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緊急出版! 人工知能は罪を裁けるのか!?
東京地方裁判所の新人裁判官・高遠寺円は、日々の業務に忙殺されていた。公判、証人尋問、証拠や鑑定書の読み込み、判例等の抽出、判決文作成と徹夜が続く。
東京高裁総括判事の寺脇に呼び出された円は、ある任務を命じられる。中国から提供された「AI裁判官」を検証するというものだ。〈法神2〉と名付けられたその筐体に過去の裁判記録を入力する。果たして、〈法神〉が一瞬で作成した判決文は、裁判官が苦労して書き上げたものと遜色なく、判決もまた、全く同じものだった。業務の目覚ましい効率化は、全国の裁判官の福音となった。しかし円は〈法神〉の導入に懐疑的だった。周囲が絶賛すればするほどAI裁判官に対する警戒心が増す。
そんなある日、円は18歳少年が父親を刺殺した事件を担当することになる。年齢、犯行様態から判断の難しい裁判が予想された。裁判長の檜葉は、公判前に〈法神〉にシミュレートさせるという。データを入力し、出力された判決は――「死刑」。ついに、その審理が始まる。
罪は、数値化できるのか。裁判官の英知と経験はデータ化できるのか。連載、即緊急出版! 目前に迫るあり得る未来に、人間としての倫理と本質を問う法廷ミステリー。
(底本 2024年2月発売作品)
Posted by ブクログ 2024年04月05日
時代に相応しい一冊。生成AIの可能性についてはこれからもっと議論されていくだろう。特に今回の法曹の世界においては感情ではなくデータベースで判断をすることは個人的には望ましい方向性だと思いながら読み進めたわけだが。。終盤になるにつれてその想いが徐々に揺らぎ最後は覆させられた。果たしてAIに冤罪は見抜け...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年04月30日
AI裁判官に判決を任せる日もそう遠くない。
そんな風に思わせるストーリーが恐くもあり面白くもある。
冒頭は法律の話が中心で多少の読みにくさはあるものの、途中からは一気に読める。
業務効率化のためAI導入を推奨する者、全て自分の手で行おうとする者。
両者相容れない中、18歳の少年が尊属殺人で起訴される...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年04月28日
土日で一気に読んでしまった。
初めはAIもので、とっつきにくいかなと思ったが、サクサク読めました。
裁判官がこなさなければならない仕事の量は膨大な上、体力と知力を削りながらの繊細な業務である。
そんな折、日中関係に活路を見出したい外務省が内閣府と組み、中国からAI裁判官「法神2号」を導入するように...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年04月17日
単発かと思ったら、中山七里ワールドで登場人物繋がってました(高遠寺円)。でも、この本だけで楽しめる内容になってます。資料の読み込みや、判決文の作成など、裁判に至るまでに大量の業務をこなす裁判官。そこに、判例や法律書を読み込んだAI搭載のシステムが試行されることになった。開発したのは中国。開発者である...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年03月08日
中国からAI裁判官の「法神」を導入しようとする周囲に対し、懐疑的な立場で事態を見ている高遠寺円。
次第に裁判所での法神に対する支持が増えてゆくが、18才で父親殺害を犯した戸塚久志の裁判でも法神の判断が優位となってゆく。
AIによって裁判は正義を実現できるのか?人間にある情状の感情は?
AIと裁判官の...続きを読む
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