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複雑系は、科学が築きあげてきた「近代のパラダイム」を根底から覆した。人間の予想とはかけ離れた、しかし自然のなんらかの真理を表している複雑系が、科学の王道からこぼれ落ちた人々によって発見されていくさまを物語仕立てで描き、複雑系の本質を誰にもわかりやすく解き明かす!
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Posted by ブクログ
「複雑系」入門 カオス、フラクタルから生命の謎まで 著:金 重明 ブルーバックス B2227 おもしろかった 見えざるルール、微細なものに潜む隠れた真実、まさに、「神は細部に宿る」だ! 科学万能の現代、わからないものはほとんどないとみんな思っているに違いない だが、それは誤りである。古代から現代、...続きを読むいまも、世界は、複雑系というなぞに包まれている 気になったのは、以下です。 ニュートンの有名な言葉 万有引力を発見したときの視野をさして 「わたしが巨人の肩に乘ったからです」 微分方程式は解ける、教科書にはそうある、でも、真実は違う、教科書にあるのは、人が解くことができる微分方程式しか載っていないのだ。それが証拠に、別の教科書に、微分方程式の数値的解法というものが用意されている ■バタフライ効果 天体の三体問題は解けない 初期条件の微小な変化が結果に大きな差をもたらすもの、それをバタフライ効果と呼んでいる ロジスティック関数、初期値によって大きく変動する 複雑系の研究は、数値の膨大な計算によって始まる、つまり、コンピュータの登場とともに始まったといっている 近代のパラダイムの第1の矢は、「バタフライ効果」である ■フラクタル コッホ曲線 あらゆる部分が全体と相似にである図形のことを、フラクタルといっている 数学は、壁にぶち当たると、その壁をぶちぬくために、定義を拡張する、それを一般化という フラクタル図形は、微分ができない。 海岸線を計測するとき、計測する単位を小さくしていくと、海岸線の長さはどんどんと伸びていく 人体にもフラクタルが存在する、肺胞、小腸の柔突起、腎臓の糸球体、そして、脳の表面のしわも、フラクタル的構造である シェルビンスキーの三角形 メンガーのスポンジ ジュリア充填集合、その境界をジュリア集合という マンデブロ集合 近代のパラダイムの第2の矢は、「フラクタル」である ■ライフゲーム セル・オートマトン ウラムのゲーム 単純だが、予想もつかない変化をとげるパネルゲーム ■細胞 従来の生物学のアプローチ:生物を種、生物体、器官、組織、細胞、細胞小器官、分子に分解して理解スルアプローチ DNAは同じなのに、生成されるたんぱく質が全く違う ⇒ つまり、DNAを調べただけでは、どんなたんぱく質がつくられるかわからない ⇒ DNAがすべてを決定しているわけではないようだ ⇒ 細胞の中には、全体を統制しているコントローラがみあたらない ⇒ 一つの受精卵が、人間のあらゆる器官をつくる不思議 たんぱく質に別の物質が結合して形がかわってしまう ⇒ アロステリック効果 生物の細胞の種類は、その生物の遺伝子の数の平方根に等しい ■生命の誕生 隕石には、1万種をこえる、有機物が含まれていた DNA,RNA自体では、自らを複製することはできない ⇒ カウフマン仮説 DNAやRNAのような複雑な分子ではなく、アミノ酸やヌクロチドなどの基本的分子がネットワークとつくったのが生命の始まりではないのか 大村智氏 あたらしい微生物をみつけるとかならずその生成物質を調査していた ⇒特効薬、新素材である可能があり 生命の不思議 なぜ生命は雌雄にわかれているのか? ⇒ 多くの生命は、子孫を残すためには配偶者を探さなければならず、そのために膨大ナエネルギーを浪費している 目次 はじめに 第一章 近代のパラダイム 第二章 カオス 第三章 フラクタル 第四章 ライフゲーム 第五章 カオスの縁 第六章 生命 第七章 経済・歴史・社会 おわりに さくいん ISBN:9784065316245 。出版社:講談社 。判型:新書 。ページ数:256ページ 。定価:1000円(本体) 。発売日:2023年04月20日第1刷
とてもわかりやすく、簡潔にまとまっていて面白かった。微分積分も線形代数も大事だが、こういう数学が、数学自体の今後の進歩や新しい応用の基礎になっていくように思う。広く読まれてほしい。
年末年始の帰省のお供に一読。 カオスやフラクタルなど用語は聞いたことはあるが具体的なイメージができていなかったことに対して、一定の理解が進んだことはよかった。 一方、説明や章ごとのバランスが悪かったり偏りがあるようなところ、章間のつながりがいまいちわからなかったりと後一歩に感じるところも。
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