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「積極的な人」、「大人しい人」、「怒りやすい人」、「泣きやすい人」、「せっかちな人」、「のんきな人」など、人間一人一人が独特の性格や行動パターンを持っているのと同じように、ひとつひとつの統計も、「上振れしやすい統計」、「下振れしやすい統計」、「変動の大きい統計」、「変動の小さい統計」など、独特のクセや動きのパターンを持っているのだ。具体的事例で統計センスを身につける本。【光文社新書】
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Posted by ブクログ
経済統計や平均寿命など、サンプリングや調査の前提条件に思いを巡らすと、確かに様々な制約が課され、その結果実態と多少なりとも乖離してしまうことが起こるということを気に留めておきたい。
新聞やテレビ、インターネットで発表される数字が必ずしも真実を反映したものだとは限らない。それが意図的であるにせよないにせよ、歪んだ意味を持って我々に送られてくることがある。 本書では様々な統計データがどのような癖をもっていて、そのために真実とどのように違った結論が出てしまうのか、実例を豊富に挙げて説...続きを読む明されている。 発行が2006年とやや古く、内容が現在の社会と必ずしも一致していないが、数字との付き合い方を考える上で非常に参考になった。
合計特殊出生率は、晩婚化と高齢出産化が進んでいる状態では、低くブレる。 有効求人倍率は、求人方法の多様化で、上振れしやすい。 刑務所の過剰収容は、高齢者障害者のホームレス化が原因。 検挙率の低下は、受理数の増加も原因。 年末商戦には消費の平準化で下方バイアスがかかっている。 経済効果は新規...続きを読む需要に生産誘発額の二次的液状までを足す。産業連関表を使う。 産業連関表の限界。在庫があるため経済連関がストップしてしまう現象を把握できない。 シンクタンクの調査部は、金融機関の広告塔。名前をたくさん出すことに意味があるので、一般ウケしやすい経済効果が発表される。プラスの経済効果のみ強調されやすい。おもしろ経済効果を発表しているシンクタンクは信用しない。 DI=景気動向指数=先行・一致・遅行、それぞれいくつの指標が上昇しているか、の割合。100%でもほとんど変わらない場合がある。どちらの方向にあるか、はわかる。 CI=景気総合指数=景気の絶対水準がわかる。CIは景気の波と同じ動きをしている。ただし、製造業関連の指標が高い。製造業の生産とほぼ同一の動きをする。 世界の経常収支の合計は常に赤字。支払い利子を報告する一方で、受け取り利子を計算していないのではないか。 消費者物価指数(CPI)=毎月発表。 企業物価指数(CGPI)=サービス価格は含まれない 企業向けサービス価格指数=CGPIの補完 GDPデフレーター=名目GDPを実質GDPで割ることで求められる。包括的な指標だが、発表が遅い。4半期毎。 CPIには上方バイアスがある=代替バイアス、ラスパイレス型(基準時点の数量ウエイトのまま比べる)対パーシェ型(GDPデフレーター)(測定時点の数量ウエイトで比べる)=下方バイアスがある。フィッシャー型=ラスパイレス型とパーシェ型を幾何平均したもの。 中国の各地区のGDPを足すと、全体よりも大きくなる。GDPは、かなりアバウトな数字。 GDPの精度は、国が発展すると高くなる。 GDPよりも電力消費量の推移が当てになる。 裏経済=GDPに反映されない=犯罪と脱税 一定規模の地下経済があることを意識する。ときには経済全体に無視できない影響を及ぼす。無視すると景気判断を謝る。今後は肥大化する傾向にある。
普通に暮らしているだけでは気付くことのない、統計数字をそのまま鵜呑みにしてしまう間違いに気付くことができました。
交通事故死亡者数は、ここ10年間で4割も減っている。なぜだろう。警察が努力したから? ドライバーが気をつけるようになったから? いやいや真実は意外なところにあった。警察庁の定義による交通事故死亡者数は、事故が発生してから24時間以内に死亡したケースのみをカウントする。救命医療の進歩によって少しでも...続きを読む延命できれば、最終的には死亡しても「交通事故死亡者数」は減る計算になるのだという。 また、少子化はほんとうに急速に進んでいるのか?という疑問もおもしろかった。少子化の指標として、よく引き合いに出されるのが合計特殊出生率。15歳から49歳までの期間について、一人の女性が何人の子供を産むかを計算した数字である。これを真っ正直に算出しようと思うと34年間かかるので、実際のところは年齢別に出生率を掛け合わせるという工夫をしている。 ここで、晩婚化・高齢出産化が進んでいる社会を考えてみよう。それまで全員20歳で結婚・出産した女性が、ある世代以降全員30歳で結婚・出産するようになったとする。この場合、あるタイミングでは「すでに出産を終えてしまった女性と、これからする女性ばかり」という期間が存在することになる。つまり、晩婚化が進んでいる社会では、合計特殊出生率は実際に比べて低めに数字が現れる傾向がある。反対に、早婚化が進んでいる場合は高ぶれする。 本書はこういった意外な「統計数字」のクセやパターンを解読することで、隠れていた真相を浮かび上がらせる。「統計を疑え」というスタンスの、いわゆる「リサーチ・リテラシー」についての本は、たとえば『「社会調査」のウソ』(谷岡一郎/文春新書)がすぐに思い浮かぶ。本書がちょっと違うのは、統計としての条件を満たしていないゴミ・クズ統計や、ひきょくさい統計数字の使い方を批判するというのではなく、よく引用されるメジャーな統計にもそれぞれの個性があり、見方があるのだという点だろうか。 第1章は平均貯蓄残高1728万円という数字がいかに「実感」からかけ離れているかという話から、「平均」の裏側を解説してくれていている。 第2章は、犯罪統計や有効求人倍率、所得格差、などを題材にしながら「みせかけの相関」の解説。 第3章は、「経済効果」について。景気がいい話のほうがマスコミに取り上げられやすいので、どうしても数字は上ぶれする。さらにたとえば「愛知万博」のおかげで中部圏のほかの遊園地で閑古鳥が鳴いたとしても、そういったマイナスは計上されない。 第4章はGDPをはじめとした経済統計について、第5章は地下経済について。ここらへんはちっと「実感」と照らし合わせるのが難しい話も盛り込んであるか。前の章になるほどネタもおいしいしとっつきやすいというのは、読者が見えているというか、よくコントロールが効いているということなのだと思う。 うーん。「どっちが先か」と聞かれたら『「社会調査」のウソ』からと答えるけど、「統計そのもの」の横顔が見えるという点で、これはこれでおもろい本。
「バレンタインデーやホワイトデー、ひな祭り、五月の節句、父の日、母の日、クリスマスなどは、毎年必ず訪れるイベントであるから、経済効果など全く発生していない。」 統計の数字を読むときに、その統計のもつくせを意識しよう、という本。統計をそこそこ勉強している者には特に面白いと思われる。少々かじっただけだ...続きを読むと、あまり興味がないかもしれない。地下経済の話が最終章であり、それがGDPに与える影響については、なるほどー、と思った。
東証株価、合計特殊出生率、豊かさ指標、・・・・。卑近な統計に隠されたバイアス、クセ、謎をわかりやすく解説。短い文章でコンパクトにまとめられている。地下経済の存在、意外と出鱈目な各国のGDP数値、統計のバイアスを見誤った日銀。などなど、意外な事実に驚かされた。
経済統計の実感とズレる理由として ①平均の出し方の問題 ②通説がみせかけの相関が使われていること ③経済効果の出し方の問題点 ④外国の統計デ-タが当てにならないこと ⑤無視できない地下経済の5点をあげている。
統計学を始めたばかりという人,研究・ビジネスなどで統計数字を見る際の問題点・留意点を明確にしたいという人にオススメ。 統計数字は経済の状況を概観する上で必須のものですが,それらの数字の見かけの動きに騙されないようにするための解説が上手くまとめられて書いています。 ただ,紙幅上仕方のない事ですが,各種...続きを読む統計を網羅しようとする余り,全体的に浅くなってしまっている印象があり,「統計学」としての知識をより深めたい方はやはり本格的な統計学の専門書を読まれることをお薦めします。
統計自身が持つバイアスや意味を読み解く本。 経済効果の算出方法や統計に現れて来ない地下経済の規模についても述べられており、実態を正しく把握することの難しさが知れる。 為替やる時にはここも気をつけて指標みなくてはいけないんじゃないの?
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