八月の路上に捨てる

八月の路上に捨てる

519円 (税込)

2pt

30歳の誕生日に、妻と離婚する予定の敦。暑いさなか、自動販売機に飲料缶を補充する仕事に回る車内で、同僚のシングルマザー・水城さんに、敦は結婚生活の顛末を尋ねられるまま語りはじめる…。ほんの僅かずつ掛け違っていく夫婦を描いた、第135回芥川賞受賞の表題作。ほか、働く男女の暮らしを淡々と描き出す「貝からみる風景」、妊娠中の娘が実家に戻ってきたのを機に煙草との離脱を決意した男の進行形禁煙小説「安定期つれづれ」を収録。

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八月の路上に捨てる のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    2010.08.07 A

    「八月の路上に捨てる」:表題作。敦と知恵子の関係、特に喧嘩のシーンが秀逸、リアル。
    だからお互いに欲しいのは…、のくだりが、本当に素晴らしい表現。
    水城さんみたいな人でも、また誰かと居たくなるのか、と考えさせられた。

    0
    2010年08月08日

    Posted by ブクログ

    伊藤たかみは、青春もの(学生の甘酸っぱい感じ)の小説しか読んだことがなくて、大人が主役だと、このひとはどんな物語を書くのだろうと思っていた。この本に、すごく胸をつく一文がのっていた。その一文からタイトルがきている。その一文のための小説のような気がした。主人公は紛れもなく大人。何者にでもなれると信じて

    0
    2009年10月04日

    Posted by ブクログ

     ああ、わかるなあ、ほんと、結婚生活ってこういうところあるよなあ…・・と、少しずつ、大切に文章を拾っていきながら読みました。
     初めの一つからずれて置かれた上に、積み木を積み上げていくような結婚生活。グラグラと揺れながら積み上がっていく危うさ。初めから積み直せばいいのに、もう、面倒臭くてそれも出来ず

    0
    2009年10月07日

    Posted by ブクログ

    一つの文章が短くて、読みやすい。
    凝りすぎでない印象的なフレーズも多い。
    少し切ないラストも良かった。

    0
    2022年11月01日

    Posted by ブクログ

    大きな出来事は起こらない、淡々とした日常だけれどじわじわ面白かったです。
    3篇とも、入り込み過ぎないし離れすぎないでいて絶妙でした。初めから離れている、表題作の明日離婚する夫婦は置いといて…人と暮らすのって難しいなと思いました。「何もかも本気だったのだ」、しみじみわかります。誰からも理解されなくても

    0
    2022年08月23日

    Posted by ブクログ

    表題作のほか、夫婦の関係を考えさせられる3作品が収録されています。表題作では、30歳の誕生日で離婚をすることが決まっている主人公の敦は、自動販売機の缶ジュース等を補充するアルバイトをしています。同僚の水城さんはトラックに乗って補充に回る最終日で、敦と一緒に自動販売機を回ります。敦は水城さんに、自身も

    0
    2019年09月07日

    Posted by ブクログ

    1日のなかに濃い人間ドラマが描かれてた。
    綺麗な文章だなあ。読んでる間、ストーリーの展開というより、言葉の紡ぎかたに幸せを感じました。

    0
    2017年04月02日

    Posted by ブクログ

    どこにでもある日常の些細なさざ波を、ほのぼのとした語り口で描いた作品集です。どの作品も心温まる話というわけではないのですが、文体が清々しくて読んでいて気持ちが良くなります。ほんのり口角が上がる可笑しさがあります。まるで昭和のホームドラマのようです。

    0
    2012年10月27日

    Posted by ブクログ

    離婚を目前にした結婚生活の回想、男女の関係がどうしようもなくなっていく時ってこんな感じなんだろうと思う。「旧姓の実印」という言葉の圧倒的なリアリティ!そして最後のデート。芥川受賞の表題作はとても良かった。残り二編はハッピーエンドすぎて物足りない感じもするけど、後味の良い話。いずれも女性作家の描く男性

    0
    2010年08月11日

    Posted by ブクログ

    8月下旬 芥川賞っぽい。表題作がよかった。日常がどんどんずれてくずれていく感じ。伝わってくるイライラがちゃんとこっちに迫ってきて、無駄じゃない小説な感じがした。

    0
    2009年10月04日

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