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イランとサウジのにらみ合い、シリアやイエメンでの内戦やテロの拡大、進まないイラクの復興など、どの問題の陰にも正統・多数のスンニ派と異端・少数のシーア派の対立がある――この理解は、物事の半面しか見ていないに等しい。シーア派への警戒感は、なぜ高まったのか。宗派対立への誤解を意味ある議論に変える意欲的な試み。
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Posted by ブクログ
サイクス=ピコ協定の呪縛と本書の2冊で、今回のパレスチナ危機事態を少し俯瞰して見ることができるようになった気がします。 イラク戦争におけるアメリカの戦略的失敗についてのくだりは、正に目からウロコの冷徹な解説でした。
ほとんどの日本人と同じく、イスラム教についての知識を体系的に学んだこともない自分にとって、入門となる一冊。「スンニ派」と「シーア派」という言葉自体は聞いたことがあってもそもそもその意味すら知らなかったが、著者の丁寧な解説によって、少しずつ理解が深まっていくようにできている。 中東で現在進行形で起こ...続きを読むっている争いについて、理解するための基本事項を教えてくれるとと同時に、より深く勉強をしたくなるようにうまく書かれている、よい教科書だと思う。
シーア派とスンニ派の宗派対立という図式について、皮相的な見方であるとして、教義としての対立でなく、あくまで利害対立であることを説明している。宗教が生活に根差してない日本人には想像できないが、日本人から見ると、宗派を教義の違いからの衝突ではなく、むしら政治や会社で見られる派閥の対立と見た方がしっくりく...続きを読むる感じがした。
中東の情勢において、イスラムに限らず宗派が人々を分断する枠組として利用されてきた経過を、わかりやすく教えてくれた。
前作に引き続き歴史的な背景を豊富に踏まえて、現在よく言われる「シーア派とスンニ派の対立」とは何かをわかりやすく解説しています。 レバノンについても1章割かれていました。改めて、レバノンについてはほかの書籍なども読んでもっと知りたいと思いました。
現在の中東情勢が「宗派主義化」されている状況を、イラン革命、イラク戦争、レバノン情勢の分析を通して説明されています。宗派に基づくコミュニティ間の対立が生じた経緯、現在のイラク、シリア情勢が「宗派対立」であると言い切れない複雑な構造を、コンパクトな本書の中で簡潔にまとめられていて、大変勉強になりました...続きを読む。
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【中東大混迷を解く】 シーア派とスンニ派(新潮選書)
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池内恵
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