ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
3pt
廓遊びを知り尽くしたお大尽を相手に一歩も引かず、本気にさせた若き花魁葛城。十年に一度、五丁町一を謳われ全盛を誇っていたまさにそのとき、忽然と姿を消した。一体何が起こったのか? 失踪事件の謎を追いながら、吉原のすがたを鮮やかに描き出した、時代ミステリーの傑作。選考委員絶賛の第一三七回直木賞受賞作。
アプリ試し読みはこちら
Posted by ブクログ
松井今朝子による、第137回直木賞受賞作。 十年に一度、五丁目一と謳われた、吉原・舞鶴屋の花魁、葛城。 全盛を誇り、また身請けも間近だった葛城が、ある日、忽然と姿を消した。 いったい何が起きたのか。 物語は葛城を取り巻く幾人もの証言からなる。 引手茶屋の内儀、舞鶴屋の見世番、番頭、番頭新造、葛城...続きを読むと枕を交わした男たち、遣手、舞鶴屋の主人、床廻し、幇間、女芸者、船頭、女衒、葛城を身請けするはずだった男、葛城の上得意。 彼らは葛城の思い出とともに、自らがなぜ廓にいて、どのような役割を果たしているのかも語る。耳慣れぬ仕事もあるが、無理なくその内実がわかる。同時に、異なる視点から映し出された廓が立体的に立ち上がるという巧みな構成である。 読み手は廓というある種の異世界の奥へと自然に誘われる。もちろん、葛城の謎の奥底へも。 葛城は不思議な花魁である。 廓に来たのは13、4のころで、花魁になるために仕込むには年を取り過ぎていた。そこから誰もが驚くような稼ぎ頭になった。 容貌は美しく、怜悧で床あしらいもうまい。頑固で子供のように負けず嫌いな一面も見せれば、相手の懐にすっと入り込み、心を捉えてしまう人たらしな面もある。 だが、それだけではない。葛城の心の奥には、底知れぬ「闇」がある。 その闇に、あるいは人は魅入られてしまうのかもしれない。 聞き手はさまざまな語り手の元を回る。次第に事件の全貌が見えてくる。 あれやこれやと聞き回っていた聞き手とは誰だったのか。 証言者が最後に見た葛城の表情に息をのむ。 消えた葛城の後ろ姿が、物語の余韻とともに鮮やかに脳裏に焼き付けられる。 *『木挽町のあだ討ち』を読んでいて思い出しました。 複数の人物が、ある人物について語る。その人物はある事件のかなめであり、謎を抱えている。多くの人々の証言が、その人物の人となりとともに、芝居小屋なり廓なりといった小さな社会を多面的に描き出す。さらには意表を突く背後の真相。・・・といった点で、構造としてはよく似た2作だと思います。 『吉原手引草』は昔読んでおもしろかった覚えはあったのですが、レビューを書いていませんでした。よい機会なので読み直してみました。
物凄い面白かった 数年に一度レベルの本! 大好きだった 主役は全く出てこず 周りの登場人物から 本当に少しずつ少しずつ輪郭が浮かび上がっていく様は見事で 楽しく楽しくて一気に読んでしまった もともと 吉原ネタが大好きだが 男女の性や業みたいなものまで とにかく豊かに彩られ 素晴らしかっ...続きを読むた 話の筋も表現方法も最高! 登場人物が多いのに とてもバライティーに富んでた とても良かった
失踪した花魁・葛城のことを、吉原の内外で尋ね歩く男を通して、葛城というミステリアスで気高い女性の半生が語られる。と同時に、失踪事件の影に隠されたもう一つの物語が徐々に浮かび上がってくるという仕掛け。 読み終わってみたら、人情ものだったな~としみじみ感動した。 遊郭の仕組みも分かりやすく説明されており...続きを読む、興味深かった。
Audibleで。ちょっとびっくりしたおもしろさ。 吉原の人々に話を聞いて回りながら、かつらぎ花魁の事件の真相に迫っていくという体裁。事件の解決させるミステリーもおもしろかったが、吉原の風習や江戸の人々の考え、カルチャーなどが差し込まれるところが、二度おいしい感じ。 かつらぎ花魁のあっぱれな生きざ...続きを読むまに、3度おいしい。 かつらぎおいらんを助ける周りの人々の情に、4度おいしい。
落語でよく聞く言葉が字で書いてあり、うんちくものになっていた。 ミステリとしての欠点、語り口の変わり映えのなさを指摘する意見もあるみたいだけど、楽しく読めた。 新聞小説で筆者を知り、まずは賞を取ったものだから面白いだろうと手にした。別のも読んでみたい。 映画化されたら誰が葛城になれるだろうかと...続きを読む想像した。浮かぶほど俳優を知らないことがわかった。
これは、直木賞とかそういう付加価値を抜きにしても、十分に楽しめる作品だった。やっぱり自分は、こういう色んな視線からひとつの事件を見た、的なストーリーテリングが好きだな、という思いを新たにした次第。中心となる花魁や、主人公たる聞き手が、実際には物語中に登場せず、周りの評判などからその姿を浮かび上がらせ...続きを読むる手法も、本作では有効に働いている感じです。その題名通り、吉原の手引き書としても役割を分に果たしていて、怖いもの見たさ的充足感も得られる仕組み。興味深かったです。
詳細や個人的な感想文はいらない。もう凄いの一言。とにかく読書家も読書に興味が無い方も読んでみてください。そうそう出会えない日本文学最高峰の快作です。最後に改めて…はぁ凄かった!!!
おもしろい。 インタビュー形式っていうのが面白い。インタビュアーの人のセリフは全然なくて、相手のセリフのみで形成されているんだけど、違和感は全くない。遊郭の専門的なことも、セリフの中ですんなりと説明できていて、難しくないしスラスラと読める。中で働いている人はもちろん、遊郭へ通っていた人や、関わってい...続きを読むる人…など、いろんな視点での遊郭を感じれて新鮮だった。 行方不明の花魁自身も出てきたらもっとよかったのになぁ。それと、事件の真相は分かるものの、彼女がどこへ行ったのか語られていないのが、腑に落ちなかった。 でも、とっても面白いので迷っている方はぜひ。
吉原一の花魁が惹き起こしたある事件を、戯作者が関係者に聞きまわり、次第に真相が明らかになっていくという話です。 手引草という題名からもわかるとおり、読み進むうちに吉原と言う特異で絢爛な世界が徐々に浮かびあがり、そこに暮らす人々の営みが手に取るようにわかるようになります。 時代ミステリーとし...続きを読むても絶品で、直木賞にふさわしい作品です。 時代的に男性上位社会の中で、鮮やかに世の男の鼻を明かしたラストは、女性読者には爽快なのではないでしょうか。
優れた構成
主役 ヒロインの葛城花魁には最後まで語らせずに、周辺人物の証言で話を構成してゆくという、なかなかに凝った構成を取っている。話が進むに連れて段々と真相が明らかになってくる というクレッシェンドな話の進め方は大筋でいいのだが、途中やや中だるみ冗長なところが見受けられた。逆にエピローグ解決編がやや短すぎる...続きを読むようにも感じた。
レビューをもっと見る
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
新刊やセール情報をお知らせします。
吉原手引草
新刊情報をお知らせします。
松井今朝子
フォロー機能について
「歴史・時代」無料一覧へ
「歴史・時代」ランキングの一覧へ
東洲しゃらくさし
江戸の夢びらき
江戸文化の華 料亭・八百善を追う
円朝の女
大江戸亀奉行日記
仮名手本忠臣蔵
歌舞伎の中の日本
愚者の階梯
「松井今朝子」のこれもおすすめ一覧へ
▲吉原手引草 ページトップヘ