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Posted by ブクログ
「あきらめる」という言葉の印象が大きく変わった。
私はこれまで、「あきらめる」という言葉に対して、どこか敗北や挫折のような響きを感じていました。しかし本書で語られる「あきらめる」は違います。
それは、物事を明らかに見ること、です。
変えられないものを変えようとして苦しみ、理想の自分を追い続けて疲れ果てる。そんな生き方ではなく、今の自分や今の状況をありのままに見つめること。それが「あきらめる」ということなのだと感じました。
自分なりの幸福の物差しを持つ、という言葉。
世の中には様々な物差しがあります。出世したか。 収入は増えたか。 人から評価されているか。
しかし、そうした物差しだけで生きていると、いつまで経っても満たされない気がします。
私自身を振り返ると、幸せを感じるのは案外ささやかな時間です。
家族と食事をすること。
布団に入りながら本を読むこと。
友人と読書会をすること。
こうした時間は、世間的な成功とはあまり関係ありません。しかし、私の心の深いところを満たしてくれるのは、むしろこうした時間なのだと思います。
また、本書では何度も「脱同一化」という考え方が出てきます。
落ち込んでいる自分。 不安になっている自分。 怒っている自分。
それらと自分自身を同一視しない。
「ああ、自分の中にそういう気持ちがあるな」
と眺める。
私は仕事でも家庭でも、つい「こうあるべきだ」と考えてしまうところがあります。
しかし、そう思えば思うほど、現実とのズレに苦しむことになります。
本書を読みながら、自分自身を含めた人が、なるようにしかならない部分があるのだと改めて感じました。
だからといって投げ出すのではなく、
今できることをする、それでいいのだと思います。
本書を読み終えて思うのは、
人生の大半は思い通りにならないということです。
健康も。 仕事も。 子育ても。 人間関係も。
どうにもならないことばかりです。
それでも、本を読み、 家族と話し、 友人と語り合い、 今日できることをする。
その積み重ねが人生なのだと思います。「ま、いっか」ですね。
「もっと頑張らなければ」ではなく、「今あるものをもう少し大切にしよう」と感じています。
Posted by ブクログ
時間つぶしに立ち寄った書店で、タイトルに惹かれて手に取った本。冒頭部分にエリザベス・キューブラー・ロスの言葉が引用されていた。
「人生はあきらめであり、あきらめこそが人生である」
以前、ロスの著書を読んだ事があったので、共感を抱き、購入。
ロスだけでなく、フランクルやマズロー、「チベット死者の書」などの思想が盛り込まれている。
上手にあきらめることで、固執した思いを手放し、自らを縛りつけていたものから自由になる。
「すべてをあきらめても残るものがある。それは、魂の次元で満たされて生きること」
「私たちがこの世に生まれてきたことの意味、今こうして生きていることの意味と使命が潜んでいる」
「あきらめ」という多少突き放した言葉を使いながらも、「生きる意味」を手放さないところは、理想主義にも通じるのではないだろうか。
この種の本を読み慣れない人には、読後に重さの残る内容であるが、エピローグに記されている「汝、ありたいようにあるべし!」との言葉に救いを見出して欲しい。
Posted by ブクログ
「あきらめる」という言葉をキーワードに、生き方を語る明治大学教授の一冊。この先生の本を読んでみたかったのと、タイトルに惹かれて読んだ。生きるとは、小さな「あきらめ」を積み重ねていくこと(P3)という書き出しからはじまり、今の時代を生きる上でものすごく大事なアドバイスをもらった気がする。生き方のカウンセリングを受けているよう。「あきらめる」と言いながら、それでも生きていくという前向きなメッセージを感じる。半分はあきらめても、半分は本気で生きる。
・人生の大半を占める「どうしようもないこと」「なるようにしか、ならないこと」を少しずつ、少しずつ、じょうずにあきらめながら、心のいちばん深いところだけはしっかりと満たされた生き方をする。(P14)
・「深く満たされた人生を生きていくには、どうしても必要なこと」にだけ、こだわって、本気で生きる。(P41)
・私たち、無力な人間にできるのは、ただ1つ、「今日1日が、人生最後の日になるかもしれない―そんな思いを胸に刻んで、日々の一瞬一瞬に心を込めて生きること、だたそれだけ(P95)
・「未来の自分」のために、今この瞬間を犠牲にしている(P104)
・「大切なあの人」と過ごした「大切な思い出」―それはだれがどんなことをしても消し去れない。それが1つでもあるならば、人は自分の人生を深いところで肯定しつつ、生きていくことができる。(P144)
・「過去の願望」や「未来への空想」に逃げない。「ただ、この瞬間を、心を込めて生きること。」「いつ突然、人生の終わりが訪れても、思い残しがないように、日々を生きていくこと(P198)
なお、「まあいいか」「しょうがない」って、すぐに口にする気がするけど、それも悪くないんだなぁと思った。
Posted by ブクログ
まず、タイトルが衝撃的。電車でカバーなしで読むのは勇気がいる。そして、目次も衝撃的。「自分は明日、死ぬかもしれない」とあきらめる;「理想の自分になる」ことを、あきらめる;「子育ては、なるようにしか、ならない」と、あきらめる;「理想の結婚や恋愛はできない」と、あきらめる;「自分は、孤独死するかもしれない」と、あきらめる;「うつで苦しむのは仕方がない」と、あきらめる。
つまりは、「普通であること」をあきらめる、というのがこの本の主旨です。
私も、小さい頃から相当変わった人間で、でも、必死に人並みであるように、そして、できるだけ人並み以上であるように努力してきて、でも、ある時、「普通じゃなくていいんだ」と気付いたことが人生の転換点になりましたが、「普通じゃなくていいんだ」と思うことは、「普通じゃないことをあきらめる」ことなんだ、と改めて思いました。その心は…それは結構苦しいことだってこと。普通じゃなくていいんだ、と思うことは、普通じゃない自分を認めて、受け入れることで、本当に苦しいこと、大変なことなんだ、と。それを著者は「あきらめる」という言葉で表現しているのだと思います。面白くて、優しくて、いい本です。
Posted by ブクログ
タイトルや導入部分はただネガティブで辛くなりそうですw ですが読み進めるに、人間は本来ネガティブであり、社会もネガティブにならざるを得ない状況で、以前のようにポジティブ礼賛では生きにくくなっていることが説明されます。
そのような時代にどう生きるの?一つの指針として「上手にあきらめる」ことが書かれています。
個人的には苦しみを脇に置いて客観視する「脱同一化」というワードが参考になりました。人間は一日に六万回もの自動試思考が頭に浮かび、ネガティブな内容が多いそうです。そのときに脱同一化を習慣づけておけば、日々落ち着いた心で過ごせるのではと思いました。
Posted by ブクログ
■「人生はあきらめであり、あきらめこそが人生である」■
なるほど。シンプルだが噛むほどに味わい深い。この言葉、オリジナルはエリザベス・キューブラー・ロスのもので、著者が「喪失」を「あきらめ」に置き換えたものだ。
本書はいくつかの代表的なシチュエーションを例示する中で、がんばりすぎることの害悪、あきらめることの有用性、その考え方や方法論を説いたもので、その趣旨にとても共感できる。人生うまくいかなくてもう疲れたわ〜とか、自己啓発本はもうお腹いっぱいって人に読んでみてほしい。
ただ前半、「ふつう」に囚われることについて次のように説かれており、違和感を覚えた。
現代日本人は「ふつう教」の信者。「ふつう」という幻想に囚われて生きるから苦しい。あなたが「ふつう」と考えているものは、そんなに「ふつう」でもないですよ。現在は多様な価値観が存在するのだから、あなたの考える「ふつう」はすでに少数派ですよ。だからもう周りと比較するのはやめて早くあきらめて安心しましょう。
おそらくこの本を手に取る多くの読者は、-少なくとも僕は-そんなまやかしの答えを求めているのではない。
あきらめることができるか否かは、本質的には「ふつう」か「ふつうでない」かの問題ではないと思う。理不尽な事実、嫉妬、挫折、後悔…。頭ではあきらめ、受け入れたつもりでも、心の奥深くジメジメした場所にはそれらが毒蛇のごとくとぐろを巻いており、そいつが鎌首をもたげるたびにどうしようもなく苦しくなったり悲しくなったりするのだ。
理屈や哲学的思索だけでそれを抑え込む、あるいは見ないふりをするには限界がある。そんな時に頼るべきものは宗教やスピリチュアリティしかないのではないだろうか。実際に本書でも冒頭のキューブラー・ロスのほか、『夜と霧』のヴィクトール・フランクル、神学者の言葉や仏教の教えが随所に引用されている。そういった観点に絞った方が散漫にならずに伝わりやすいし、理屈を並べるより印象に残るのではないかと感じた。
いずれにしろ悩みや苦しみは人それぞれ。本書も人によって心に響く箇所は違うと思うが、どこかにあなたのための文章が用意されていると願っておすすめしたい。
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ビジネス・実用
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