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初の国産アニメが作られてから、一〇〇年余り。現在、海外でも人気が高く、関連産業も好調だ。本書は、今や日本を代表するポップカルチャーとなったアニメの通史である。一九一七年の国産第一作に始まり、テレビでの毎週放送を定着させた『鉄腕アトム』、監督の作家性を知らしめた『風の谷のナウシカ』、深夜枠作品を増大させた『新世紀エヴァンゲリオン』など、画期となった名作の数々を取り上げ、その歴史と現在を描く。
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Posted by ブクログ
その名の通り、この一冊で日本のアニメ史の流れを把握することができる。 タイトルには監督の名前が入っているが、個々の作家性よりかはどのように受容されてきたかの方に重みがある。 意外だったのが戦前のアニメに四分の一程の紙幅を割いていることだ。 アニメ史というと大体が白蛇伝とアトムから始まるイメージがある...続きを読むのでとても興味深く読んだ。
いい意味で熱っぽくない冷静な通史で、タイトルから期待される内容はだいたい摂取できる。それでいて、「アニメーターの劣悪待遇は手塚治虫のせい」説にしっかり異論を唱えたり、終章では『エヴァ』以降アニメ史に大きく影響を及ぼすタイトルが出ていないことを危惧していたり、作者自身の考えもあるのが好印象。
完全に未知の情報は特にないが、それでも未整理だった戦前の記述は参考になる。 既知の情報も、マッピングと定着。 類書をあまり知らないが、おそらくかなりいい本。 @ 内容 初の国産アニメが作られてから、一〇〇年余り。現在、海外でも人気が高く、関連産業も好調だ。本書は、今や日本を代表するポップカルチャ...続きを読むーとなったアニメの通史である。一九一七年の国産第一作に始まり、テレビでの毎週放送を定着させた『鉄腕アトム』、監督の作家性を知らしめた『風の谷のナウシカ』、深夜枠作品を増大させた『新世紀エヴァンゲリオン』など、画期となった名作の数々を取り上げ、その歴史と現在を描く。 目次 1906年 アニメーションとは何か 1917年 3人のパイオニア 1945年 プロパガンダが技術向上をもたらす 1956年 東洋のディズニーを目指す 1963年 空を越えて 1974年 戦艦、目覚める 1979年 空前のアニメブーム 1984年 100年後からの警鐘 1995年 最大の転換点 2006年 グローバリズムの光と影 2016年 揺るぎない長編アニメ大国 2020年 リモートの時代
アニメについて詳しくなくても、 読んだあとアニメについて知ったかぶりできそうな本! (非常によくまとまっているという事で褒めてます)
黎明期から、今日のサブカルチャー要素の一つとして語られるようになるまでの軌跡が書かれた本。 最初は難しく感じましたが、読み進めていくうちに知っているアニメの名前も徐々に出てきて興味深い内容だったし、アニメが今日の日本にもたらした影響を学べた。
アニメーション研究者 津堅信之氏による日本のアニメーションの歴史をまとめた著作。明治・大正から戦前・戦後を経て現在に至る国産アニメーションの歴史を概観できます。80年代のアニメブームに至る前の時代にページ数を割いており色々な意味で面白かったです。アニメや漫画は学術的に調査などが行われているとは言い難...続きを読むいので、どんどん資料が失われていっていると思われるこの時期に本書が登場した意義は大きいと思いました。いわゆるアニメ作品を解説するようなものではないので注意が必要。
日本アニメの歴史を追った本。 戦時中は言論統制がひかれ好ましくない映像が規制されていたが、アニメーションは「動く絵により全てが鮮明であり印象が強くて記憶度が高い」として軍部が注目しスポンサーとなっていたことや、テレビアニメの登場によって作品ジャンルの拡大が起こったことなど数々のアニメの背景を知ること...続きを読むができた。 「アニメ」は日本で大きく成長した分野だが、今後については多くの課題が残されている。 例えば、海外でもAnime人気は高まっていたが今ほどアニメの海外輸出に積極的でなかったために海賊版が横行し、アニメ業界の人にその分の利益が還元されなかったこと、供給方法がDVDから配信へと移行し、Netflixを代表とする海外大手配信プラットフォームに切り替わったことなどである。 今後アニメ産業はどのような手を打つのか、それを考えるうえでも今の時代は重要な転換点だと感じた一冊だった。
筆者が書いているように、アニメ作品史であり、監督史観である。アニメについての卒論で、歴史を簡単に解説しているので、少し参考にするのはいいであろう。ただし、アニメの定義やアニメについての研究はほとんど記載されていないので、日本アニメの歴史を読み通すことにとどめておくのがいい。実際はyoutubeで動画...続きを読むを見せながら説明されるとより分かりやすいのであるが著作権上でむりがあろう。
筆者の「これからの日本アニメは、今のままでいいのか、ガラパゴス化になりはしないか、クール・ジャパンと胡座をかいていて良いのか」というアニメ好きの気持ちを直接受け止める、熱い本だった。
アニメ作品史ですね。アトムをリアタイで見てきた人間としては、うまくまとまっているなと感心する。「アトム」「ヤマト」「ガンダム」「エヴァ」をアニメ史の中でのエポックとするのには異論はあるけど。いずれもテレビシリーズをあげており、しかもアトム以外は打ち切り作だからね。後出しジャンケン的なところはあるかな...続きを読む。でも「ガンダム」「エヴァ」ではアニメ作品のファンが制作側になるということに価値がある。またビジネスになったという意味でも。 それにしても、「虫プロ」の制作費の安さを糾弾していた宮崎駿の「ジブリ」で、アニメーターの給与が訴訟騒ぎになるなんて皮肉なもんだ。
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