楽園の犬

楽園の犬

1,980円 (税込)

9pt

1940年、太平洋戦争勃発直前の南洋サイパン。日本と各国が水面下でぶつかり合う地に、横浜で英語教師をしていた麻田健吾が降り立つ。表向きは、南洋庁サイパン支庁庶務係として。だが彼は日本海軍のスパイという密命を帯びていた。日本による南洋群島の支配は1914年にさかのぼるが、海軍の唱える南進論が「国策の基準」として日本の外交方針となったのは1936年だった。その後、一般国民の間でも南進論が浸透していった。この地にはあらゆる種類のスパイが跋扈し、日本と他国との開戦に備え、海軍の前線基地となるサイパンで情報収集に励んでいた。麻田は、沖縄から移住してきた漁師が自殺した真相を探ることをきっかけに、南洋群島の闇に踏み込んでいく……。時代が大きなうねりを見せる中、個人はどこまで自分の考えを持つことができるのか? そして、どこまで自らの意思を通すことができるのか? 南洋の地を舞台にした壮大な物語がここに――。

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楽園の犬 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    鬼★5 人間としての魂の叫びに痺れる… 開戦間近、占領下サイパン島でスパイになった教師 #楽園の犬

    ■あらすじ
    1940年、アメリカとの開戦間近の日本。英語教師として生業を得ていた主人公の麻田だったが、喘息のため休職中であった。家族を養うため日本占領下サイパン島での役人の仕事を得るも、日本海軍の堂

    1
    2023年10月13日

    Posted by ブクログ

    ──「死は、死でしかない。」
    許容される死も、許容されない死もない。
    どんな言葉で飾り立てようと同じことだ。──


    時は1940年、太平洋戦争勃発直前。
    主人公の麻田は日本海軍のスパイとして、サイパンへ渡る。
    横浜には、妻と幼い息子を残してきた。
    麻田は、海軍士官の堂本少佐の元で“犬”となるのだが

    0
    2024年02月06日

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     馴染みのある苗字の作家というだけで応援している岩井圭也氏。前回の「完全なる白銀」は自分の好きなジャンルである山岳小説ということで読んだが、今回はどんな小説なのか。題は「楽園の犬」。ハチ公か、などと想像を膨らましてみたが、いい意味で裏切られた。楽園とはサイパンのこと。昭和15年からの話なので、どんな

    0
    2024年01月27日

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    太平洋戦争が勃発する直前、南洋サイパン島を舞台にスパイ活動という密命を帯びた主人公の活躍や生き方に焦点を当てながら、軍人や島民の姿、南洋社会の様子などを描いたスケール感あふれる長編小説。
    主人公・麻田健吾は東京帝国大学を卒業して英語教師になったが、持病の喘息が悪化し、休職中に旧友から別の就職先を提案

    0
    2024年01月21日

    Posted by ブクログ

    第二次大戦前,サイパンを舞台に海軍のスパイとして生きることになった喘息の持病のある麻田,防諜の中で自殺や殺人事件の謎を解く.戦争へと突入する中で家族を思い生きることを諦めないその姿勢に心打たれる.

    0
    2024年01月04日

    Posted by ブクログ

    「君は米英と開戦すべきだと思うか?」
    上官からの問い。
    少しの誤解や判断ミスが命取りになる時代、
    国を盲信するしかなかった時代に、
    開戦を避けるために行動することはどれだけ難しかっただろう。
    未来のために読んで欲しい作品です。

    0
    2023年12月20日

    Posted by ブクログ

    なんだこれは。
    何がそうさせるのか言葉にできないが、空気が伝わってくる。冷たさ、熱さ、速さ、早さ、遅さ、震え、静けさ、騒がしさ、虚しさ。引き込まれ続けて、「ああそうだ、死とは…」と思いに耽る。
    久々にあたった。ありがとう芝さん。

    0
    2023年12月18日

    Posted by ブクログ

    主人公の麻田健吾は、東京帝国大学を卒業した後に英語教師として従事していたが、重度の喘息持ちのために度々休職を強いられていた。
そんな麻田に、旧友が転地療養を兼ねて南洋庁サイパン支庁への転職を勧められ、愛する妻と可愛い息子を横浜に残して単身で赴任することを決める。
    この地には真紅の花を咲かせる鳳凰木が

    0
    2023年11月05日

    Posted by ブクログ

    『楽園の犬』とは反戦の物語だ!
    「戦争」という大義によって軽んじられる「いのち」を守るために「戦争」と戦う物語だ!


    はい、先日読んだ『文身』が超面白かった岩井圭也さん
    次は何を読もうかな?と思っていたら新作が借りられたので読んでみることにしました
    秋さんも推してたし(重要)

    物語は太平洋戦争勃

    0
    2023年10月21日

    Posted by ブクログ

    生きることを諦めない。

    一介の英語教師であった麻田は、家族を養うために単身、サイパンでの役所仕事兼防諜業務に従事する決意をする。
    いつか家族と再会できることを希望にして、難しい業務をこなしていく。
    だが、一度スパイとして働いたが最後、その運命からは逃れられない…。

    日本がアメリカと開戦し、敗戦の

    0
    2023年08月26日

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