ヒカリ文集

ヒカリ文集

1,771円 (税込)

8pt

二年前、東北で横死した劇作家兼演出家の破月悠高。妻の久代がその未完成の遺作を発見した。学生時代に夫妻も所属していた劇団NTRをモデルにしたその戯曲を読んだ久代は、同じく劇団員だった鷹野裕に声を掛ける。「裕、あの戯曲の続き書かない?」

相談の結果、元劇団員たちがそれぞれ好きな形式で文章を寄せることになった。作品集のタイトルは「ヒカリ文集」。劇団のマドンナであり、あるとき姿を消してしまった不思議な魅力を持った女性、賀集ヒカリの思い出が描かれてゆく。

『親指Pの修業時代』『犬身』『最愛の子ども』……そして新たな傑作が誕生!

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ヒカリ文集 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    ⚫︎感想
    だれにも心を開かない、でもだれにでも真心をこめて接することができたヒカリに魅了された元劇団員たちが作り上げた「ヒカリ文集」。みんなに甘やかで特別な記憶を残して、最後まで実在としては登場しない。
    家庭環境で幼少期に歪んでしまった部分が、刹那的な本物以上だと他人が感じてしまう優しさを生み出して

    0
    2024年03月13日

    Posted by ブクログ

    『最愛の子ども』にも感じたけど、何か物寂しいけど柔らかな気持ちになのは、やはりこの文章によるものか。とても心地よいテンポと表現で読むのが楽しみであり、読み終わるのが惜しくなってくる。皆さん言うようにいつまでも読んでいたい気持ちになる。

    冒頭の戯曲形式によるイントロダクションで人間関係を説明される中

    0
    2022年06月20日

    Posted by ブクログ

    めちゃくちゃやばいものをズルズルと一気に読んでしまった。
    とてつもなく不穏なのに、幸福感で溢れている。

    0
    2022年06月13日

    Posted by ブクログ

    私にヒカリのような友達はいないけれど、愛情を持たないからと言って冷たい人間であるわけでもなく、愛情がないからと言ってその時々の真心が嘘であるわけでもない、そもそも人に優しくする、人を満たしてあげるのに愛情はそんな必要か?愛に何を夢見てんだ?と松浦理英子にビンタされるような本だった。

    劇団員を次々に

    0
    2022年05月28日

    Posted by ブクログ

    寡作の人、松浦理英子がまた傑作を。
    横死した劇団主催者、その遺稿の続きを5人の役者が綴る。男女の垣根を超えたその狂おしい愛が切なく胸を締め付ける。欲望、嫉妬が蠢く人間模様、とならないその人物描写、心理描写に唸ると共にぽっかりと空いた喪失感をも抱かせ、読後はしばし放心してしまった。

    0
    2022年05月09日

    Posted by ブクログ

    ★不在の中心の引力★年齢のことを言うのは野暮だと分かっているが、60歳を超えてこれだけ瑞々しい小説を書くのに驚く。男女を超えた性愛を受け入れる(本人から積極的ではなくあくまで受け身に見える)不在の主人公を巡り、それぞれの立場からの思いを描くことで空白を立体的に描く。同時に各人の完成性も塗り重ねていく

    0
    2023年04月23日

    Posted by ブクログ

    元劇団員の男女6人による文集という体の小説。主題は、6人全員が恋をした、闇を抱えつつ魅力にあふれたヒカリという女性。
    サークルクラッシャー的でありながら皆に好かれるというヒカリの人物像にあまりリアリティは感じなかったが、構成として面白い小説だった。恋愛や人への依存について考えさせられた。

    0
    2023年02月20日

    Posted by ブクログ

    ある劇団を舞台に、奔放に生きて男とも女とも関係を持ち惑わせる女、ヒカリとの思い出を6人の劇台員が書き綴って一冊の本に仕上げたという体裁の小説。一人の女性、ヒカリを主人公として、色んな角度から書かれた短編集の集合でもある。演劇はそれほど熱心に楽しむ方ではないので、実際のところはわからないが、誰とでも親

    0
    2023年01月06日

    Posted by ブクログ

    「不思議」「不思議」と評されているのをよく目にして、興味を持ち読んだ。本当に不思議な作品で、ヒカリ自身のことはよく分からず終わったけど、それが魅力的。…でも、ヒカリ視点で一冊読みたい!(笑)

    0
    2022年09月19日

    Posted by ブクログ

    松浦理英子恋愛小説の第一人者がつづる感動作、劇団員6人が恋した「ヒカリ」とは謎が謎を呼ぶラスト「どこにいても、ヒカリが今そばにいる人たちに僕らにくれたのと同じようなものをあげてるならそれでいいさ」題名内容も深い意味を感じ取る奇跡の大傑作をの読んで下さい。

    0
    2022年01月28日

ヒカリ文集 の詳細情報

  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    講談社
  • ページ数
    256ページ
  • 電子版発売日
    2022年02月22日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    1MB

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