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17歳のかんこたち一家は、久しぶりの車中泊の旅をする。思い出の景色が、家族のままならなさの根源にあるものを引きずりだす。50万部突破の『推し、燃ゆ』に続く奇跡とも呼ぶべき傑作。
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Posted by ブクログ
とてもとても良かった。著者の書く家族の姿はどの作品でも本当にリアルだ。とりわけ本作では親と子の共依存関係(この関係性を依存と呼ぶことを主人公は拒否している)の描写がリアルすぎて始終胸が苦しい。最後はどんなに地獄でもその中に少しだけ見える希望に縋ってしまう。やはり家族なのだと思わされてしまう。 いく先...続きを読むが地獄だとしても家族というくるまに乗ってどこまでも行くしかないのかもしれない。
ひたすら重い空気 どうしようもなく不幸なわけでもないけど、決して幸せではない でも案外こんな家族って多いと思う 読むのにエネルギーがいるので、元気な時にもう一回読みたい
相変わらず、親の見たくない部分を描くのがうますぎる。 家族間の攻撃し攻撃され、庇い庇われ、それでも尚自分の意思で一緒にいる。「愛」という言葉は一切使われていなかったが、「愛」をすごく感じた。 家族に対して「感謝しないとな」と思った次の瞬間に諍いが起こり、「縁を切りたい」と思ったりするあるあるにす...続きを読むごく共感した。 光を軸に置いた状況描写が美しかった。
この人の素晴らしいところは難しい言葉を使わないところだと思う 読者にもある語彙で、思いつかないような表現をするからびっくりしちゃうし打撃もでかい
おそらく、『推し、燃ゆ』が何十万部売れようと、この人には関係ないんだろうなというのが、まず、読み終えた第一印象であり、23歳という若さに似合わぬ、その堂々とした佇まいから放たれる、大胆にして理知的でありながらも、平和そうに見える現実の奥底に深く沈み込んでいる絶望的な闇を、その客観的視点で見つけ出し、...続きを読むなんとかしようと孤軍奮闘している。そんな印象を私に与えてくれた本書は、間違いなく衝撃作だと思う。 本書で扱っている問題は、いわゆる家庭内暴力が当然のように繰り返される、どうしようもない家族の在り方であり、普段は人が好くても、時折子供のようにカッとなる父親と、脳梗塞の後遺症を引き摺る、不安定な母親と共に暮らすのは、常に淡々と振る舞う、兄の「にい」と、妹の「かんこ」と、辛いことがある度に、へらへらと笑うようになった、弟の「ぽん」の三人であったが、にいは家を出て行き、ぽんは遠くの高校へ行く口実で祖父母の家に行ってしまい、ただ一人残ったかんこも高校生活に馴染めず、時折訪れる、精神的衝動の爆発に悩まされており、そこに家庭が影響しているのは、おそらく間違いないと思われる中での、そんなある日、父方の祖母が亡くなった事によって、祖母の家に車で向かう事をきっかけに、以後、その車内でのやり取りを中心として、物語は動いていく。 車の中に家族全員が存在する場の空気というのは、改めて考えてみると、家の中以上に息苦しいものがあり、しかも家の中と違い、止まらない限り、決して逃げることの出来ない、その檻のような場所で、気まずい会話も時には起こるかもしれないが、かんこの場合、背もたれを蹴り飛ばす事も平気でする。これは、原因を一切考慮に入れる必要の無い非常識な行いなのだろうか? 兄や弟が出て行ったのは、主に、父親の暴力が原因である事に加え、母親の不安定さも重なったのが大きいのだが、そんな中、かんこは暴力を振るわれた、その瞬間は辛くやり切れない思いに囚われるが、時が経つと、何となく曖昧に受け入れてしまい、心の底では何とかしたい気持ちもありながら、今日までそれを繰り返してきた。しかもそんな曖昧さが、この家族全員に共通しているところに、かんこ言うところの『地獄』があり、それは、『曖昧に繰り返される、柔らかくぬるく、ありふれた地獄』で、最も恐ろしいのは完結しない事だという思いには、私も同情を隠しきれない。 そもそも、父親の言動は子供だけでなく、母親に対しても同等である事に、私は嫌悪感を覚え、それは、過去に脳梗塞にかかった事のある人間に対する接し方では無いと、私自身の価値観に照らし合わせて、そう述べているのだが、本書の凄いところは、おそらくそうした部分は関係ないのだと、言っているかのようなところにある。 いや、それはおかしいだろうと言う方も、きっといらっしゃるのだと思う。そんなの、別の大人達に相談して、即刻父親から離れさせるべきだという意見もあると思うが、実は、そういったことに対して、拒否反応を示しているのは、かんこ自身で、そこから窺い知れるのは、彼女が子供と大人を対等な眼差しで認識していることだった。 『誰かを加害者に決めつけるなら、誰かがその役割を押し付けられるのなら、そんなものは助けでもなんでもない』 『助けるなら全員を救ってくれ、丸ごと、救ってくれ』 これらの叫びに渦巻く、かんこの思いには、父親が家族に対して行使した力も、『別の被害意識に基づいた正当な抵抗』ではないかと考え、更には被害者であったはずの、かんこ自身、もしかしたら加害者でもあるのではないかと自省しており、それは、彼女一人だけが地獄を抜け出しても、ちっとも嬉しくないし、家族にとって何の解決にもならない事を、彼女自身が理解している事の証でもある。 『まだ、みんな、助けを求めている。相手が大人かどうかは関係がなかった。本来なら、大人は、甘えることなく自分の面倒を見なくてはならないということくらい、とうにわかっていた』 『だが、愛されなかった人間、傷ついた人間の、そばにいたかった。背負って、ともに地獄を抜け出したかった。そうしたいから、もがいている。そうできないから、泣いているのに』 これまでの家庭内問題を扱った作品では、比較的、被害者側の視点に寄り添った内容が多いと思われる中、本書の場合は、加害者側にも同等の温かい眼差しを向けているのが、私にはとても印象深く、しかも、それを血筋といった、目には見えない感覚的な事で分からせようとするのではなく、宇佐見さんなりの方法で、真摯に向き合い、誠意を込めて、誰にでも理解しやすい言葉で伝えてくれていて、そこには、外側からだけでは決して分からない、それぞれの胸に抱かれた必死な思いも見え隠れしている。 『もつれ合いながら脱しようともがくさまを、「依存」の一語で切り捨ててしまえる大人たちが数多自立しているこの世をこそ、かんこは捨てたかった』 そして、最終的にかんこが家族を思い、とった行動には、逆転の発想を思わせるものがあったが、それ以上に私が感じ取れたのは、人間を超越した天にあるものから降り注ぐような、本書でも度々登場した光の熱に対する身を切るような痛みに対する抵抗であり、かんこの行いをきっと見ているであろうに、何もしてくれないものに対する抵抗でもありながら、その曖昧さの漂う空間に於いて、そこから逃げることなく全てを受け入れる事にした、かんこだけが持つ、家族に対する真っ新な愛情表現なのであった。
作者の魂の叫びを感じて受け止めるの苦しくてなかなか読み進められなかったけど最後の方は一気に読めた。 読んだあとちょっと放心した。 自分が人生について漠然と感じたことのあるやるせなさみたいなものを鋭く言語化してくれててすごい良かった。読みながら自分の核の部分が震えたような気がした。 明日の地獄を生きよ...続きを読むう・・・
歪んだ家庭だけれども捨てることなんてできない。その中にも幸せもあるのかなと思える。くるまの娘というタイトルもそういうことかってなりました。
くるまの娘ってそういう意味だったのかと読み終わって納得。 胸糞悪いけどその感じがどんどん次のページに進めたくなった。
女子高校生の「かんこ」の視点でかんこの家族を描く。脳梗塞の後遺症に苦しんでいる母親、暴力を振るう父親、そして兄と弟--。昔は車中泊をして旅行に行っていた時期もあった。普通の家族像だったかもしれない。それがだんだん家族仲が悪い異常な家族となっていく。ある日、祖母の葬式に車中泊で祖母の家に向かう。遊園地...続きを読むに寄り道をするのは昔の家族を取り戻すためだったのだろうか。キーワードとしては「写真」が重要な気がする。そして写真は記憶障害を持つ母親ともリンクする。車は家や家族の象徴かもしれない。家族が一緒になり、そこで楽しいことや苦しいことも共有し、喧嘩もする。かんこにとって外界から閉ざされた車中は物理的にも精神的にも安定する場所なのかもしれない。
なんとも切ない。でも、リアルな内容なんだろう。 冒頭、何か暗い予感を漂わせていたが、段々と合点がいくようになった。 簡単に言葉をかけることが、出来ないと思えた。 分からないし、経験や体験を昇華させるための言語化なんて出来ないと思う。 著者の些細な描写や表現力はさすがだし、才能を感じずにはいられない...続きを読む。どうやったらこんなら文章が書けるのだろうか。別作品『かか』より読んで良かったと思えたが、著者は家族に対してどんな思想や価値観をお持ちなのだろうかと思う。
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