましたが、日本にはアメリカ風の自助の精神はありません。戦後の新憲法は、独立した家族が集まって集団をつくり、国家を運営していくという理想像を描きましたが、日本人の中では自助の精神はあまり育たず、伝統的な「長いものには巻かれろ」式の考え方でやってきたのですから、「これからは個として生きろ」といきなり言われても、どう生きてよいのかわからない人は多いはずなんです。」
—『日本のリアル 農業、漁業、林業、そして食卓を語り合う (PHP新書)』養老 孟司著
「そうですね。嫁姑問題とは別の問題になっているのに、同じ言葉で語るからわかりにくくなっているんですね。 そして、各家庭のプライベートな空間は「それぞれ違うのが当然」と考える人も少なくなってきたんでしょうね。一九六〇年前後に、地方から都市周辺に働く若い世代がたくさん流入してきて新しい家庭をつくり始めたとき、自分たちの故郷の家のやり方を恥ずかしいことのように思って、「ふつう、どうするの?」と周りを見回して合わせようとし始めたと聞きます。ちょうどテレビや雑誌も、これからの「新しい家庭像」を語り始めたから、プライベートな各家庭の中のことまで、「各家それぞれ」ではなくなってきた。だから、各家のやり方やルールなど、子どもやお嫁さんに伝えるものもなくなったのでしょうかね。」
—『日本のリアル 農業、漁業、林業、そして食卓を語り合う (PHP新書)』養老 孟司著
「養老 その世代の理工系出身で新宗教に入っていった人たちは、必然性があったから理工系に進んだわけではありませんよね。岩村 そうでしょうね。一九六〇年以降生まれの人たちは、受験方式も変わり、大学の選び方も変わっていく中で進学した世代です。「信じられるもの」を求めて理工系に進んだわけでもなく、理工系でやりたいことがあったわけでもなく。偏差値の見合うところを文系・理系問わず受けたら、たまたま理工系の学部に受かったけれど、何をしたいのか、どう生きたいのかがわからない、という話もよく彼らから聞きました。血を見るのが苦手なのに、成績がよかったから医学部を受けて入ってしまったとか。養老 それは、まさに僕が現役で教えていた頃に問題になったことですよ。八〇年代から九〇年代にかけて、そういった学生が多くて本当に困りました。成績がよければ、高校の先生は医学部進学を勧めるんですよね。そうやって入ってきては、うまくいかなくて転科した学生が何人もいました。」
—『日本のリアル 農業、漁業、林業、そして食卓を語り合う (PHP新書)』養老 孟司著
「養老 僕は中学・高校とカトリックの学校に行ったので、「旧宗教は何をさぼっているんだ」と思っていました。岩村 旧宗教に行っても、「答え」を教えてくれないんですよ。自分でよく見つめ考えなさいとか、座禅を組みなさいとか言われるだけで。そう言われても、一九六〇年以降生まれの世代は、マークシート方式で、まる暗記式の試験に対応した勉強をしてきた第一世代ですから、「答え」は自分で探すものでなく教えられるもの。待てないんです。」
—『日本のリアル 農業、漁業、林業、そして食卓を語り合う (PHP新書)』養老 孟司著
「岩村 偏差値が高い、成績が優秀っていうのも、記憶された知識で測られるようになりましたものね。具体的な実践力などはマークシート方式じゃ測れないから。食に関していえば家庭科教育だって変わったんです。一九六〇年以降生まれの人たちが受けた家庭科教育は、たとえば栄養素を覚えて、それを網羅的に組み合わせるような「献立て」の立て方だったりする。そこでは、焼き魚とミカンと牛乳なんていう奇妙な献立ても「摂りたい栄養バランス」にかなっていればマルがつくようになっていたんです。そして、実際に食べて美味しいか、それを上手につくれるかは、軽視されるようになってしまった。 知識、情報に重きが置かれるようになって教育現場で行われる「体験教育」も一日体験的な「情報」のように変わってきたんだと思います。身につける体験教育ではない。」
—『日本のリアル 農業、漁業、林業、そして食卓を語り合う (PHP新書)』養老 孟司著
「 二〇世紀に、ヴィクトール・エミール・フランクルというユダヤ系オーストリア人の精神科医がいました。収容所体験を基に『夜と霧』を書いたことで有名です。彼は、自分が何のために生きるかについて一切述べず、果ては「人生の意味は自分の中にはない」と言っています。この言葉を日本の若者に言ってやりたいですね。 フランクルは、第二次世界大戦でナチスのユダヤ人迫害が激しくなってきた頃、アメリカに留学するチャンスを得ました。留学すればナチスから逃げることができる。しかし、彼は思い悩みつつ、「たとえ行き先が死の収容所であっても、両親とともにいよう」と決めるのです。自分の人生を自分以外の人間に預けるといったことは、現代人はまずしないでしょうね。でもこれって、ある意味ではすごく楽になるんです。」
—『日本のリアル 農業、漁業、林業、そして食卓を語り合う (PHP新書)』養老 孟司著
「自分の個性や自分らしさを大切にするようにと、家庭でも学校でも言われて育ってきたんです。そして「自分らしさ」「自己」は周りとの関係抜きで見出せると思っているし、私らしく生きることが自己実現だと思って、悩んでいるんですから。」
—『日本のリアル 農業、漁業、林業、そして食卓を語り合う (PHP新書)』養老 孟司著
「しかし、考えてみると、テレビやゲームがこれだけ普及した時点で、現実は必要なくなったんでしょうね。もともと現実は面倒くさいものですから。それで、現実から離れた「体験」を求めているのでしょう。日常は、都合のいいところだけ切り取って「体験」するというわけにいかない、厄介なものですからね。大自然は味わいたいけど、ちゃんと虫除けして、シャワーもトイレも完備してね、とリゾート地で「自然体験」を求める気持ちも同じで。」
—『日本のリアル 農業、漁業、林業、そして食卓を語り合う (PHP新書)』養老 孟司著
「日本はもともと自然が豊かな国です。しかし、オーストラリアという国はもともと自然に余裕がなく、ちょっとした環境の変化が生物界に大きな影響を与えてしまいます。 この違いは面白いことに、両国の生物学の違いにつながります。日本の生物学では有名な「棲み分け理論」が生まれた。環境が豊かで幅広いものだから、その中でお互いが損をしないように、どう棲み分けるかということがテーマになる。でもオーストラリアの生物は厳しい条件で暮らしているから、環境は生き物にどのような影響を与えるか、というテーマになるんです。」
—『日本のリアル 農業、漁業、林業、そして食卓を語り合う (PHP新書)』養老 孟司著
「今、日本の政府が一番お金を出している生物学の研究は、京都大学の山中伸弥教授がやっている iPS細胞(人工多能性幹細胞)の研究でしょう。あの研究は何をやっているかというと、あえて乱暴なたとえをすれば、競走馬を育てるのと同じことをやっているんです。イネを育てたり、品種を改良したりするのとも根本は似ています。 つまり、ロケットや自動車を製造するのとは違う。世間では、農業をもっと工業化させるべきだと言う人もいますが、農業は工業化させるべきではないし、そんなことができるはずがないんです。 農業に何より求められるのは多様性だと思います。千葉の農業と東北の農業は違っていて当然であり、農業は個々でいいし、バラバラでいい。それを行政や農協が無理に一律にしようとし、まとめようとして干渉し続けてきたから、うまくいかなくなったんでしょう。」
—『日本のリアル 農業、漁業、林業、そして食卓を語り合う (PHP新書)』養老 孟司著
「政府がずっと機能していないラオスでは、まさかのときに助けてくれるのは華僑会です。マフィアもそうだと思います。マフィアっていうと悪いものだと、みんな思っているけれど、政権が安定していない社会では、地元民はしょっちゅう入れ代わるトップではなく、マフィアを頼って政府とは関係のないシステムをつくってしまうんですね。実は僕、それが今日本に足りないんじゃないかと思っているんです、正直言って。こういうことが起こったときに、政府に頼ってもしかたない。」
—『日本のリアル 農業、漁業、林業、そして食卓を語り合う (PHP新書)』養老 孟司著
「 勉強が嫌いな人ほど、独学に向いているんですよ。」
—『日本のリアル 農業、漁業、林業、そして食卓を語り合う (PHP新書)』養老 孟司著
「公共性ということで言うと、僕は山のゴミも気になっているんです。山の中の道路の脇に自動車を止められるようになっているスペースがあるでしょう。そういうところを通りかかったとき、僕は必ず車を降りて周囲を見るようにしているんですが、付近はゴミ溜めのようになっていますよね。古くなった電気製品や家具が放り込んであったりします。「ゴミを捨てるな」という看板も立っているんですが、これがまた美観を損ねる。」
—『日本のリアル 農業、漁業、林業、そして食卓を語り合う (PHP新書)』養老 孟司著
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