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人と人との係わりに胸を打たれた
評判になった時には読まず、最近になって初めて読みました。作品のテーマは数学と天文学ですが、人と人との係わりを描いた小説だと感じました。
もちろん、数学や天文学に造詣があれば更に楽しめることと思います。
周囲にいる人物がみな主人公の成功を願い、祈り、力を尽くすところに胸を打たれました。主人公と相容れない立場の陣営については深く掘り下げないので、黒々とした悪意に触れることなく、気持ちよく投了することができました。
著者の作品は他に読んでいないのですが、他の傾向の作品も読んでみたいと思います。
Posted by ブクログ
本屋大賞受賞作ということで手を出したが、主人公・春海がおっとりした性格で嫌なところがなく、とても好感が持てた。
導入にて、わざわざ絵馬を見に行くことに何の意味があるのかと思いきや、絵馬の中で算術の問答が行われており、いわば算術掲示板。その存在も面白いし、それら算術自体に夢中になっている算術オタクである春海も面白い。
磯村塾の壁にも同じように問答がたくさん貼られており、そこにはどの問題にも一瞥即答する故に解答さん、解くだけで問題は出さないから解盗さん、などと呼ばれる関孝和という謎の男が存在する。
読んでいて一番好きだったのがやはり、北極出地の観測隊の中での2名の老人、62歳書道家の建部昌明と、57歳医師の伊藤重孝。
純粋に興奮する姿がとても可愛いのと、年齢を感じさせない考え方がとても良い。また、それぞれに具体的に口にできる夢があるのも羨ましい。
「星だ!」「星だ!」
いきなり二人揃って大声を出し、春海をぎょっとさせた。
確かにうっすら星がまたたいている。そして中天に北極星が見えた。
「天の開始である!象限儀を整えて読め!」建部が、びっくりするような大声で告げた。p206
「そのような人物が江河にいるとは」建部など力いっぱい拳を握りしめ、
「ぜひ弟子入りしたい」
はっきりとそう言った。なんと伊藤まで首肯している。この二人の老人にとって研鏡のためなら三十余も年下の若者に頭を垂れることなど苦でも何でもないらしい。それどころか、
「だいたいにして若い師というのは実によろしい」
「ええ、ええ。教えの途中で、ぽっくり逝かれてしまうということがありませんから」
などと喜び合うのだった。とはいえ右筆であり御典医である二人は交友関係が幕府により厳しく制限されている。二人の身分では、そうそう悲殿の土に教えを請いに行けるものではない。それでも、弟子入りしたいと思えるほどの人物が江戸にいるということ自体が喜びなのだろう。p242
Posted by ブクログ
物語りは北極出地が終わったところまで。
登場人物がどれも優しい人ばかりで温かい心で読める。主人公の渋川春海は優しくて穏やかな印象を持った。一緒に測量をした建部と伊藤も歳は離れているけど春海を対等に見ていた、何の引っかかりもなく読めた。
優しくて熱い人に弱いので、建部が亡くなった描写には思わず泣いてしまった…まだまだやりたい事もあっただろうし悔しかっただろうけど、充実した人生を送ってたんだろうなあ。伊藤も春海を気遣ってあえて言わなかったのも涙。
関孝和はどんな人物なのか、早く会えるといいね
最後に、
最近は優しい本ばかり読んでたから、江戸時代固有の単語や言葉遣いに苦戦した。読めない単語を何だったっけ…?と振り返りながら読み進めていたから、読み終わるまでに時間かかった。でも面白かった。再読したい
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