1R1分34秒(新潮文庫)

1R1分34秒(新潮文庫)

539円 (税込)

2pt

デビュー戦を初回KOで華々しく飾ってから、3敗1分けと敗けが込むプロボクサーのぼく。そもそも才能もないのになぜボクシングをやっているのかわからない。ついに長年のトレーナーに見捨てられるも、変わり者の新トレーナー、ウメキチとの練習の日々がぼくを変えていく。これ以上自分を見失いたくないから、3日後の試合、1R1分34秒で。青春小説の雄が放つ会心の一撃。芥川賞受賞作。(解説・町田康)

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1R1分34秒(新潮文庫) のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    町屋さん、芥川賞受賞のボクシング小説

    プロボクシングの試合って、独特だ
    何ヶ月も準備して、命を文字通り削って試合をして、それまでの準備の全てが、たった数分の試合で試される
    だからこそ、負けの記憶は全ての否定として残る
    だからこそ、勝負に上がることはとても怖い

    その全てを、曖昧化した主人公の一人称

    0
    2021年12月26日

    Posted by ブクログ

    自分の心の葛藤を、下手に綺麗にせず葛藤のまま書かれた文が多く、印象に残った。
    爽やかなスポーツ小説といったものではないが、登場人物たち全員に対して、わかるよ、頑張ってくれ、報われてくれ、、と思わずにはいられなかった。

    170ページ程度だが、描かれている期間も1年程度(?)と短く、密度の濃い話だと感

    0
    2024年03月12日

    Posted by ブクログ

    本作はスポーツ小説ではなく、著者渾身の青春文学だ。
    解説を入れて182頁と短めの小説だが良い意味でスラスラと読ませてくれなかった。「発見」が沢山あった。今後の糧にしよう。ボクシング知識皆無の私だが、ボクサーの方々の見えない苦悩が少し垣間見えたように思う。

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    2023年01月12日

    Posted by ブクログ

    強さとは優しさとは何か。オードリーの若林さんがボクサーをしたらこんな感じになるだろう。優しさと甘さに片足をツッコミ勝負に勝てない主人公。ウメキチとの出合いで変わっていく。

    0
    2022年02月23日

    Posted by ブクログ

    久々に、引き込まれる作品。一般人にとっては想像もできないボクサーの日常。その感情や、こだわりやこだわりのなさや、執着や無頓着やさまざまなものがリアリティを持って、生きている感じがしたんだと思う。文章もなんだかボクサーのダッキングを思わせる流れ方で、よかった。

    0
    2022年02月05日

    Posted by ブクログ

     小心者の駆け出しボクサーの心情の推移を描く。
              ◇
     自分の才能への懐疑や負けることへの恐怖を小手先でごまかそうとしていた小心な「ぼく」だったが、ある日、先輩ボクサーのウメキチが「ぼく」のトレーナーに就任する。
     半信半疑でウメキチの組んだメニューをこなしていったところ……。
     

    0
    2022年01月18日

    Posted by ブクログ

    自分を見失ってしまっていたボクサーが自らを掴み直す。
    何もないように見えるほどカラになっていたようで、その実、閉ざし、なにものかを抱えこみ過ぎていた主人公。
    おかしなトレーナーの出現で、自らを取り巻く色々なものを捉え直す。

    0
    2022年01月03日

    Posted by ブクログ

    70〜90分ほどで読み終われる。主人公の葛藤、内面がよく書き出されてて入り込みやすい。
    淡々と進んでいくストーリーだが退屈しない。
    最後も良かった。

    0
    2022年10月19日

    Posted by ブクログ

    ボクシング経験者としては共感できる部分も多くあった。勝敗どうこうよりもその道程を人間臭く描くのは純文学らしい。

    ボクサーとは純粋な生き物だと思う。曖昧な世の中に対比させるとなんとも悲哀を感じる。

    生きているのか生かされているのかわからなくなる。そんな感覚を思い出した。

    0
    2022年05月07日

    Posted by ブクログ

    生の拳にグローブをはめて、決闘をするように。 消えてしまいそうな主人公の自我にボクシングのストーリーをはめて、語られている。 ここにある言葉に、破壊的なアッパーカットなんてない。気づけば自らの弱さを投影してしまうほど、柔らかな水面のような言葉がある。

    0
    2022年01月30日

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