ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
7pt
ヒットラーの攻勢の前に、絶体絶命の危機に陥った斜陽の老大国イギリス。その時、彼らが指導者に選んだのは、孤高の老政治家チャーチルだった。なぜ国民はチャーチルを支持したのか。なぜチャーチルは危機に打ち克つことができたのか。波乱万丈の生涯を鮮やかな筆致で追いながら、リーダーシップの本質に迫る力作評伝。
ブラウザ試し読み
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
タイトルどおり、危機に直面したときの指導者としてチャーチルがどう振る舞ったかに焦点を絞った書籍。チャーチルの人生や戦争の経緯等は他で学んだ後に手に取ると、彼のリーダー像の理解を数段深化させてくれる一冊。 チャーチルはキャラ立ちしていて(パグ犬のような顔、やや丸まった背中、葉巻、放埒な言動等)、ワン...続きを読むマンで強硬なリーダーというイメージを抱きやすい。ただ、政治家としては中道、長い閣僚経験に裏打ちされた圧倒的実務能力、現実的な問題解決思考を有する点などを、本書は丹念に指摘する。 注目すべきは、チャーチルは「危機の指導者」(WW2の戦時内閣)として超一流であり、平時の指導者(前後の第二次内閣)としては中の上ぐらいであったという点だ。特に戦時内閣以前の閣僚時代は、失策や失言で不評を買い、不遇時代を経験している。ただしその経験値が教訓となり、戦時内閣のパフォーマンスに繋がっているから面白い。禍福は糾える縄の如し。 最後に、筆者が指摘するチャーチルを偉大な危機の指導者たらしめた三点を要約しておく。 ①コミュニケーション能力 危機に際して最初に求められるのが目的意識の明確化。不満や現実逃避に陥りがちだが、それは避けるべきだ。チャーチルは演説で、いかなるコストを払ってでも戦争に勝利すると名言し、国民の迷いを払拭し、想力を結集した。また、ドイツとの戦いを、自由、民主主義と合成、善と悪と捉えることで、国民に戦争の大義を信じ込ませることに成功した。 ②行動思考の実務主義、 器における指導者の最も重要な役割は、大きな戦略的判断を下すことだ。実際の機器においては、数百の課題が毎日指導者に決断を求める。それを処理する能力がないし、指導者は大きな戦略的判断は下せない。「即日実行」で自ら昼夜なく働き、国家組織にも戦時モードを浸透させ昼夜なく稼働させた。また軍事と政治を広い視野で統合的に指揮、行動した(独ヒトラー、米ルーズベルト、蘇スターリンもその視点での立ち回りはして(出来て)いない)。そして独裁や独善に陥らなかった点からも戦争指導の成功といえる。 ③歴史観 危機は、時として指導者の国家観そのものを試す。洗濯を迫られたときに、国家のあり方と国民についてどれだけ理解を持ち、決断を下すかと言う問題だ。チャーチルは、現実的解決策を模索する一方、歴史にも啓示を求める。チェンバレンが融和政策を勧め、ハリファックスがヒトラーとの講和の糸口を模索しようとする時、彼らの念頭に浮かぶのは、WW1の悪夢と大恐慌の窮状に倦んだ国民の顔だった。しかしチャーチルはドレイク、ジョン・チャーチル、ネルソン、ウェリントン9帝国の栄光を築いた先人を思い浮かべた。イギリス人の愛国心の起源は、大陸から迫りくる旧教勢力の脅威に対抗して信仰を守り抜こうとする決意に求められる。そして、彼らの心の中には、そうした戦いを通じ、自ら選ばれた民族であると言う、心の平安が芽生えたとする。WW2初期にチャーチルが頼りにしたのは、こうした歴史に裏打ちされたイギリス人の狂人差だ。彼の歴史への信頼は、究極的には国民への信頼だった。ドイツ降伏の日、チャーチルは群衆に向かい「神の祝福。これはあなた方の勝利です」と叫んだ。チャーチルの信頼に、国民もよく応えた。 本書を読むと、WW2における連合国の勝利は薄氷を踏むものだったということがよくわかる。チャーチルが首相になり徹底抗戦しなければ、ヨーロッパ大陸は今頃EUではなくナチスが統治していたことも十分にあり得る。フランス降伏後、ナチスドイツからのイギリスへの講和案は、イギリスにとってはある意味合理的で現実的だからだ。チャーチルの③歴史観からくる徹底抗戦の決断がなければ、おそらく講和していたと想像する。結果的にそれが人類の幸福/不幸に繋がったかは不明だが。 感想としてまとまりがないが、なんとも歴史のダイナミズムと面白さを教えてくれる良書だった。
意思の人
政治家に必要な能力には、先見性 教養 知性 交渉力 人間性 など多くの要素があるが、その中でもとりわけ重要なの要素が「継続する意思」だと思う。この不屈の意思こそがその他の要素では取り立てて優れていたわけではないチャーチルを救国の英雄とした。
[彗星のごときパグ]第二次世界大戦時、類い稀なるリーダーシップをふるい、英国を滅亡の淵から救った立役者、ウィンストン・チャーチル。英国政治の異端とされた男が、危機においてどう考えどう振る舞ったのかを丁寧にたどるとともに、危機において求められるリーダー像を考えていく作品です。著者は、外交官として英国に...続きを読む赴任された経験も持つ冨田浩司。 誰でも名前だけは知っているチャーチルですが、政治家だけでなく軍人、そして作家としての側面も丹念に記述がなされており、入門的一冊としてピッタリ。また、人生の大半を英国政治の中枢において過ごしているため、チャーチルを軸とした英国近現代史としても読むことができます。あまり紹介されないチャーチルの家庭人としての側面(必ずしも幸せ一色ではなかったようですが...)を知ることができたのも収穫でした。 時と場合によって求められる指導者像というのはずいぶんと異なると思うのですが、あの「強烈」な時代においてはチャーチルぐらいの「強烈」な人間でなければ一国を率いることはできなかったのかもしれません。そういった意味ではチャーチルの首相就任はいわば「天の采配」によると言えるのかもしれませんが、その采配をたぐり寄せられるだけの柔軟性をもった英国政治というものにも興味が尽きませんでした。 〜ノルウェー討議からチャーチルの首相就任までのプロセスは、国家存亡の危機において最も相応しい指導者を選び出す能力を備えていたという意味で、英国の政治制度の強靭さを示している。しかし、制度を動かすのは、詰まるところ時々の人間の判断であることも忘れるべきではない。〜 やっぱりイギリスに行きたいな☆5つ
ルーズベルト、スターリンと並ぶ大日本帝国の仇敵の1人、チャーチルの伝記。まさに戦争指導のために生まれてきた(と本人が思い込んでいた)政治家の存在によって、崩壊の危機スレスレにあった大英帝国が生き長らえさせされたのは間違いない。 日本が対英米蘭に宣戦布告し、結果として米国の対ドイツ戦を可能とならしめ...続きを読むた際の「結局のところ我々は勝ったのだ。」という言葉は、日本人としては痛烈な皮肉として受け止めざるを得ない。 最近出版された本なのではあるが、別に3.11や、その他国内情勢にムリヤリこじつけることもなく、かなり客観性を意識して、事実を書き連ねた内容や構成にはかなり好感を感じた。 そして何より専門の作家や研究者ではなく、一外務官僚がこのような文章を書いて本を出版した、という事に意外さを感じつつも、ああ日本の官僚にも優秀な人はやっぱいるんだな、と感じることができた。それが一番の収穫だったかも。
学問的に先進的な書ではないが、一般読者向けにチャーチルの人間性に焦点を当てており読みやすい。演説や先行研究者によるチャーチル評をふんだんに盛り込んでいる点も親切。 日本には危機の時代に耐えうる指導者がいるだろうか?リーダーシップの本質は「他の誰よりもうまくやれるという確信を持つこと」であるという。リ...続きを読むーダーシップのスタイルには様々なものがあろうが、これは不可欠だと思う。
駐英経験豊富な外交官である著者が、執筆当時の最新の研究成果も踏まえながら、第二次世界大戦時の英国を指導したチャーチルの多面的な人物像を紹介。 時系列でチャーチルの足跡をたどるのではなく、政治指導者としてのチャーチルを理解するためのいくつかの切り口を特定し、掘り下げた考察を加えるというスタイルを採用し...続きを読むている。具体的には、青年期、政治信条、家庭といった指導者としての人格を形づくった要素を吟味した上で、第一次大戦中、戦間期、第二次大戦中のそれぞれの時期において、チャーチルがどのように実際の危機に取り組んだかを詳述し、最後に危機における政治指導者の在り方について著者の考察を示している。 名前だけは知っているという程度だったチャーチルについて、その人生の大まかな流れが把握できたとともに、チャーチルのある面で傑出した人物像がよく理解できた。 特に、チャーチルの若い頃からの野心とエネルギー、自身に対する揺るぎない信頼は、他人から見たらいかがなものかと思う面もあったとは思うが、危機に直面する政治指導者としてはこの上ない特質だったように思うし、率直にすごいなと感じた。 また、著者がチャーチルの政治観として指摘している、歴史観の重視、問題解決型、中庸の追求という3点は、自分としても政治指導者の在り方として共感するところ大である。 そして、著者がチャーチルから学ぶことができる危機の指導者に求められる資質として提示する、(国民に対する)コミュニケーション能力、行動志向の実務主義(「即日実行」の精神)、歴史観という3点についても、もっともな指摘だと思った。
非常に丁寧に調べて分析し、自分なりの解釈を根拠付で示してまとめた良書。自分勝手で貪欲な若い頃のチャーチルには共感できないが、有事における行動力と決断力、リーダーシップは目を見張るものがあった。
首相を辞める時のチャーチルが、ロールスロイスで宮殿に向かい、妻の運転する大衆車で帰る所にイギリスの民主主義を感じた。また、戦時体制が、配給による福祉を充実させたと知らなかった。戦時でも議会政治を貫いた、英国は、素晴らしい。
リーダシップとは何か。この問題意識から読んでみた。 二つわかったことがある。まず、置かれている状況によって取るべきリーダシップは異なること。危機時期には大きな成果を出したチャーチルだったが終戦後は結果を出せなかった。 もう一つは成果を出せるのは自分だという確信。見方によっては自惚れや傲慢にもなる...続きを読むが、自分以外の誰がやるという気概なしでは事は成せない。 イギリスという切り口でサッチャー、チャーチルと同時期に成果を出したマーシャルについても関心を持った。
■題名がとても魅力的だ。しかし、内容はチャーチルの一生プラス指導者像だ。 ■チャーチルのリーダーシップを理解したいのであれば、第7章と最終章だけ読めば十分だ。 ■しかし、この2つの章は繰り返し読むと味わいが出るところだと思う。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
危機の指導者 チャーチル
新刊情報をお知らせします。
冨田浩司
フォロー機能について
「新潮選書」の最新刊一覧へ
「学術・語学」無料一覧へ
「学術・語学」ランキングの一覧へ
マーガレット・サッチャー―政治を変えた「鉄の女」―(新潮選書)
「冨田浩司」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲危機の指導者 チャーチル ページトップヘ