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『イニシエーション・ラブ』著者が放つ珠玉のミステリ7篇 日本推理作家協会賞候補となった「夫の余命」のほか、名手の技が冴える驚愕ミステリ連発! 最新書き下ろし収録のオリジナル短篇集。
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Posted by ブクログ
乾くるみ先生の短編集ですね。 調べたところやや批判的な意見も見られますが私はとても楽しめました。 特に最初と最後の話が良かったです。 乾くるみ先生が好きなら絶対損はしません! 乾くるみ先生の良いところがちゃんと発揮されています。
『イニシエーション・ラブ』『セカンド・ラブ』と来ていた乾くるみラブ・シリーズ(?)の新作短編集。さすが数学科出身の著者らしい細かな数字のオンパレードで、しかしどこかコミカルな『消費税狂騒曲』『九百十七円は高すぎる』が楽しい。一方で読み始めたばかりで油断気味の読者に初っ端から叙述トリックをぶちかまして...続きを読むくれる『夫の余命』の魅力も捨てがたい。
帯に「『イニシエーション・ラブ』著者、 オリジナル短編集」 乾くるみが可哀想… いつまで経っても『イニシエーション・ラブ』が 付きまとう。 『イニシエーション・ラブ』は、 それだけ、インパクトがあったのだが、 あの時代を知らない世代に刺さるのか? いい加減に解放してやって欲しい。 本書は、...続きを読むそこそこ楽しめる。 ただし、『イニシ〜』が 比較対象となってしまうと それを越えるのは…
乾くるみさんらしいトリックが隠されている話が多い。それが故に読みながら展開に気づけてしまうところもあった。 数字を題材にしているのは面白いがついていけなくなりなかなかページをめくる手が進まなくなってしまった。それ以外は淡々と読み進められる。 先の展開が楽しみであっという間に読んでしまう、という感じで...続きを読むはないのは、おそらくトリックが中心になって話が構成されているからだろう。トリックを成立させるためにストーリーが存在しているかのような感じ。 とはいえスッキリしたい時、気軽に何かを読みたい時には再読したいと思える内容だった。
7編を収めた短編集。 最初の「夫の余命」はおっ!と思ったが、その他の作品はうーん、という感じ。 最後の「数学科の女」は本書の中では長めの短編だが、動機もトリックもなんか短絡的というか、腹落ちしなかった。
人間不信になること間違いなし! HeartfulではなくHurtfulな短編集 #ハートフル・ラブ ■きっと読みたくなるレビュー 優しく心温まる恋愛小説と思いきや、実は人が人を傷つけるバラエティーに富んだミステリー短編集。どれも気軽に読める作品ばかりですが、なかなかの衝撃が待ち受けています。 楽...続きを読むしい作品ばかりですが、特に『九百十七円は高すぎる』『カフカ的』がおすすめ。登場人物たちの関係性から目が離せなく、ついつい熱中して読み込んでしまいました。 ■各短編のかんたん感想文 〇夫の余命 脳腫瘍を患った夫を持つ、新妻の物語。アンソロジー『神様の罠』で既読の作品、再読してみても面白い。 短編なのに構成と人間関係の描写がめっちゃ綺麗で素晴らしいですね~ なにげない男女の会話がいいんですよ。これぞ乾くるみ先生の作品でした。 〇同級生 高校時代の同窓会での出来事、小説で成功した同級生のマンションに訪れると… 自分も若き学生時代を思い出しちゃいましたね、切ないわー そして読み手をひっかけるのがお上手でした。 〇カフカ的【おすすめ!】 高校教師が旧友と出会い、交換殺人の約束をすることになって… 短編にも関わらずかなり、人間関係から謎解きまでかなり濃密な作品でした。特に殺人計画、相談の描写は、思わず手に汗を握っちゃいました。 〇なんて素敵な握手会 アイドルの握手会での出来事、掌編。シンプルながらも、あっさり騙される… 〇消費税狂騒曲 消費税をテーマにしながら、一人の警察官の人生が描かれる物語。 細かい金額でセコイのですが、私も日常生活で、この疑問は気になってたんですよね~アプローチが面白いし、年代とともに人間関係もしっかりと描いています。 特に最後の数行でキレイで、物語全体を優しく包んでました。 〇九百十七円は高すぎる 【おすすめ!】 アンソロジー『彼女』で既読の作品。 あらためて読むと、なかなかの百合っぷりな作品ですね。青臭くも薄暗い艶めかしさが好き。 ある人のたった一言のセリフから、緻密に推理していくミステリーです。 動機は不純ですが、解法から真相はミステリー好きも唸る一作です。 〇数学科の女 男子4名、女子1名の大学生グループの物語。本書メインの中編で、まさにHURTFUL満載な内容です。 人間って欲望や弱みに付け込まれると、簡単に傷ついちゃうよね。いやー悲しい。 そして最後まで成長しない主人公を見て、さらに悲しくなりました。
「夫の余命」 「同級生」 「カフカ的」 「なんて素敵な握手会」 「消費税狂騒曲」 「九百十七円は高すぎる」 「数学科の女」 七話収録の短編集。 タイトルから心温まる愛の物語かと思いきや、装丁の綴りを良く見るとHURTFUL LOVESとある。 愛は愛でも正反対の傷つける方。 確かに至る所に毒がみっ...続きを読むちり仕込まれていた。 殆どは既読だったが、最終話の「数学科の女」だけは書き下ろし。 舞台は都内の大学。 実習グループの紅一点の美女・亜紀と、彼女に好意を抱く四人の男子学生。 狐と狸の化かし合いのような展開から目が離せない。 最後のオチも絶妙。
『夫の余命』『同級生』『なんて素敵な握手会』は結末を知ってええっ!となり、二度読み。 さすがイニシエーション・ラブの作家さん! 『消費税狂想曲』からは何がなんだかわからなくなった。 仕事の後に数字の話は頭が働かず、駄目だった。
●夫の余命 二度読みした。イニシエーション・ラブを彷彿とさせるような鮮やかなトリック。 後ろから読み直すと理解できた。 ご臨終のシーンで「ベッドを囲む四人の隙間から、貴士さんの顔がわずかに見えている」のところ、なんで近づいて見れないんだろう?って気になったけど、そういうことかー!!と納得。 ●同級...続きを読む生 なんか切ない。 主人公は一見幸せそうなのに、ラストで幸せを願うということは幸せじゃないってことか(?) ●カフカ的 なぜか最初から主人公が男性だと気づいた。 セリフの口調に違和感があったし、バーのくだりとか、出会った男性に奥さんがいて「君がそういうことを気にするとは思ってなかった」というセリフもそれっぽいなと。 とはいえ、双子の妹がいなかったことには驚いた。 全然違うけどひぐらしのなく頃にを思い出した。 ●なんて素敵な握手会 たったの4ページなのにどんでん返し。 見事に騙された。先入観って怖い。 ●消費税狂騒曲 登場人物の苗字に三、五、八がついてて消費税なんだな〜と八代さんが出てきたところで気づいた。 この本の中で一番つまんなかった。(逆に言うと、この話以外は全部面白かった) ●九百十七円は高すぎる こちらも消費税のお話。 出た出た、得意の百合展開だと思いながら読み進め、主人公のソワソワする気持ちとリンクしながら全裸待機してたけどダメでした。 ●数学科の女 クールな男性と悪女の組み合わせはセカンド・ラブっぽい。 最初に確率の話が出てきたので、これ絶対他の男ともくっついてるでしょと思ったら案の定。 女性も怖いけど主人公もなかなかの壊れっぷり。
お気に入りは「数学科の女」 強かな女性の処世術に引いてはいましたが、それを受け入れて尚も興味を失わない箕浦のメンタルの強さが脱帽でした。何だかんだ言って、結婚しそうな感じですよね。
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