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日本各地のロードサイドに大型商業施設が建設され、その土地固有の歴史・自然・風土が顧みられなくなる現象を批判した『ファスト風土化する日本』(洋泉社新書y)が2004年に出版されてから19年。もはやファスト風土が日本の隅々まで浸透した今、郊外は社会の何を象徴しているのだろうか。ファスト風土の中で多感な時期を過ごした当事者である小説家・建築家・研究者ら13人が考える、令和の郊外論。
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Posted by ブクログ
<目次>(だいぶ略) 再考 ファスト風土化とは何か 第1部 考察編 ファスト風土論を再読する 第2部 実践編 脱・ファスト風土な世界をつくる 第3部 「第五の消費」のまちづくり <内容> 三浦展は「ファスト風土」を広めた評論家。大きなショッピングモールと大型チェーン店が展開するロード...続きを読むサイドが、日本中に広がり、そこだけに車を乗り付け、消費や娯楽をしていく人々の世界を指す。確かに多くの地方を旅しているが、日本中が金太郎あめのようになっている。そこだけ渋滞しているし、その反動で従来の商店街や駅前はシャッター化しているのを目にしてきた。 それでは日本は衰退していく、というのが大筋なのだが、第3部の「第五の消費」では、それに対する対策が載る。スロー・スモール・ソフト・ソーシャブル・サステナブルの「5S」がキーワードになるという。ワールドワイドな企業よりも地元密着の店、そこにしかない商品を、儲けぎりぎりでゆっくりと販売し、客ものんびりと生活をしながら、消費していく。ある意味、先祖返りするような日々が送れればよいのだろう。
戦後のアメリカ的な近代化(モダン化)の一環として地方を中心に消費環境が均一化したことを「ファスト風土化」と称した一方、ポストモダン的な多様性が都市を中心に芽生えたことを紹介しつつ、ファスト風土の次の消費環境の可能性を紹介した著作。
グローバル化以降、日本はありとあらゆる生活が平準化した。これにより、古くから続いた伝統や名残が徐々に消えてしまった。著者はこのような均一化した現象を「ファスト風土」と名づける。今回、グローバル化の影響下に対抗するような例をいくつか取り上げており、グローバルに対するローカルな分野でいかに昔から続く日...続きを読む本を残していくのかを本書では考察する。 個人的に印象的なのが第5章での新海誠作品の根底に言及したところである。本書では特に触れられなかったが、新海誠は過去に作品の制作に影響を受けた本の一冊に柄谷行人『日本近代文学の起源』をあげた。この本から、作品の風景描写を徹底的に緻密化したとある。このように、何気なく存在する周囲の風景とは、日本という国のアイデンティティを確立するうえで思ったよりも重要だと気づける。グローバル化に飲み込まれて喪失した日本の根底を、いかに再構築するべきか、そんなことを改めて考えさせてくれる本である。
日本各地に大型ショッピングモールやチェーン店が営業して、地域の個性がなくなってきている。 そんな現状に思うところがあった著者は「ファスト風土化する日本 郊外化とその病理」(洋泉社新書y)を2004年に出版した。 あれから約20年、郊外はどうなっていったのかを考えるのが今回の本だ。 ...続きを読む 「タイパ(タイムパフォーマンス)」を重要視する若い世代の価値観にファスト風土は、都合のよい場所のようだ。 その一方で、ファスト風土に満足しない、あるいは危機感を持つ人もいる。 「ローカルフードで地方創生を」と述べているのは、LIFULL HOME’S総研所長・島原万丈(しまばら・まんじょう)だ。 宮崎県の延岡市と佐伯市は、美食の聖地として知られるスペイン・バスク地方のサン・セバスチャンを見習って、東九州バスク化構想の取り組みを行っている。 これにより「食」をテーマにした経済・文化圏を目指す。 このような動きは日本ではほとんど見られないそうだ。 食をテーマにしても百貨店の物産展、アンテナショップで美味しいものを買っても地元の宿泊施設に行ったり、地元の飲食店で飲み食いしないので、百貨店で言うところの「シャワー効果」がないからなあ。 脱ファスト風土化の動きも取り上げている。立川、仙川、下北沢などを例に上げている。 街を再生するにはどのような店を入れるか。チェーン店もあったほうが人は集まるが、個性を持たせるには個人経営の何かがあるといい。 シャッター通りの店の持ち主、行政の側がどうするかも考える必要がある。
著者の文章は時折読む事があるが、その中では一番こじつけ、牽強付会を感じた著書だった。結局は中央線沿線の内輪ネタじゃねえの?という感想の域を出なかった。 これだけだと★は2つなのだが、寄せられた論考の方が優れているので★は4つ、間を取って総合★3つとした。 日本全体を網羅するなら、寄稿の数・量をも...続きを読むっと増やし、著書は編者に徹する方が良かったのでは? 自分としては、帯に書いてある「退屈で凡庸なファスト風土」と批判的に書いてあるが、退屈で凡庸こそ日常なのであって、日常はファストメインで十分だと思っている(ファストにすらありつけない人々も数多いのだから、これでもありがたい)ただ、非日常を味わえる場所を身近に幾つか抱えていたい、とは思う。 未来屋書店大阪ドームシティ店にて購入。
ロードサイド、大規模ショッピングモールに代表される、都市でもない田舎でもない、無個性で画一的な生活をイメージする記号的な風景が、若い世代の心象を脆化・退化させて、未来の日本の衰亡の遠因となる・・ココロある都市社会学者のグループによる危機感の表明、というところか(だいぶ大げさに言えば、だが)。 具体的...続きを読むな地点についての個別描写、個々のオーラルヒストリー的な経験談だけでなく、マッピングされたデータのエビデンス、各種デモグラフィックデータを駆使して、論証しようとてしているが、論理がくっきりと浮かび上がっているという感じではないように感じる。
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再考 ファスト風土化する日本~変貌する地方と郊外の未来~
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