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祝・柴田勝家(武将)生誕500周年 文化人類学、SF、バーチャルアイドル――《信仰》をテーマに繋がる柴田勝家の真骨頂。「クランツマンの秘仏」ほか全7篇の短篇集
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Posted by ブクログ
信仰や死といった概念が科学技術の進歩によってどう変化してゆくのかというテーマの短編集。人間の根幹にあるこの概念が人間たらしめる変わらなさを感じた。
最新科学技術と人々の繋がり、想いが描かれていくような短編集。噛み合わせの悪そうな題材がどこまでもエモい。バランス感覚が本当にすごい。 表題作は死後データベース化される世界でのVtuberのリバイバル。タイトルやばない?
・オンライン福男 VRで福男の競争をするというコメディチックな話。ただ、そこに現実味が伴うのが我々の文明の現在地を感じさせる。 ・クランツマンの秘仏 短編アンソロジー「異常論文」に掲載された、信仰が質量を生じさせ存在を実在させるという論文と、その実験を行った人物に関する記録。ドラマによって著者への共...続きを読む感が物語に存在感を与えることと相似するところが見事。 ・絶滅の作法 ポストアポカリプスものの亜種のような作品。日常への哀愁と文化の継承者になる話。 ・火星環境下における宗教性原虫の適応と分布 宗教や言語を寄生虫と捉えて寄生された人間の行動が変容させられている、といった内容の論文風短編。物事の主従を反転させるのは王道の手法だけれど、宗教が人間に寄生しているという題材の選定とディティールの筆致が見事。 ・姫日記 戦略ゲーマーが美少女だらけの戦国時代に異界転生、みたいな内容のユーモア作。戦略ゲーマーは共感するところも多い。オイチのつけかたはダイナミック。 ・走馬灯のセトリは考えておいて VTuberをモチーフとした表題作。テクノロジーは人間の意識や魂を解明して再現もするだろうけれど、その先にある身体という限界からの開放をグラデーション的に、現実から緩やかな境界で繋がっているものとして描いている未来観が素晴らしい。 表題作らしい読み応えもあって面白かった。
秘仏の話は、自身の人生と研究が重なり異様な熱を帯びた研究者を第三者の視点から書く民族史のような文体が「ありそう」で面白かった。 エンタメとしては走馬灯がいちばん面白かった。死後も残されたもののためにクローンを残す設定だけでなく現在のVブームを数世代前の文化として描くこともSFっぽい。 (元)文化人...続きを読む類学生としての好奇心が刺激された。
柴田勝家はなかなか食指が動かず今回このタイトルのあまりのキャッチーさに心動かされ初めて手に取る。 短編集なのだが、信仰とはなにか、信仰の役割とはなにかということをSF的に切り込んだ作品が半数を占める。 昔から存在する宗教からアイドルに対する偶像崇拝まで。対象を問わず、なにかを純粋に信じることで生ま...続きを読むれる力と、その力がもたらす心の安寧。拠り所の重要さ。 なかなかに深いテーマを軽妙な題材に乗せ、我々にわかりやすく伝える技術が素晴らしく、食わず嫌いをするものではないなと反省。
自分や大切な人の魂を記憶をバーチャルとして保存できるとしたら『死』とは一体何なのだろう。 『死=この世からの引退』と言われる世界で、壮大なラストライブが始まる。 やっぱり著者が書く架空世界は突き詰められていて面白い。
安定のおもしろさ。壮大なホラ話を読んだような何とも言えない爽快感がある。だからといって荒唐無稽に過ぎることはなく、精緻で細かい舞台設定がリアリティにもつながって、少しも陳腐な感じがしない。 コロナ禍で福男の神事がオンラインで行われ、どんどんエスカレートしていく近未来を描いた「オンライン福男」、信仰...続きを読むには質量があるという自らの学説に取り憑かれた男の顛末を描いた「クランツマンの秘仏」の2本は特に印象的。 だが何と言っても、書き下ろしの表題作「走馬灯のセトリは考えておいて」は傑作である。生前のライフログからAIが生成した分身を残せるようになった世界。この世とあの世の境界が曖昧になりつつある世界で、往年のバーチャルアイドルが、この世からの「卒業」ライブを決行する。正に今にドンピシャな物語。 どの作品も想像力がガシガシと掻き立てられる。これぞSFの醍醐味。読むなら今。
表題作がとても良い。AIがポンと進化してるこの時代にこそ読むべき作品。ライフログを入力することにより、あたかもその人かのような人格が死後にも再現できる世界。まさに、いまAIで癖を覚え込ませたりファインチューニングしていることがすすめば実現できることである。 さて、その結果生まれた人格はどのようなもの...続きを読むと扱えば良いのか。死と生命と信仰。本短編集を通して語られるテーマを、表題作が引き取って示してくれる。 なお、異常論文に掲載されたクランツマンの秘仏も大変良いもの。その他は、少々ライトというか自分好みではなかったので星四つというところ。
宗教とか生と死とに関連するSF短編集。 「火星環境における宗教性原虫の適応と分布」は宗教の伝播を原虫に繁殖になぞらえて論じています。固い文章でもっともらしく書いていますが、こういった遊びがいかにもSFです。 表題作である「走馬灯のセトリは考えておいて」は、ライフログや日記などから、死後にその人の人格...続きを読む(もしくは人格を模倣するもの)をAIとして残せるようになった世界を描いています。死後に人格が残るお話はほかにもいろいろあるし、いつか実現しそうな技術ですが、現実としてはどうなんだろうとか思ってしまいます。でも作家死後にAIが続きを書いてくれるとかはいいかもと思ってしまったり。
Vtuberを題材にした文学や議論もかなり増えてきて、技術も日進月歩。もはやSFとの境目が曖昧になってきたけど、やっぱり魂の所在についてはずっと考えてしまう。全部同じ人が書いてんの?ってなるくらい雰囲気がバラエティ豊かで面白い。表題作と届木ウカさんの解説目当てだったけど、クランツマンの秘仏が骨太でか...続きを読むなり刺さった。仏像、大好きだからな。
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走馬灯のセトリは考えておいて
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