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八年前、卑劣な罠で新聞記者を追われた畝原は、以来探偵として一人娘の冴香を養ってきた。ある日、畝原は娘の通う学童保育所で美貌のデザイナー・姉川明美と出会った。悪意に満ちた脅迫状を送りつけられて怯える彼女の依頼を受けた畝原は、その真相を探りはじめたが―。畝原と姉川が出会う猟奇事件を描いた短編「待っていた女」と長篇「渇き」を併録した、感動のハードボイルド完全版。 (解説・長谷部史親)
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Posted by ブクログ
探偵畝原シリーズの華、姉川との出会いを描く「待っていた女」と娘・冴香との絆が深い長編「渇き」の併録されたハードボイルド完全版。 畝原シリーズの中では一番のお気に入りです。
ススキノ探偵シリーズが読み終わったので、 畝原シリーズに手を出してみました。 篠原は、ススキノ探偵シリーズにも出てきたななどと思いながら読み進めました。 キャラ的には、「俺」よりも畝原の方が好きです。 ストーリーも面白かったです。 少なくとも、ススキノ探偵シリーズの最後の方よりは… 本シリー...続きを読むズの他作品も読んでみたいと思います。
表題作は、短すぎて起承転結がダイナミックさを欠く。オチが弱いというか、後半のどどどっという怒涛の展開があっけなさすぎる。まあ仕方ないよな。娘がまだ無邪気なお子様で、かわいい。子どもたちの成長を見守るのも本シリーズの楽しみの一つである。 渇きは、嫌な刑事である井原がいい味を出している。うねはらに対する...続きを読む嫌味が陰険で陰惨で、たまらない。 2020.3.5再読。 凡百の書き手なら美談にしかねない井原の真摯さを徹底して疑ううねはらの態度、筆者の人間観察の際の冷徹な視線が垣間見える。 印象に残ったのは、ラスト。これまで自分の子どもの大切さというのが実感としてはわかっていなかったのだろう。 空手の描写が弱いことにも気付いた。攻撃を外受けで受けるとか、形式的すぎる。空手を離れたアクションの描写はいいのに、なんでだろ?
2014.5.25ー37 結末が軽過ぎた感は否めないものの、相変わらずの軽快な展開と台詞回しで充分に楽しめた。
東直己さんのススキノ探偵シリーズが好きなので 他シリーズも気になり読んでみました。 かなりのハードボイルド。 ススキノ探偵シリーズと比べて、 主人公がかなりの常識人というのも対比できて面白い。 同じ場所を舞台にしているので色々な登場人物が 交錯するのも楽しめます。
強烈な犯人たちだったけれど、 なんだか、傍観者のはずの 端野教授が一番クセモノな感じが・・ しかし、人間狂ってて当たり前、みたいな人が多くて、驚き。 バラバラな感じが、グワーッとひと固まりのおおきな事件になっていく、その感じがとても面白くて、 飽きなかった。 そんな中で探偵畝原さん、お父さんなところ...続きを読むが ホッとしたかな。 娘の冴香ちゃんを救いだす、最後のところは ちょっと、かっこよすぎるくらいだけれど、 一人しかいないお父さんは、ヒーローは、これくらいでないとね。
端野教授の妙な依頼を受け、無事その仕事を終えた畝原はアテナ女子短大の学生である村中静恵より『ナビゲータ』の社長のセクハラ現場を押さえてほしいと依頼を受ける。 同じような被害をこうむっている友人達よりかき集めた依頼料は20万。美人局のような依頼に気乗りしないものの何故かその依頼を受注する。ターゲットで...続きを読むある梶山と静恵の友人である貞子が首尾よくホテルへしけこみ、現場を押さえるはずだったのだが、貞子は殺され、ターゲットの梶山はホテルの屋上より飛び降り自殺を図った。一見、単純なこの事件は探りを入れてゆくうちに複雑な様子を見せ出した。ナビゲーターの営業二部の妙な噂。そこに席を置く生野の不可解な事故死。娘の冴香の周りにうろつく怪しい陰。大物資産家からの破格の依頼。一つ一つバラバラな様相を見せていた全ての出来事はやがて一つの結末へと流れて行く。 「待っていた女」の方は短編なのでかなり物足りない感じはあるが、「渇き」は面白い。まず主人公の畝原が好きだなぁ。一生懸命『おとうさん』してるし。芋ずる式に色々と出てきて最初から最後まで飽きが来ない。全くの傍観者だと思っていた人物の一人を「あー!こんな処に絡ませるのかっ!」等と、してやられた。いやはや奥が深い。 最後のシーンは、歯切れが良すぎて「もうちょっと書いて欲しいんだけどぉー」と思ったのは、読者のエゴですかね?
『待っていた女・渇き』 東直己 著 官能小説みたいなタイトルだが、ゴリゴリのハードボイルド。 私立探偵畝原シリーズ。 元新聞記者あがりの私立探偵。東作品安定の舞台は北海道。 一つの依頼を機に、猟奇事件にはまり込んで行く。愛する一人娘を守るため、中年探偵畝原。 時代設定は平成初期かな?携帯とPHSが...続きを読む直接繋がらない時代ってことは。 東作品は時代設定が前時代であっても古臭さ、野暮ったさが全く感じられないから素晴らしいね。
作者のシリーズはどれも読ませるけど、畝原はキャラが突出していない分ストーリーに引き込まれる。 畝原がまともな分、周りが壊れている。 悪党どもがおぞましい。 仲間がいい仕事するけど、最後は自分でけりをつけて、かっこいいね。
姉川と畝原の出会うきっかけとなった事件と、相変わらずスッキリしない事件と人の醜さを見せつける事件、そして巻き込まれる娘。畝川シリーズのパターンになりそうな気配
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