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「すごい声を見つけてしまった」。一本のカセットテープから流れる歌声が、松田聖子の始まりだった。芸能界入りに強く反対する父親、難航するプロダクション探しと決まらないデビューなど、相次ぐハードルを独特の魅力を武器に鮮やかにとび越えていく。地方オーディションに夢を託した、「他の誰にも似ていない」16歳の少女の存在がやがて社会現象になるまで、間近で支え続けた伝説のプロデューサーが初めて明かす。
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Posted by ブクログ
レポートを書くため、参考文献として読んだがとても面白く、興味深かった!!山口百恵、松田聖子…と言った昭和を代表するアイドルの方々は現代のアイドル像(大人数、歌って踊る)とは異なっていて、興味を持った。松田聖子が『誰にも似ていないアイドル』として花開いていくまでの道のりを若松プロデューサーの視点から書...続きを読むいている。 デビューまでにこんなに紆余曲折があったとは…それにしても、若松氏の粘り強さと人脈と芸術方面にも長けた直観力、聖子ちゃんの運を手繰り寄せる人望の厚さがよく分かった。 こんな子は売れないよ、と何人にも言われて、それでも自分の直感を信じ続けるのは中々できないことだと思う。 名だたる音楽家、作詞作曲家の方々が楽曲に関わっているので、すぐに曲を聴きたくなった。 聴きたい歌手の曲を数タップですぐに聴ける、なんて便利な時代だろう…。 本書は神田沙也加さんが亡くなられた後に書かれている。後書で聖子さんへエールが送られている。思わず泣きそうになった。
デビューの契機から1980年代を通じて松田聖子の楽曲をプロデュースしてきた当時CBS・ソニー社員だった著者の自叙伝。そうであるがゆえ,文体に主観的な印象を拭えないが,松田聖子本人が自身の歴史を自らの文体で残さない以上,80年代における松田聖子史の貴重な「一次資料」だといえる。これに付け加えるならば...続きを読む,本編は,デビュー前に著者に郵送した松田聖子の手紙が6通引用されているという「史料紹介」の役割も兼ねている。 本編は176頁までだが,残りの60頁近くを「アルバムとシングルについて」と題し,当時プロデュースした楽曲の成り行き,作詞家・作曲家とのいきさつ,アルバムの構成について述べられているのは,興味深い。些か本編と同じ内容が繰り返されている箇所も少なくないが,おそらく,これは,「アルバムとシングルについて」が先に執筆され,それを受けて本編が書かれたためだと思われる。 本書のタイトルである「松田聖子の誕生」には,3点の意味合いがあるのだと推測される。 第1点目は,文字通り,松田聖子本人の誕生である。蒲池法子という高校生から松田聖子という80年代最強のアイドルが誕生したプロセスは,本編を通じて余すところなく語り尽くされている。 第2点目は,「松田聖子」という音楽ジャンルの誕生である。著者も述べているように(144-145頁),松田聖子の楽曲は歌謡曲でありながら,当時洋楽的センスに満ちあふれた作詞家・作曲家・編曲家たちによって作られたものであり,それが娯楽性溢れる歌唱法によって歌謡曲に収まってしまうという特徴がある。そのような音楽ジャンルは1970年代までには存在していなかったことから,「松田聖子」は新たな音楽ジャンルを誕生させたといっても過言ではない。 第3点目は,「松田聖子」に代表されるリゾートやトロピアカル・アイランドといった海外旅行の誕生である。80年代には新興の旅行代理店も参入し,ますます海外旅行が身近になっていくが,「松田聖子の誕生はちょうどその過渡期とも重なっていた」という文面が,本書のタイトルにもちょうど重なっていた点を,看過してはならないだろう。著者がアルバムのキャッチコピーを考えるときに,『anan』をはじめ,女性ファッション誌を意識して見ていたというのも,その象徴である。 著者が,聖子の父親と初めて対面したのが,西鉄グランドホテルだったというのも,本書を福岡で読んでいるからこそ,非常に興味深い。 本書の原稿は,2022年の初夏に書かれたという。前年末に神田沙也加さんが亡くなったことで,本書の文面は,その母親に対するエールであるようにも伺えた。
松田聖子が筆者である若松プロデューサーにスカウトされ、サンミュージックと契約てCBSソニーからデビューし、大スターになるまでと、その後が語られる。彼女はオーディションで入賞してすんなり歌手になれた訳ではなく、父親の強硬な反対があった。そこをなんとか説得するまでが前半の読みどころ。 若松氏が総合的に聖...続きを読む子をプロデュースして私生活も含めた面倒を見ていたとは知らなかった。デビュー曲「裸足の季節」のCMタイアップにまつわる逸話はファンには有名だが、リアルタイムで河合奈保子派の私ですらお馴染みのことでも「裏方目線」だと新鮮だ。 聖子が大ヒットを連発し、80年代を代表するアイドルになれた理由、その経緯やシングルとアルバム製作秘話が後半。年にシングル4枚、アルバム2枚はかなりのハイペースだが、作詞家、作曲家、編曲家、ミュージシャンへの発注は若松氏の差配で、タイトルやコンセプトやアートディレクションもほとんど彼が考えていたとは知らなかった。15thアルバム「シトロン」までが氏の担当で、以後は手を離れる。聖子がその後どうなったか、言外に含みが感じられる。私の評価は「若松宗雄氏プロデュース、松本隆氏作詞の頃がいちばん良かった。聖子の作詞のセンスはひどい」というものなので、あしからず。 あとがきで神田沙也加と松田聖子に語りかける言葉に胸が詰まった。聖子ファンのみならず、昭和歌謡好きにも楽しめるはず。読みながら思わず彼女のCDをポチッてしまった!
松田聖子誕生の秘話がとても興味深く読めた。サブスクで曲を聞きながら読むとなお良し。 横道にそれた話が多いのがやや残念。
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