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今のりにのっている落語家・春風亭一之輔が、落語のイントロ「まくら」を噺(はな)すようにつづったエッセイ集の最新版。桂宮治が「笑点」の一員に抜擢された際の気持ちを赤裸々に書いた「新メンバー」、コロナ禍で頻発した落語界の代演について考察した「代役」他、抱腹絶倒の時事ネタエッセイを多数収録。「週刊朝日」連載の単行本化第3弾。
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Posted by ブクログ
こういう弛いの良いな。ただ弛いだけでなく、時には世相を辛口にコメントするのもあるし。 基本自虐的に、或いは自分の身内を笑いの対象にしているところも優しく好意的に感じる。 咄家って、いろんな物事からネタを集め、面白可笑しく話しを作る商売だからか、時にはネタ出しに苦しみながらも、上手くオチを作っている...続きを読むかな。 面白かったエッセイ抜き出し 渋沢栄一は女好きだったらしい。艶福家。初めてこんな単語を書いたな。栄一のおかげ。「豊」と「福」で「色」を挟み撃ち。しかも渋沢。ダブルでサンズイ。栄一、びしょびしょ。なんでも本妻とお妾さんと同居していたとか。詳細は知りませんが、メンタル強すぎ。子どもが20〜50人いたそうで、ハッキリしていないと言うのがたまらない。『ウルトラの父』みたいなシンボリックなお父さんじゃなくてリアル子だくさん。 栄一は『日本資本主義の父』と言われているが、「『日本資本主義の父』に本妻と同じ屋根の下で囲われていた妾の息子、娘」も存在したのです。 栄一が書いた『論語と算盤』が売れているそうだ。現代にも通じるビジネス書だって。「論語」に「と算盤」を付けて売っちゃうなんて商売上手。ということは、後追いで『論語と算盤』の下にまた「と〇〇」をくっ付ければ、バカ売れ間違いなし。『論語と算盤と男と女』『論語と算盤とYシャッと私』『論語と算盤と俺とお前と大五郎』とかね。 通販で「おしゃべりアカチャン人形」みたいなやつを買ってみた。「おはよう」「いいてんきだね」「おやすみなさい」⋯⋯ありきたりのことしか言わず、刺激が足りない。 アカチャンと真逆のものは⋯⋯お爺さんか。なんと「おしゃべりおじいさん人形」を発見。しかも数種類。みな胸にバッジを付けている。税込み5980円なのに「おしゃべりアソウくん」だけ税込み7980円。どうやら衣装が他の人形より高級らしい。キザなハットにトレンチュート。付属品でライフルまでついてきた。スィッチを入れるとダミ声で「え〜、シモジモのみなさ〜ん」。8千円近く払わせといて「シモジモ」とはなんだ!「お前はそんなに偉いのか!?」と返すと「どこの社だ?」とこちらをペンで指してきた。しまいにゃ「おたくらとは民度が違いますから(笑)」⋯⋯なんだ、こいつ!?即、返品。 「おしゃべりガースー」。スイッチオン。なんだこれ? 無表情かつ話がたどたどしい。これ⋯⋯立場上、無理してしゃべってるだけじゃないか?原稿を取り上げたら黙りこくった。 なんか見なきゃしゃべれないのか?可哀想になって「お話、苦手なの?」と優しく聞くと、ジロリとこちらを睨んで「その指摘には当たらない」だってやがら。クーリングオフだ! 「おしゃべりニカイさん」。ずいぶん古い型だな、この人形。マスクから鼻が丸出し。付属品の「だんまりセイコちゃんと家来一同」を横に並べると話し始めた。「むにゃむにゃごにょごによはにゃはにゃ」。なに言ってるかわからない。時折、声を張ってると「怒ってるの?」とわかる程度。でも目に見えない力があるようで、並べておくとガースーは気の毒なほど下を向いて黙っている。人形焼に似てるね、ニカイさん。 「おしゃべりカトウかんぼうちょーかん」。この中では若い。スラスラとソフトなおしゃべり。頭が大きくて不安定で腰がグラつく。「なにかご質問は?(笑顔)」と聞かれたので、思いつくままに質問すると「その件に関してはコメントする立場ではないと了解している」だと。「じゃあ、どういう立場?」と聞くと「今日はまだご飯食べてないので」「ご飯のあとはどうしますか?」と矢継ぎ早にご飯の話ばかりしはじめた。「ご飯論法」ってそういうことじゃないだろ。明らかにプログラムミス。正直、一番タチが悪いぞ。 「おしゃべりヨシローくん」『信頼と実績』と謳い文句にあるが、疲れた表情。「どうしたの?」と聞くと「最近いろいろありまして⋯⋯」とざっくばらんに話してくれた。娘にも孫にも怒られて辞任。「一生懸命尽くしてきたのに、何故ここまできてこんな憂き目に遭わねばならのか!」からの、あれやこれやの政界裏話。面白い。めちゃくちゃ面白い!ダントツでヨシローくんじゃないか。「ヨシローは人たらし」という噂を聞いてはいたが。説明書を見ると『必ず一人でお楽しみください』とある。なるほど。無難かも。今までお疲れ様でした、と人形を抱きしめた⋯⋯。そんな夢を見た。
春風亭一之輔さんのコラム。 編集者さんから投げられるテーマをもとに、寄席の裏話、コロナ禍でのお仕事の話、政治や子供の話まで、おもしろおかしく書き綴り、最後はしっかり回収。 文章でありながらこのテンポ感。 なんて楽しいんだ。 これは落語を生でぜひ見てみたい! あ、私お顔も存じ上げてないんだった。
一之輔独特の語り口で様々なテーマについて語られており、そこがとても面白かった。 また、笑点を話題にした話もいくつかあったが、メンバー入り前のため、なんとなく不思議な感じで読んでいた。
今をときめく噺家、春風亭一之輔が週刊朝日に連載しているショートエッセイをまとめたもの。 タイトルから期待した落語のマクラをまとめた本では、断じてない。 一つのエッセイは、ページ見開きくらいの分量。 それが、本一冊ダーっと並んでいる。 内容があるかというと、ほとんど内容がない。 でも、手数は多い。 ...続きを読む一之輔のフリートークってこんな感じだよなという、内容のない、でも文字数の多い文章が並ぶ。 内容がないからといってつまらないわけではなく、中にはかなり面白いものがあるし、一つ一つのコラムが短いから、ついつい読んでしまう。 一冊読み終わって、手数は多いけど内容のない本だったな〜というのは、おそらく一之輔師匠が一番狙ってる線なんじゃないかと、まんまと乗せられた自分に気づく。 どれ読んでも短い。 どれ読んでも良い。 つまらなくてもすぐ終わる。 これは出張の暇つぶしにもってこいな一冊かもしれない。
日記風あり、思い出話あり、時事ニュースへのコメントや失敗談などごっちゃ煮のようで楽しい。やっぱり一番面白いのは失敗談で、ネタにもなり転んでもただでは起きないところはさすが。
週刊朝日に連載された春風亭一之輔の本。 軽妙な語り口で、寄席のマクラとは違った面白さがある。 頭の回転の良さが窺われる、通勤の途中に読むには最適だと思う。
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