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「世界がじわじわと雑貨化している気がする。これは豊かになって物の種類が増えたから、ってだけじゃない。それまでは雑貨とみなされてなかった物が、つぎつぎと雑貨に鞍がえしているせいなのだ」 ひとりで雑貨店を営む著者は、この社会のあらゆる事物を手がかりに「雑貨とは何か」を帳場で考えた。雑貨、消費社会、店の経営、人生についての、とても面白いエッセイ。
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Posted by ブクログ
西荻窪の雑貨店主の目を通して、加速度的に〈雑貨化〉していく世界を考えるエッセイ集。 「雑貨とは何か」という定義をめぐる話が本書の9割と言ってもいい。雑貨とは、そもそもひとつひとつ固有の専門性を持つ「道具」のカテゴリーからはみだしてしまった「その他」の物たちを指す言葉だったはずだと著者は言う。専門...続きを読む性からはみだすとはどういうことかというと、たとえばあるガジェットの技術開発が一旦頭打ちになったとき、スペック的には似たり寄ったりのものをデザインや広告イメージで選別するようになる。こんな風に表層上の微妙な違いでどっちが良いとか悪いとか評価されるもの、それが〈雑貨〉だと三品さんは定義するのである。この定義だとiMacとかほとんど雑貨なわけだが、三品さんの肌感的にも世紀末ごろから〈世界の雑貨化〉が急速に進んでいるということらしい。 文化屋雑貨店の先進性や、そのフォロワーである大中・宇宙百貨・ビレッジバンガード(本の雑貨化を進めた大きな要因でもある)の功罪も語られているが、そもそも「キッチュ」や「キャンプ」は「上質なものとは何か」という基準をまだ上から下までの人がぼんやりとでも共有できていた時代のものであって、20世紀で死に絶えているという気がする。マガジンハウスの雑誌が雑貨のイメージを創り上げ、欲望を牽引してきた雑貨史観の話も面白かった。90年代カルチャーの体験記としても読んで楽しい本だと思う。 個人的なエピソードを綴ったものも面白く、店を開く前の若いころの話が印象深い。小さなお店を開いてはいくつも潰してきたお父さんの思い出。求道者のようにレゴを極めた幼友達との別れと再会(まるで『エドウィン・マルハウス』みたいな読みごたえ)。大塚製薬「ホットポー」の記憶。川村結花が歌うホットポーのCMソングの歌詞をメールにしたためる場面に差し掛かって、ポップソングって雑貨だなと思った。 雑貨屋のあるじだからすべてが雑貨に見えてくるのか、それとも本当に世界は雑貨化しているのか。妥当だと思う人も、「お前が何もかも雑貨に含めているだけだろう」と言う人もいるだろう。だが、本書を読んで、〈雑貨〉というあらゆるものを飲み込むフレームを一度意識してしまったら、世界の見え方はじわじわと変わってきてしまう。そんな気がする。
雑貨屋さんの店主によるエッセイ集。前半は著者のお店についてのあれこれ。後半には若い頃の記憶を振り返る文章が並んでいて、俄然読み応えが増します。『最後のレゴたちの国で』は雑貨屋さんならではの青春グラフィティ。
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