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※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 確かな住宅づくりでいま最も注目を集める建築家・堀部安嗣。全作品を自ら解説し、美しいドローイング、各種図面も完全収録。
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Posted by ブクログ
堀部さんの建築と、例えば「ぐっとこない」建築の差はなんだろうなぁと思った時に、「すっと中に入れる感じ」があるか否かという点に尽きるのかなぁと思った。「ぐっとこない」建築は、どこか空間の密度が散漫で、吉村順三のいうところの「重心」が感じられない。そうすると、そこに自分がいる時に、どこか空間と自分との間...続きを読むに「ずれ」が発生してしまって、居心地が悪いのだと思う。一方で堀部さんの部屋を見ていると、空間の密度が高くて、場が引き締まっているように思える。これが何に依拠するのかは、素人の私などでは到底詮索できようもないが、少なくともそうした空間においては、部屋と自分との間が溶けて行く感覚があるんではないだろうか、そしてそういう空間でこそ、人は「いる」ことが出来る、それを一般に「居心地が良い」というんだろうなぁ。 あとは、家っていうのは、「その人のいる世界」を示すもので、極めてアートにおける知覚変容に近い効果を及ぼせるものなんだろう -----------------以下引用---------------------------- 設計者として、表現の結果のすべては出来上がった建築の空間にあり、それを様々な人に見た貰いたいという願いはいつももっている。、、、、けれども、出来上がった建物やそこから生まれる人の営みは“自分だけ”の表現ではなく、ましてや自分だけの作品でもない。 私の仕事は指揮者ではなく、作曲者に近い 詩的で静寂を感じさせる空間。 いえ、住宅をつくるということは、これから非常に長いお付き合いをさせて頂くということですから、すぐにお仕事をお請けすることはできません。その前段階として、お互いを理解するための、いわゆるお見合いの期間を設けさせていたぢています。 それもお約束できないんですね。すぐに答えが見つかれば、比較的短期間でつくれることもありますが、その答えが見つからなければ、私はずっと探し続けます。 こんなにフワフワなスケジュール感があろうか!という呆れと、こんなに自分のプロセスに忠実な人がいるのかという感動 途中で、関係が決裂してもおかしくないような齟齬が生じた。 わかりあえる人と出会うことも稀なことだと思いますが、その関係を長く続けていくことはさらに難しい。 建築家と建主を超えて続いている関係を通して、人と人との付き合い方を学ばせてもらっている 魂のすこやかさ、、、建主や世の中に媚することなく、まっすぐに建築の本質を見つめる逞しさや潔さ、心住まいの端正さ
建築を通して、設計を通して、自分と時間と向き合い会話する。それも、恐ろしく真摯に。 そのような堀部さんの態度が想像される一冊です。
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