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太平洋戦争の陸戦の全局面を,物動,編成,兵器,動員人員などあらゆる角度からはじめて総合的に把握し,記録した画期的な書.元陸軍大佐で参謀本部の中枢にあり,敗戦時陸相の秘書官であった著者が,苦労をはらい収集した豊富な資料を駆使して正確に記述する.
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Posted by ブクログ
太平洋戦争の陸戦を記録した書籍である。著者は元陸軍大佐で参謀本部にあり、敗戦時は陸軍大臣の秘書官であった。 本書の優れた点は大日本帝国陸軍の問題点を分析したところにある。それは精神主義や根性主義と呼ぶべきものである。これは今日では当たり前となっている結論であるが、終戦から早い時点で陸軍幹部自らが結論...続きを読む付けているところは真面目に向き合っている。 恐ろしいところは現在の日本の公務員組織も日本陸軍の駄目なところを継承しているように感じられるところである。情報を公開しない点や責任を取らない点がある。ミスをした人間への責任を明らかにしない。大きな問題になれば転勤させ、ほとぼりが過ぎると戻される。また、自組織の論理しか考えず、外部に負担や迷惑を押し付ける。 現代日本の納期意識を持たない無能公務員と猪突猛進の陸軍軍人では真逆のイメージを持つかもしれないが、猪突猛進の陸軍軍人も補給などでは現代の無能公務員と類似する。「頭が制帽を載せる台以外の使い道があるのなら、もう少しマシなプランを考えろ」と言いたくなる(ドロップ&キック『金髪さんのいる同盟軍 』「第028話:”ラインハルトは心配性?”」)。明治から戦前まで富国強兵で邁進したように戦後も焼け野原から経済大国に邁進しただけで、本質的には学習できていない。
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林三郎
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