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湖の畔で貧しい少年レイジと出会った妖精姫リエル。二人の幼い日々は、だが、影の襲撃によって突然に終わりを告げる。そして五年後、妖精姫の危機が今も続く事を知らされたレイジは――
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Posted by ブクログ
ファンタジー小説としてはすこし逸脱とした作品かもしれません。 魔法とかは一切なく、また登場人物たちのほとんどが重度のリアリストです。ライトノベルという位置づけにありますが、べつに文体は軽くありません。あやめ節と編集者コメントであるのですが、まさにその通りで今までに類をみない文体です。しかし、それでい...続きを読むてわかりやすく出来てます。 舞台は妖精郷と称される小国・スシォルロント。 物語の始まりにおいて、主人公とヒロインの出会いはとても大事ですが、この作品は出会いというよりは触れ合いといった方が正しいのかもしれません。 二人が出会って間もなく離れ離れになるのですが、それでも繋がっている、触れ合っているという感じが、たまりませんでした。 必然的に典型的なライトノベルのような主人公とヒロインがいちゃつくシーンというのは見られないので、そういうのが好みの方には向かない作品かもしれませんね。 しかし独自の文体、兵法、それでいて世界観を崩さず、きれいにまとめあげています。このレーベルらしい素晴らしい作品だと思います。
お伽話の様相を呈した魔法も魔物も出てこないファンタジー。 どちらかといえば淡々とした無機質な感じで進んで行くが、後半にかけてどんどんお伽話が生きて来る。 妖精姫と灰色狼が出揃うところは見所。 好きな文。 妖精は知らない。 自分が他の誰とも溶けあえないことを。誰もが彼女を高みにおき、知らぬ間に空を...続きを読む泳いでいる事など妖精は知らない。 灰色狼もきっと知らない。 この世の何処にも自分の立つ場所が無いことを。大切に磨き上げた牙と爪が、他の誰をも寄せ付けないことを狼は知らない。 二人は似ていた。 たぶん最初の最初から。 独りっきりの灰色狼と、孤独に泳ぐ妖精姫。
御伽噺のようなほんわかする物語かと思ったら、意外と冷めた目線の下層階級の香り漂う悪いヤツが多く出てくる物語でした。 世間に後ろめたさを感じる人生を背負ったヤツに魅力を感じる身にも、十分楽しめました。 3部作のようなので、続編が出るのが楽しみだ。
表紙のイラストから感じる雰囲気とは全く逆の中身。おもしろかった。ただ、そういう中身な分、イラストが邪魔だと思った。文章から受ける印象と合わないことこの上ない。ラノベの分類に入るのだろうから致し方ないのかもしれないが
・「私にもう少しだけ期待してなさいよ」すべては妖精姫のその言葉から始まった。期待し続ける灰色狼が駆ける。 ・「手の長い敵がいる」いったいそれは誰? ・ストレートなライトファンタジーって感じだがその手の中ではよくできてて楽しめる方だろうと思った。上から目線っぽくて恐縮のもの言いだけど。 ▼簡単なメモ...続きを読む 【アムルアント・リム・ジーン】貴族の息子。ミズリウルの腹違いの兄。気ぐらいが高い。黒髪。シグリィエルを「リエル」と愛称で呼べる数少ない一人。リエルの婿候補の一人。父コーザリウスは醜男でそれを嫌う母エスティナの影響から父を軽蔑していたが内面と政治的手腕と勤勉さは優れており今ではアムルアントも尊敬している。たぶんラスボスとか敵ではないと思える。 【オーズ・ザースディ】リエルの護衛。おそろしく強く全幅の信頼を置かれている。初登場時はまだ二十代だったがレイジにおっさん呼ばわりされる。騎士としてはざっくばらんで型破りな性格。レイジの剣の師匠。ラスボスではないだろうがもし彼が敵のメンバーだったらとても危険だ。 【コーザリウス・リム・ジーン】アムルアントとミズリウムの父親。醜男だが善良かつ勤勉で善政をしく。あるとき暴挙と思われる行動に出る。もし敵ならば手強そう。 【ジーン貴族領】ロントで唯一敵の攻撃を想定した要塞都市。アムルアントがリエルの婿候補になっているのでミズリウムが統治している。地下水路が張り巡らされている。 【シグリィエル・リム・ロント】二人の主人公の一人。妖精王の第一王女で将来はトップに立つのだろう。国を変えてみせたい。だんだん不屈で不敵な人物になってゆく。妖精の血族の特徴なのか保身というものを考えないところがあり、利用できるなら自分自身すら利用する。「私にもう少しだけ期待していなさいよ」。 【クラウスロン】帝国領にあり暗殺者を輩出する元山賊集団を貴族にした土地。 【ジェムジェン】傭兵部隊を率いる加虐趣味の小男。 【ジュラール・ヴィンラッド・シュタインズマン】リエルの婿候補の一人。帝国傘下のエイグラード領の公爵。お気楽極楽な貴族様だが飄々としていてこれはこれでけっこう大物なのかもね。なんとなくだが敵ではない気がする。 【スシォル湖】ロントの城下にある。すべての道は湖に通ず? たぶん重視されている場所。レイジがシグリィエルと出会った場所。城の裏手から通じている。 【帝国】巨大な版図を持つ国。侵略はするが侵略後の内政に力を入れており侵略前より善政を布くので住民にとっては悪くない。古代ローマのような感じか。 【ディジー】娼婦。 【トヴァン】リーヴァ裏町の「組織」の幹部の一人。組織の長で「親爺」と呼ばれている。 【灰色狼/ガウス】スシォルロントに古くから伝わる獣。遠吠えを聞いたり姿を見たりしたら喰われてしまうらしい。娼館を全室制覇しようとしている男がそう呼ばれている。まあ、成長したレイジのことなんやけど。 【バームング・オルドウ】凄腕の傭兵で戦場ではうっかりすると将軍並の賞金がかけられる。反リエル派に雇われる。ロントで朽木折(バラスキア)という巨大な剣を手にいれた。たぶん「ベルセルク」のガッツの剣か「ファイナルファンタジーⅦ」のクラウドの剣みたいのか。 【秘密基地】スシォル湖畔で半分沈んでいる小型の帆船。リエル、アムルアント、ミズリウム、フランデがリラックスできる遊び場だった。オーズは警護していたもよう。後にレイジも参加した。 【フランデ・シュービット】赤茶色の髪の美女。王女専属の女官。女官長の娘で生まれたときからリエルといっしょにいるが「様」づけすることを忘れない。この話の半分くらいはフランデとレイジの話なので主人公の一人と言ってもいいかもしれない。 【フロッド】リーヴァ裏町の「組織」の下っ端。 【ミズリウム・リム・ジーン】金髪の美青年で優しい性格。アルムアントの腹違いの弟。リエルが「リエル」と愛称で呼んでもらいたがっていることに気づいてそうしている。皆が信頼しているがラスボス候補の一人ではある。 【ミナ】リーヴァ裏町の「組織」の幹部の一人。色街担当で「姉御」と呼ばれている。 【ミノック・サガエル】たぶん帝国の若い貴族の一人。リエルは「ひどく渇いている」との印象を抱いた。ラスボス有力候補の一人で少なくとも何らかの関わり方はしてくるだろう。 【ミュルス・ミュラー】リエルの婿候補の一人。帝国に与しない軍事国家トゥルムの将軍。ラスボス候補の一人。 【ムガウル】リーヴァ裏町の「組織」の幹部の一人。荒事担当だが見た目と異なり分別もあり「旦那」と呼ばれている。 【優しさ】《優しさは自分に対して使うものではない。》byユベイルp.42 【ユベイル・カーグン】騎士団員。フランデの護衛をするが覚束ない。 【リエル】シグリィエル・リム・ロントの愛称。 【リリィ】娼婦。 【レイジ・クォルトリーズ】二人の主人公の一人。登場時漆黒の髪の少年だった。裏町の子どもで母は娼婦。偶然リエルと出会い、ひどい目に合わされ「がっかりした」と口走ったせいでリエルの従者となった。とある事件で死んだと思われていたが五年後に再び姿を現した。黒白まだらの髪の「灰色狼」と呼ばれへらへら笑いながら人を殺す危険な青年に変貌して。《レイジはレイジに対してとても冷たいのだ。》p.28 【ロント城】お伽噺を起源とする小国スシォルロントの中心。男児が産まれたことがなく王は必ず他国から迎える。侵略するほどの価値がないから攻められたこともあまりない。
普通に面白かった。 でも、イラストが微妙かな? もう少し頭身高めの方がよかったかも。話の内容的に。 文章や内容から受けるイメージから想像するビジュアルよりもイラストのキャラが幼いので、違和感が残る。そして、このイラストで忌避する人がいるかもしれないと思うと、ちょっともったいないかも。 三部作のような...続きを読むので、続きを読むのが楽しみです。
中々この手の書体には読みなれていないので状況が整理できない時もありましたが、面白かったと思います。登場人物の整理が自分の中でもう少しできればもっと楽しめたかも。そこだけかな。あ、これは自分の問題だよな。
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