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小さなころ怖かった古典、過去の嫉妬を思い出す小説、何度も買った作家指南書、そして自身の著書について……デビューから書き続けた「本」にまつわるエッセイを一冊に。新たに5本を追加収録! 芥川賞作家である著者初の書評集。解説・島本理生。
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Posted by ブクログ
変わった、不思議な小説を書く印象のある村田沙耶香さん。 〝私の文章の読み方には二種類あり、一つは「ひたすら読み進む」という普通の読み方。 もう一つは、「一節を何度もいったりきたりしながら繰り返し味わい、頭の中で執拗に嘗めまわし続ける」という少し変質的な読み方” と、村田ワールド炸裂な表現の仕方...続きを読むに笑ってしまう箇所が多かった。 これまで沢山読んで吸収してきた本たちを〝私が食べた本”と表現しているのも面白いと思ったし、人生における性と生死について深く考える方なんだな〜と思った。 私も大好きな小説家の島本理生さんや、西加奈子さんについてのエッセイも読めて大満足。 西加奈子さんについての話は鳥肌が立ったし、西さんの愛に溢れる人間性を少し知れて嬉しかったし、だからあんなに愛に溢れた小説が書ける方なんだなぁ〜と、なんだかとっても嬉しくなった。 紹介されていた本も興味深いものが沢山あったし、山田詠美さんの本も1冊しか読んだことがないので早速他のものも読んでみようと思う! 2022年、15冊目。
すごい良かった メモした言葉がいっぱいある 国語の授業みたいに難しい箇所が何回かあって飛ばしてしまったが全体的に楽しく読めた 3時間半かかって一気に読んだ 読み終わった時にいつものドトールが愛おしい場所のように思えた
村田沙耶香さんの書評、というか独特の視点な本のしるし。村田ワールドがぎっしりみっちり詰まっている。最後の方の雑誌に寄せられたエッセイは千葉のニュータウンの匂いや東京の夜のあかりが見えるようで、少しだけ羨ましくなる。 私は村田ワールドが好きだな、とまた思う。
書評、あんまり好きじゃないのに、村田さんの文章だとついつい読み込んでしまうし、文の勢いがすごい。 脳に語りかけるみたいな、映画みたいな文章だなってよく思う。気になった本はぜひ読んでみようと思う。
村田さんの文体はいい意味で庶民的な純文学で素敵◎ そんな村田さんを形作ってきた本たちへの愛が伝わってきてドキドキする一冊
作家というものは、程度の差こそあれ本書の著者のような感覚の持ち主なのか。それにしても、著者の感覚の鋭敏さは物凄い。だがしかし、本書の中の「本」を読みたいとは思えず、共読本も2冊のみ。その内の1冊『注文の多い料理店』の「文字が本の中を動き回る」という感想が驚きだ。書評の中に著者自らの幼少期や、性に関す...続きを読むる思いが赤裸々に入り込む。これらの文章から、凡人と、作家のような超人の差が否応なく感じられた。西加奈子に関する文壇・編集者とのやり取りも読むほうが心配になる。そして、西加奈子作品の書評が1冊もない不思議。
あまり村田さんの世界に入り込まないように、用心して遠目から眺めるような感覚で読んだ。 小学生の頃の様子がしばしば登場するが、どこにでもいるような多感な子供の一人だと思う。 多くの人は「こういうことは考えない方がいいんだ」と妄想を少しづつ消しながら大人になっていくのだろうが、 村田さんは沢山の妄想を...続きを読む消せないまま大人になったようだ。 喫茶店で読書したり仕事(小説を書く)をするのが好きな村田さん。 家だと仕事をする部屋に閉じ込められているようで苦しくなるらしい。 自分以外の人が近くにいると安心し集中できることに気づいたので、喫茶店に足が向くらしい。 コンビニで働くこともそうだが、他人がいる環境で定型パターンの作業をすることが心地よいみたいだ。 村田さんは「西加奈子」さんのことが好きで尊敬していて、本書の最後に少し長めのエッセイを書いていた。 西加奈子さんは、とても純粋で素直に本心を言葉にして投げかけてくるのだそうだ。 「さやかはそんなんでよく今まで生きてこられたなあ」と言われ、そのまま西さんに投げ返したいと思ったとか。 村田沙耶香さん曰く、彼女に比べれば私はずっと人間で「西加奈子」は「化け物」らしい。 その西さんに言葉を投げかけられると、村田さんは人間らしく振る舞っている皮を剥がされ、自分も「化け物」化させられてしまう。 自分が西さんに食べられているという感覚にもなるそうだ。 「西加奈子」さんて何者?、どんな人なのか興味が湧いてきた。 次は「生命式」に挑戦しようかとも思っていたのだが、しじみさんのレビューで怖気づいたので今は読むのをやめる。 「村田沙耶香」さんとはしばらくの間離れ、「西加奈子」さんに接近してみようと思う。
村田沙耶香さんの好きな本の書評。 後半は子供の頃から書く事、読む事が好きで、小説家になり、そしていつしか、原稿を依頼されたり、先生と呼ばれるようになった時々の心情が書かれていて、もっと村田沙耶香さんの作品を読みたくなった。
『ギンイロノウタ 』以来の村田沙耶香san。 小さなころ怖かった古典、過去の嫉妬を思い出す小説、何度も買った作家指南書、そして自身の著書についてー。 村田san初の書評集。村田sanが食べた本の中で、私が既に食べていたのは『にんじん』1本。これから食べたいと思ったのは『少女怪談』と『部屋』の2食...続きを読むです。村田sanが小さい頃の「空想から明朝体」という感覚が、ちょっと不思議で、とっても良いです。 また、芥川賞受賞の日、桃の間に呼ばれた時に”ぜんぶ聞き間違いかもしれないです”という慌てぶりも愛おし過ぎます。 あとがきで紹介されていた、小沢信男sanの「読書は、音楽に譬(たと)えれば、演奏だ」という言葉も素敵でした!⭐︎
この著者の小説は好きではないのだが、新聞で目にする書評にうっとりしてスクラップするほど、なので書評集読んでみた。こんなにまとめて読むと息苦しさを感じる。恐ろしく激しく読むという行為に挑みかかっているようで。そして評されている作品自体は決して読みたくならない不思議。
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