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Posted by ブクログ 2017年05月07日
あとがき、ことに、引用されたボードレールのことば、「あらゆる模様のうちでアラベスクはもっとも観念的なものだ」という一節が、テーマにも似て十二篇の物語を貫いているように思う。しかし、どの物語も、性行為との縁・無縁はおいて非常にエロティックであるように、私には感じられた。また、『遠隔操作』では、自分との...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月04日
読み応えバッチリですが、短いお話ばかりなので、文庫版になったことだし、鞄に入れて電車で読んだりできますな。
幻想譚でもありながら、蘊蓄エッセイにもすり替わる、硬くて軽妙な、極上の逸品でしょう。
氏の作品は、単行本時の装丁に秀逸・美麗なものが多いのですが、本書もまたそうで、函入り布張りの唐草物語は、込...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年08月14日
好きです(唐突)
こんなにすばらしい、読んでいくうちにどんどん楽しくなって微笑ましくなる澁澤文学はやはり偉大です。『鳥と少女』からもうずっと澁澤さんの独壇場。私たちは彼の魔手によって翻弄されながらも、ときおり覗かせるほっこりエピソードでばっちり心を鷲掴み、読むのをとめることができません(笑)。
個...続きを読む
Posted by ブクログ 2010年09月06日
短編集。
フィレンツェの変わり者の絵描き、ペルシアを征服するティムールと詩人の会話、鬼の使わした美女に惑わされる中納言、火山に魅せられて命を落としたローマの火山学者プリニウス……等々、歴史上の人物について遺されたエピソードをもとに、想像の翼を広げてつづられた一冊。
興味深く、幻惑されるような...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月04日
全編、再編集の賜物である。故事、書物、国を問わず、時代を問わず、盛り込まれた様々な物語を再編集し、ひとつの形にする。
考えてみれば、その手法が現代においては加速しつつ、形骸化に向かっている。澁澤龍彦の場合はしっかり物語の根っこ、背景までも判った上での引用であるのに対し、昨今見かける引用は浅薄なものの...続きを読む
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