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親を亡くし一人になった20歳の夏、父よりも年上の写真家の男と出会った――。 男の最後の写真集を前にあのひとときが蘇る。妙に人懐っこいくせに、時折みせるひやりとした目つき。 臆病な私の心に踏み込んで揺さぶった。彼と出会う前の自分にはもう戻れない。 唯一無二の関係を生々しく鮮烈に描いた恋愛小説。 解説・石内都 ※この電子書籍は2019年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
「人に沼る」ということを丁寧に描いている物語。 今まであまり写真には興味がなかったが、世に知れているカメラマンの写真集を見てみたいと思ったし、自分も写真を撮ってみたいと思った。 千早茜さんの他の作品も読みたいと思った。
読み終わってすぐに『どうして装丁が"りんご"なのだろう』と不思議に思った。 物語の鍵になるのは、同じ果物でもりんごではなく桃なのに、何故?と。 神様とりんごといえば連想されるのは禁断の果実。 食べることを禁じられていたのに、口にしてしまったアダムとイブ。その結果、ふたりは知恵を...続きを読むつけ、神によりエデンの園を追放されてしまう。 一度口にしてしまえば、口にする前には戻れない。 藤子も似たようなことを語っている。 「誰かと関わると、もう出会う前の自分には戻れなくなってしまう」と。 全さんと出会い、彼が世界のすべてと思うほどの恋を知ってしまった藤子。 残り僅かの命であるのに、命の塊のような藤子と出会い、その生命力に魅入られ、嫉妬し、執着心を覚えてしまった全さん。 関わってしまったことで、以前の自分たちには戻れなくなったふたり。ふたりは各々にとって禁断の果実だったのかもしれない。 こんなにも烈しい恋愛なんて、もうできないし、したくないなぁ。
千早茜さんの作品の中で初めて読んだ作品。 純愛ではあるのだろうが、歪な愛の形。好きとはなんなのだろう、と考えさせられた。そもそも動物に好きという感情はあるのだろうか、本能で、惹かれ合う、本来は人間もそうではないのだろうか。 一夏を共に過ごして、季節が過ぎるのと同じように去っていった全さん。冷静に考え...続きを読むたらひどいことをされているのだろうけれど、憎めない何かとかを持っていた。熱い思いだけが心に刻まれる。そんな一夏の経験はこの本の題名の神様の暇つぶし にとてもあてはまっているなと感じた。私はとてもこの作品、千早さんの世界観が好きです。
経験したことが無いのに知っている、という感情に終始浸っていた 私が感じたこの感情は何に対する感情なのか、恋なのか親しい人を喪うものか、考えた時にこれは生きる、という事に対する感情のではないかと思った。 一文一文が美しく廃退的な雰囲気と明るく前向きな雰囲気が混ざり合い独特のコントラストに満ちていた。...続きを読む 私がこの本を映画にするのならば昔ながらの幅が狭いフィルムで、基本は白黒で唇の赤さや桃だけ鮮やかな色で撮りたいなぁと思った。
生々しく五感にヒリヒリ訴えかけてきた。 美醜や魅力は姿型に無関係なんだと改めて思った。 性的に惹きつけられるのってなんなんだろう。 好き嫌いの好みの問題でもなく理性では抗えないもの。 命、魂で感じるもの。 全さんの圧倒的な魂の写真が見えるようだった。
父が死んでひとりぼっちになり、停滞していた藤子の時間を動かしてくれたのは、近所の写真館の息子で30歳ぐらい年上のカメラマンの全さんとの出会いでした、なんて。しかも年上の余裕と、危なっかしさをあわせもっていたら恋に落ちてしまいますよね。残された藤子の方が辛いかもしれないけど、全さんが最後に「死期が近づ...続きを読むいたら味覚が変わるとか、世界が違って見えるとか、言うけどそれって死にたくないくらい大切なものがある奴だけなんだろうな」、「なんかわかったわ」と言うぐらい大切に思われていたんだなということを、誇りに思って進んでいってくれればいいなと思いました。
【2023年141冊目】 読み始めてすぐに、「あー、これは好きなタイプの作品ですね」って思ったんですけど、案の定非常に良かった。ところどころで死を匂わせてくるのもずるかったですね。勝手に先を想像して、勝手に泣いてました。 年の差で「えー」って思うかもしれませんが、年の差に囚われるのはもったいないな...続きを読むと思ったりします。なんというか、関係性、距離感、出会ったタイミング等々、全てが二人にとって良かったんだと思うんです。もっと早く出会っていれば、もっと同じ時を過ごせたのにと思わなくもないですが、悲しいけれど、これが二人にとってのベストだったんじゃないかなと。 写真集を見るところは、欲を言えばむき出しの感情の揺らめきがもっともっと、重いくらいに見たかったかなと。これは個人の受け取り方だとは思いますが。 「男ともだち」と争うくらい好きな作品です。
千早さんの言葉の連なりを、ひとつひとつを噛み締めるように読んだ。 会ったことのないのに[知っている]と感じる人、毎日同じ空間にいるのに[知っている]とは思えない人。 もう出会う前の自分には戻れないと感じる人。 泣きたくなったら食べればいい。 泣きながらでも飲み込めば、食べた分だけ確実に生きる力にな...続きを読むる。 いつかの本で、 “泣きながら食べられる人は大丈夫だ。” という言葉を読んだことがある。 これはそれと同じだ。 途中から、すでにもう⭐️は5だった。
語り手の柏木藤子が、大学生の一夏を30歳以上歳の離れたカメラマン・廣瀬全と過ごした物語。切なくて哀しい、けれど「生きてる」ってこういうことかな、って思った。 この小説には食事のシーンがたくさん出てきて、そこで藤子の生命力や若さも感じるのだけれど、とても美味しそうな描写ばかりだった。 全さんとのたっ...続きを読むた一夏の関係。それは「暇つぶし」のようなものにも見えてしまうのかもしれないけど、当事者は、その瞬間は、本気だし永遠を願いたくなってしまう… 藤子と程よい距離感で、良き理解者の里見の存在もよかった。千早茜さんの作品は好みのものが多いが、この小説もお気に入りのひとつになった。
千早茜さんの作品に初めて触れたきっかけとなった一冊。湿度の高い空気感でストーリーが進んでいく感じがとてもリアル。歪んだ愛の迎える結末に涙した。里見のアナザーストーリーが欲しい。里見のことをもっと知りたくなる。
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