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新米弁護士の小柳のもとに相談に訪れた女子学生が、その夜、突如失踪した。翌朝、クラウドファンディングで日本中から10億円の身代金を募るという前代未聞の誘拐事件が発覚する――! 斬新な設定、読者を翻弄する展開、抜群のリーダビリティ。デビュー作にしてエンタメ小説の面白さが詰まった、新機軸のノンストップ・ミステリー!
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Posted by ブクログ
【組織で働くとは、その組織の人間を信じること】 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 今回特に印象に残っているのは、新米弁護士小柳が弁護士としての責務である守秘義務や、菜子だけではなくサイバーアンドインフィニティ社(CI社)を守るという自分の置かれた立場と、誘拐事件を解決するために警察に情報を話したい、何か知ってい...続きを読むそうな上司の態度を信用しきれないという思いの間で揺れるところです。 彼は仕事熱心で依頼人思い。過去の出来事から悪行を憎んでいます。そんな彼は上司に従っているだけでは菜子は救えないと考え、尊敬していたはずの上司にも反発し、独自に事件に首を突っ込んでいきます。 対個人であれ企業であれ、一生懸命な人ほど、客に喜んでもらいたい、客の役に立ちたいという一心で要望に独断で応えようとしてしまう。しかしそんなことをしたら、上司や先輩から、店や会社のルールを破るなと注意されるでしょう。かと言って、要求に対してそれはできませんと言えば客から柔軟性が無いと文句を言われ、どうしたら良いかと思い悩む羽目になる、こんな経験を(特に若いうちは)したことがある人は少なくないのではないでしょうか。(かく言う私も経験があります) 弁護士ともなれば法律上の守秘義務が伴い、依頼人が例え怪しがろうが、勝手に契約を反故にするなんてもってのほかでしょう。自分の仕事の範囲でのみ行動すれば、おそらく責任は重く問われない。しかし最終的に事が悪い方向へ進めば、自分は何のために仕事をしているのかと頭を抱えたくなることでしょう。 かと言って勝手な行動をすれば、救える人が出てくるかもしれない反面、ますます被害が拡大するかもしれませんし、何かあったら重い責任を負わされます。 「仕事にも人生にも正解なんてない。あるのは選択だけ」(p181) まさにその通りだなと思いました。 そしてなんらかの組織に所属するということは、そこのサービスや上司を信頼するという決断を下すことでもあるのかなと思いました。
新倉美里法律事務所の新人弁護士 小柳大樹が奮闘する物語だが、誘拐事件で身代金をクラウドファンディングで調達するという突拍子もない状況の中で、小さな疑問点を心に刻みながら、彼が多くの人たちの支援を得ながら全貌を推理していく過程が楽しめた.誘拐されたのは本條菜子.著名なキャスターが父で母も有名人.菜子自...続きを読む身も犯罪めいた行動をしており、小柳に相談していた矢先の誘拐だった.クラウドファンディングを担当したCI社の顧問弁護士をしている美里の行動に疑問を感じる小柳.CI社の寺岩社長や幹部の動きを詳細に分析する小柳.社内のスパイ、本條の父の画策、意外な結末は驚きもあったが、さもありなんとの感じもあった.雑誌記者の倖田が最終章でまとめた文章が、ストーリー全体を簡潔に記載しており、複雑な過程が把握できる.うまい構成だと感じた.非常に楽しめた.
デビュー作とは思えないほど読みやすかったです。 クラウドファンディングで身代金要求とか、現実ではあり得ないかもですが、小説の中で書かれるとドキドキハラハラしながら読めますね。 弁護士ってこんな感じなんだなーと勉強になりました。
振込詐欺と誘拐事件の話。 しかしもしクラファンで身代金を募るということが実際に起こったらどうするのだろう。 本当に振込詐欺なんて壊滅してほしい。
話の主軸となるクラウドファンディングで誘拐身代金を募るという展開が目を惹き新しいのだが、その必要性が今一つはっきりしなかった。色々な立場の人々の思惑が交錯し複雑に入り乱れ、主人公はその対応だけでも頭パニパニになりそうだがさすが弁護士、ボスの美里にしてもそうだがきれる頭で謎が一気解決。所々うーんと思わ...続きを読むない時も無くはなかったが面白かった。
身代金をクラウドファンディングで集める。 普通なら警察には言うなという誘拐犯が、世間に誘拐を知らせてお金を巻き上げようとする奇想天外な発想が良かった。 後は何を書いてもネタバレになりそう。 新米弁護士の小柳さんが今後どうするのか、それも知りたいと思いました。
ひとりの女性が誘拐され、クラウドファンディングで身代金10億円を集める様に要求される。 事件に関係する主人公は、正義感が抜けきれない新人の弁護士。できる上司のボスとともに、事件を追うことに。 事件の舞台となるIT関連会社サイバーアンドインフィニティ社で暗躍する企業スパイに苦悩する寺岩社長の姿は、こ...続きを読むんな上司の元で働きないなと思えたり。 主人公のボスを含めて、上司のあり方も楽しめました。 ネットやSNSて、人の価値が決まるように思える時代。常にひとに見られているようで、生きにくい世の中だなとおもう。オレオレ詐欺など、人の善意の上に成り立つ詐欺も、人の関係が希薄になっている証拠でしょうかね。
設定は面白いけど後半が少し詰め込みすぎかな。 もうちょっとページ数増やして隙間を作ってもらった方が読みやすいとおもった。
詐欺事件で自主する法律相談が前代未聞の誘拐事件、クラウドファンディングで募る10億円に発展。誘拐事件の捜査が進む裏で、CI社をとりまく陰謀・企業スパイが絡み…ハラハラドキドキ。 ラストはちょっと、しっくりこないような終わり方。
誘拐の身代金10億円をクラウドファンディングで集めるプロジェクト、っていうのが新鮮。その裏で繰り広げられる抗争劇はなかなか面白かった。 それぞれの登場人物にまだ語られるべき余地があるってことは、今後続編とか出てくるのかな?
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京橋史織
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