ゲルマニウムの夜 王国記 I

ゲルマニウムの夜 王国記 I

815円 (税込)

4pt

街で人を殺し、身を隠すため、自分が育った古巣の修道院兼教護院に舞い戻った青年・朧(ろう)。その修道院でもなお、修道女を犯し、神父に性の奉仕をし、暴力の衝動に身を任せて教護院の少年たちや動物に鉄拳をふるい、冒涜の限りを尽くす。あらゆる汚辱を身にまとう──もしや、それこそ現代では「神」に最も近く在る道なのだろうか? 世紀末の虚無の中、〈神の子〉は暴走する。目指すは、僕の王国! 第119回芥川賞を受賞した戦慄の問題作にして、「王国記」シリーズ第一作。

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王国記 のシリーズ作品

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1~7件目 / 7件
  • ゲルマニウムの夜 王国記 I
    815円 (税込)
    街で人を殺し、身を隠すため、自分が育った古巣の修道院兼教護院に舞い戻った青年・朧(ろう)。その修道院でもなお、修道女を犯し、神父に性の奉仕をし、暴力の衝動に身を任せて教護院の少年たちや動物に鉄拳をふるい、冒涜の限りを尽くす。あらゆる汚辱を身にまとう──もしや、それこそ現代では「神」に最も近く在る道なのだろうか? 世紀末の虚無の中、〈神の子〉は暴走する。目指すは、僕の王国! 第119回芥川賞を受賞した戦慄の問題作にして、「王国記」シリーズ第一作。
  • ブエナ・ビスタ 王国記 II
    815円 (税込)
    殺人の咎(とが)を逃れるため、修道院兼教護院に身を寄せている青年・朧(ろう)。暴力と性の衝動の中で、自分の倫理を構築しようとする朧は、ある日施設を辞めた元修道士の赤羽をひそかに訪ねる。朧の傍らには妊娠したシスターの姿が……。 第119回(1998年上半期)芥川賞を受賞した「ゲルマニウムの夜」の続編、「王国記」シリーズ第二弾。
  • 汀にて 王国記 III
    815円 (税込)
    身を潜めていた修道院を抜け出し、長崎・五島列島に向かった朧(ろう)とアスピラントの教子。島に残る隠れキリシタンの痕跡を巡る旅の中、朧は“殺人者の横貌”を垣間見せる。そして教子は自分が心身ともに朧に囚われてゆくことを確信した――。 『ゲルマニウムの夜』に始まる「王国記」シリーズ第三弾。『汀にて』と『月の光』の二編を収録。
  • 雲の影 王国記 IV
    815円 (税込)
    アスピラントの教子とともに修道院を抜け出し、長崎・五島列島を訪れていた朧は、教子に「王国」を目指していることを告白する。隠れキリシタンの島で深く感応しあう二人に、“ヴィジョン”は到来するのだろうか――。 『ゲルマニウムの夜』に始まる「王国記」シリーズ第四弾! 『雲の影』『PANG PANG』の二編を収録。
  • 青い翅の夜 王国記 V
    815円 (税込)
    五島列島から長崎に戻る飛行機の中で、朧は、つくろうとしていた王国の「王」が自分ではないことを悟る。真の王たるものは、誰か? いっぽう太郎と名づけられた朧の息子は、次第に不思議な力を見せ始めて――。 「王国記」シリーズ緊迫の第五弾。『むしろ揺り籠の幼児を』と『青い翅の夜』を収録。
  • 午後の磔刑 王国記 VI
    815円 (税込)
    修道院を離れ、赤羽たちが共同生活をおくる「悠久寮」に身を寄せる教子。数々の奇蹟によって集団を虜にする朧の息子・太郎は、五歳とは思えぬ言辞で教子を翻弄、やがて彼女は太郎に「神」を直観するに至る。ミュージシャンになったジャンと新たな一歩を踏み出した教子は――。 危うい予兆に満ちた「王国記」シリーズ第六弾。
  • 象の墓場 王国記 VII
    815円 (税込)
    八ヶ岳に拠点を移し「悠久寮」は神の「王国」へと動きはじめた。だが朧は不可思議な力を発揮する息子・太郎をみて、自分が真の「王」ではないことを悟る。そして赤羽、百合香、教子、ジャンらはそれぞれ「王国」のなかに自分の居場所をみつけようと苦闘するのだった。 「王国記」シリーズ急展開の第七弾!

※期間限定無料版、予約作品はカートに入りません

ゲルマニウムの夜 王国記 I のユーザーレビュー

花村萬月の名前を聞くと、サラダ油のシーン(!)で印象深い映画化タイトル「皆月」を思い浮かべる人も多いかもしれない。過激な性と暴力描写を得意とする作家だが、その根底にあるのは神への猜疑と冒涜である。
著者の「王国記シリーズ」の第一章目にあたる本作『ゲルマニウムの夜』の主人公・朧は、頭脳明晰だが人を殺し、育った修道院に舞い戻る。彼は人を殺し、純潔の修道女を犯しても、何の罰も下さない神を見限り、宗教者のなれのはて――王国の建立を決意する。
表題作の他に「王国の犬」、「舞踏会の夜」が収録されている。いずれも朧が修道院で神を疑い、信心深い神父とアスピラントを試し、自我に目覚めるまでの小編だ。修道院という本来神聖であるはずの場所で行われている暴力、虐待、同性愛の生々しく残酷な描写は圧巻。なお、2005年に大森立嗣監督・新井浩文主演で映画化もされている。

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    ピカレスクロマンとジャンル分けはできるのかもしれないけれど、ジャンル分けって不毛だなと思うだけの中身があるような気がする。読まれるべき毒のある小説だと思う。

    0
    2017年12月18日

    Posted by ブクログ

    冷酷で暴力的で傲慢な男なのに、どうしたって主人公の朧に惹きつけられるし、読み進めるうちに親しみさえ覚えてしまう。まるでリヤカーを後押しする幼い収容生たちのように。最高のピカレスク小説。

    0
    2017年09月27日

    Posted by ブクログ

    良い意味でクレイジー。宗教的な題材ゆえ、うまく説明できないが、聖性と暴力という、対極に位置する要素を結節している点が巧みである。本作の舞台「王国」は宗教施設=聖域なのであるが、そこに漂うのは聖性ではなく暴力性である。また、主人公・瓏はタブーを犯し、神父にも神を愚弄するような質問をぶつけている。あきら

    0
    2013年01月10日

    Posted by ブクログ

    祈りの反復(同じ言葉を同じリズムで唱える)ことと、性行為の反復はイコールではないか。それは自我なき反復、快楽の本質であり至上ではないか。

    果敢な真理探究の姿勢と、思わず唸ってしまうような力強い文章。
    清濁を“ぶちこんだ”ような、「混沌」とした物語を読み終えた後、しばし放心状態でした。

    0
    2012年06月12日

    Posted by ブクログ

    人前でこういう本を読んでいると公言すると、確実にドン引きされる「王国記」の第一巻です。これは正直言って万人受けはしません。

    これをはじめて読んだのが高校時代でした。先日、このシリーズで最新刊の『風の條』が手に入ったので跡でこれは紹介するとして最初にこの本を紹介したのですが、人を殺し、育った修道院

    0
    2011年11月27日

    Posted by ブクログ

    花村萬月の書く文章は生きている、と思う。
    黒いだけの文字から浮かび上がる鮮やかな色。
    ハッキリと想像できるその色たち。
    それは想像というよりも、
    リアルで目の当たりにしているような感覚だ。
    彼の描く色彩のブルースは、
    男性的で荒廃的で、ときに美しくも悲しい。
    宗教やホモセクシャルがテーマになってはい

    0
    2009年10月04日

    Posted by ブクログ

    宗教ってどうなんよ!って内容の小説。おもろい。ナマナマしい。
    これキッカケに洋書読んでみようかしら。

    0
    2009年10月04日

    Posted by ブクログ

    芥川賞受賞作。
    いまのところ近年の芥川賞作品では自分の中でトップにある作品。
    暴力と背徳を正面から描いている。
    読むのにも痛みを伴います。
    暴力を唯一の真理として行動する主人公が、
    自信の尊敬する年老いた神父と懺悔室で対決するシーンは鳥肌もの。

    0
    2009年10月04日

    Posted by ブクログ

    初めて読んだ花村さんの作品。
    キリスト教の修道院で働いている主人公と周りの人間の関わりから生まれる神への疑問。
    主人公の言動が好きです。

    0
    2009年10月04日

    Posted by ブクログ

    文句なしのハイレベルクラス、といった感じでした。主人公の設定とサブキャラの噛みあい方が非常に面白いところまで書かれています。
    何よりすごいのはこの想像力と思想ですね。自分の世界の創世と一口にいってしまえばそれまでですが、ここまで自分の思っていることを展開できている小説を見たのは初めてです。文体も相当

    0
    2009年10月04日

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