蒼天の鳥

蒼天の鳥

1,826円 (税込)

9pt

第69回江戸川乱歩賞受賞作。

歴史に埋もれた鳥たちが、いま羽ばたく。

大正十三(1924)年七月、鳥取県鳥取市──。
主人公の田中古代子は、女性の地位向上を目指し「新しい女」の潮流を訴える女流作家である。本格的に作家として活動するため、娘の千鳥と内縁の夫・涌島義博の三人で、鳥取から東京に引っ越しをする予定を立てていた。移住直前のある日、古代子は千鳥と共に、活動写真「兇賊ジゴマ」を観るために鳥取市内の劇場「鳥取座」に向かう。ところが観劇中、場内で火事が発生。取り残された古代子と千鳥が目にしたのは、煙につつまれる舞台上に立つ「本物」の「兇賊ジゴマ」であった。逃げようとする二人の目の前で、ジゴマはひとりの男を刺殺し、逃亡する。命からがら鳥取県気高郡浜村の自宅に逃げ帰った古代子と千鳥であったが、一息つく暇もなく、再び謎の人物に襲われるのだった。
果たしてこの世の中に、本物のジゴマなどいるものだろうか……? 謎は思いがけない事態へと発展していく。
鳥取出身の実在の作家・田中古代子をモデルに、友人の女流作家・尾崎翠や鳥取に流れてきた過激アナキスト集団「露亜党」、関東大震災など、大正期を鮮やかに描く歴史活劇ミステリー!

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蒼天の鳥 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    江戸川乱歩賞受賞作。「ためし読み」で隣県の鳥取が舞台と知り手に取った。時折りgoogle mapを参照しながら読み進めた。
    おもしろかった。
    終章まで、主要な登場人物が実在する人だと知らなかった。尾崎翠ってもしやと思って調べると何と、いた。田中古代子も娘も旦那も時代と結びつく人だった。名探偵の娘千鳥

    0
    2024年01月08日

    Posted by ブクログ

    素晴らしい書籍に出会えたものだ。大正時代の情景表現もよく父が話してた事と重なっていて思い出してしまった。登場人物も実在する名前が出てくるしその上ミステリーときたもんだ。謎解きも興味津々で最後まで読者を惹きつけて離さない!

    0
    2023年11月06日

    Posted by ブクログ

    令和5年の江戸川乱歩賞受賞作品です。

    ミステリー小説というより、大正期を舞台にした
    時代小説を読んでいるようでした。

    そう、舞台は大正時代です。場所は山陰の鳥取。

    しかも登場人物は実在したようでして、そこは
    歴史小説でもあるのかな。

    与謝野晶子や平塚らいてうを筆頭に「表現する」
    「発信する」

    0
    2023年10月22日

    Posted by ブクログ

    読み始めは大正浪漫あふれる女流作家のお話かと思いきやだんだんとスリル満点の事件が起きるそして解決したと思ったが意外ない結末に読む手が止まらず近年稀に見る傑作の乱歩賞でした。

    0
    2023年07月26日

    Posted by ブクログ

    江戸川乱歩賞受賞作。大正時代の女流作家・田中古代子は「兇賊ジゴマ」の活動写真を見に行った最中の殺人を目撃し、自らも命を狙われることになる。社会革命運動が活発な時代、不穏な輩が活動する中で身を護るために、彼女は利発な娘や内縁の夫とともに危難に立ち向かうことにする。息もつかせぬ展開の活劇ミステリです。

    0
    2023年10月15日

    Posted by ブクログ

    江戸川乱歩賞受賞の作家さん。
    大正期の鳥取の小さな村を舞台に実在の作家達をモデルにしたミステリー。
    鳥取座での活劇もどきの始まりからぐいぐい引っ張られてあっと言う間に読み終えた。ミステリーと言うより物語性が強めだったが当時の生活感、世情がとてもリアルだったので、この事件さえ実録物ではないかと思った程

    0
    2023年10月10日

    Posted by ブクログ

    第69回江戸川乱歩賞受賞作。何故に大正時代、何故に舞台が鳥取?と思ったが主人公が実在の人物でそのバックボーンも全部盛り込んだのだからしょうがない。
    ストーリーやミステリー的な要素も受賞作にしてはどうかな~と思ったが、何度も言いますが、実在の人物そのままを史実的な事も織り込んでのフィクションなのだから

    0
    2023年10月09日

    Posted by ブクログ

    第69回江戸川乱歩賞受賞作。
    作者の三上幸四郎は脚本家。

    大正時代の鳥取を舞台に、実在した女流作家と夭逝した文人田中千鳥が巻き込まれる騒動。
    何重にも仕掛けられた伏線の上を、ドラマが駆け回る。
    ドラマらしく、ちゃんと色もある。
    これは映画か2時間ドラマで観たい大活劇であった。

    0
    2024年02月09日

    Posted by ブクログ

    鳥取市が舞台ということで、同じ山陰に暮らす者として、まして先日も訪ねたばかりなので街並みを頭に浮かべつつ読んだ。田中古代子は実在したようだけれど、これまで知らなかった。なかなか先鋭的な人物ではありませんか。結局、夫の涌島義博とともにアナキストということでよろしいですか?これ、ミステリー的にはどれほど

    0
    2023年12月27日

    Posted by ブクログ

    大正時代の実在の人物をモデルにした話なのだが、その実在の人物を全然知らないので、さほど興味を引かれなかった。時代は大正だが、文章も大正ぽくて、私はそこが苦手かな。まあ、それなりのミステリーかな

    0
    2023年11月12日

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