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大正14年に創刊された国民雑誌「キング」に発表されたこの作品で、従来の幾つかの筆名に別れを告げ、新たに吉川英治が誕生した。――美男で剣を見るのさえ身体がふるえる春日新九郎が、兄の仇、富田三家随一の名人、鐘巻自斎を相手に戦うまでの数々の辛苦と、剣難女難。――この一作が呼んだ反響、つづいて生まれた幾多の名作。本書は、吉川文学の輝かしい原点といえよう。
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Posted by ブクログ 2017年08月26日
吉川の本格的歴史小説処女作。 へたれ若侍が、兄の仇である剣豪と再戦果たすまで。 道場は追い出され、酒に溺れ、女に惑わされ、それでも最後には大望果たす。宿敵もすがすがしい人物。 『宮本武蔵』の原型のような構造がほの見える。 光子の御方のただならぬ暗躍ぶりは、由美かおるで再生された。
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