マリエ

マリエ

1,800円 (税込)

9pt

私の幸も不幸も、私が決める。そう、決めた
40歳目前に離婚した桐原まりえは、寂しさよりも清々しさを感じていた。新直木賞作家が描く、おとなの女性の幸福と結婚を巡る物語。

『マリエ』は、『しろがねの葉』で第168回直木賞を受賞されたのが記憶に新しい千早茜さんの最新長篇です。
物語は、主人公の「桐原まりえ」が40歳を目前に離婚したところから始まります。離婚理由には納得がいかないものの、もう誰にも属していない、という軽やかさを感じているまりえ。すべて自分の自由にできる生活が一番大事でそれを危うくする欲望、たとえば恋愛などに呑み込まれたくはない。でも、なにか不安で、なにか取りこぼしている気も……。
ひょんなことで懐いてきた由井君のことは好ましいのだが、折に触れ、7つの歳の差を感じるばかり。そんな折、些細なきっかけと少しの興味から、まりえは結婚相談所に登録します。そこで彼女は、切実な「現実」や結婚に対する思いもよらない価値観を次々と突きつけられるのです。

千早さんは本作を、「生き方」の小説、と話されます。その言葉通り、これまでの千早作品のなかでもっとも著者に近いと言える主人公が、等身大で挑む日常の「冒険」には抜群のリアリティがあります。無防備に新しいことに飛び込んでいける年齢を過ぎて、仕事も落ち着き、結婚生活もリセットされ、コロナ禍に価値観を揺さぶられ……そんな「今」の生き方を問う意欲作です。
考え続けるまりえの軌跡を共に歩めば、きっと、「自分が今後の人生に求める幸せ」の輪郭が見えてくることでしょう。

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マリエ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    すごく好きだった。
    主人公と同世代で会社での立場も近かったりするからか、近しい女友達の話を聞いてるみたいに、するする自分のなかに入ってくる物語だった。

    そして千早さんと言えばお料理!
    お料理の描写にいつも食欲を刺激される。わたしも小麦粉料理を作ってみたい。

    0
    2024年05月20日

    Posted by ブクログ

    好きな世界観、セリフ、登場人物
    だけど、マリエが婚活する意味が分からなかった。
    由井くんに全身で恋愛をしているはずなのに本音を曝け出せないから?結婚をどこかで求めている気持ちがあるからか。

    香りはどれほど時を経てもその時の記憶を思い出させますね
    ラストで電話をかけた相手は…?
    由井くんとは同士に思

    0
    2024年05月06日

    Posted by ブクログ

    一気に読んでしまった
    描かれている日常がかなり日常に近い現実味のあるお話で友人たちの会話を聞いているような感覚だった

    コロナ禍.40歳を目前に離婚した桐原まりえは新たな生き方を模索し始める
    離婚って失敗なの?
    恋愛と結婚は別なの?
    女性が感じる男性との不公平感や見下される感覚、好きだった人の嫌いな

    0
    2024年04月27日

    Posted by ブクログ

     森崎から切り出された離婚に応じたマリエの気持ちを想像しながら読む。新しい住居を構え、自分の時間を満喫する様子には余裕が感じられ、引きずったりしないものなのだなと思った。しかし、マリエが由井君と過ごしたり婚活したりする中で、自らの恋愛や結婚について改めて考える心の内には、揺れを感じた。それは、寂しい

    0
    2024年04月21日

    Posted by ブクログ

    主人公が素敵!こんな大人になりたい!普段意識していない所で小さな差別があったなんて気づかなかった。千早さんの小説も今後読んでみようかな

    0
    2024年05月01日

    Posted by ブクログ

    離婚から始まる物語。恋愛、婚活、親、病気、生活。同年代女性の心情がめちゃくちゃリアルに書かれてて一気読み。同年代の女性におすすめしたい。
    マキさんが最高すぎる。マキさんみたいな年上のお友達が欲しい。

    0
    2024年05月23日

    Posted by ブクログ

    わるたべシリーズから千早茜さんを知った私からしたら、食べ物の描写が素敵でたまらなかったです。すぐにでも小麦粉を手に入れたい気持ちになったけれど、作るとなると難しいんだろうな。観月台先輩やマキさんのような存在が私も欲しい。

    0
    2024年05月13日

    Posted by ブクログ

    千早茜さんの本、やっぱり好き。
    普通に恋愛結婚してたけど、相手からの求めに応じて離婚するところから話は始まる。

    自分はこのまま生活が続くと思っていたのに、離婚話を進めていたある日、彼の匂いに拒否反応が出て、自分の中では終わった人なのだと気づいたところが、頭でわかるよりも早く、体がわかっていたのだろ

    0
    2024年05月12日

    Posted by ブクログ

    結婚について
    きゅんきゅんとする場面あり!!
    比較するのは違うかもしれないけど個人的に、傲慢と善良よりこの本のが好き

    0
    2024年04月25日

    Posted by ブクログ

    面白かった!千早さんの文章はスッと心に入ってきて本当に好き、、

    まずページを開くと章題が全て3つの言葉で成されていて、新鮮でワクワクした!

    マリエさんが離婚して、一人暮らしをはじめて、小麦粉料理を作ったり、自立してひとりの暮らしを楽しんでいるかっこいい姿も良かったけど
    意外と新しい若い恋人にどっ

    0
    2024年04月24日

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